日本人の韓国渡航者数
日本と韓国の関係が微妙な状況が続いています.JNTOさんの発表を受けての報道の通り,2019年8月の訪日韓国人は308,700人.前年同月は593,941人なので,48.0%の減少とか.
その中で,本務校の父母会の懇親会の席上で「うちの息子(娘)が8月に韓国に行ってきました… なんともなかったようですが」との話になったり,我がゼミの合宿中の宴会にて学生が「情勢は気になるけど韓国に行きたい」と言い出したり,ということが連続して起きました.気になったので,韓国の発表する観光統計をチェックしました.
発表によると,2019年8月の訪韓日本人は329,652人.前年同月の2018年8月は315,025人ですので,4.6%の増加となります.今年に入ってから各月とも前年比20%程度増のペースで来たので,8月はペースが落ち込んだものの,対前年を上回ったのは事実です.
8月の数字を属性でブレークダウンしてみます(表参照).注目は21-30歳です.2018年8月が71,534人ですが,2019年8月は86,736人と21.3%増加しています.31-40歳も6.4%の増加.一方,41歳以上,特に61歳以上は10%の減少が見られます.
近年の日本人の韓国への渡航者数のデータを見ていると「若年層,女性の比率が高い」という大きな特徴があるのですが,ますます裏付けられる格好になっています.日本人の若年層は二国間関係,国際情勢の変化の影響を受けにくいセグメントなのでしょうか.
報道を見ていると,韓国→日本のインバウンド需要の減退の影響で地方路線を中心に日本と韓国を結ぶ路線の減便や運休が行われていますが,その一方で日本→韓国のアウトバウンド需要は若者を中心として依然として旺盛であることを確認したところです.ただし,韓国に渡航しているのはどのような人なのか(初めて行く人なのかリピーターなのか,韓国好きの人なのかそうではない人なのか)についてはこの統計からはわからないので別の調査が必要となるでしょう.
比較のために7月以前のデータの分析は改めていたします.
データ出所
日本政府観光局(2019). 訪日外客数(2019 年 8 月推計値),2019年9月18日発表, <https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/190918_monthly.pdf>, 2019年9月24日閲覧.
Korea Tourism Research Organization (2019). Korea, Monthly Statistics of Tourism, <https://kto.visitkorea.or.kr/eng/tourismStatics/keyFacts/KoreaMonthlyStatistics.kto> ,2019年9月24日閲覧.