決まりゼリフの悩み
取材現場には(とくにこちらがセッティングした場所だと)、タレントさんやスタッフの皆さんに口にしていただければということで、飲み物や軽い食べ物などを用意しておくのですが、コロナ禍以降、あまりがっつり食べ物を置くのも…という感じになり、飲み物と簡単にお菓子を置いておく、ぐらいにさせていただいています(他の現場では盛大なケータリングもあったりするので、すいやせん…という気持ちにはなるのですが)。
で、この飲み物やお菓子。近所のコンビニやスーパー、ちょっと気張ればデパ地下的なところで買うという感じのものなのですが、「塩梅」が難しい。あまりにも買い過ぎても余らせるだけ。昨今のサステナビリティに反する状況になる。かといって少なすぎても…という。
現実にはタレントさん俳優さんもご自身で飲み物をお持ちだったり、フォトグラファーさん、スタイリストさん、ヘアメイクさんもそこまで飲んだり食べたりする時間はなく、全てが消費されることは少ないわけで。いつも取材終わりに「もし、お邪魔じゃなければお持ちいただければ」と、皆さんに決まりゼリフでお声掛けすることになりがち。
ただ、この決まりゼリフを言った後に必ず「お邪魔じゃなければ」と言われて「お邪魔です」とは言えないわけで、“しゃーなし”に持っていってくれてるのかもなぁ、と考え過ぎの自分が発動し、んぐぐ…とうつむき加減になるわけで、この種の社交辞令は20年以上この仕事をしていても正解が見つからない日々です。
とはいえ、ふと思ったのはこの「お邪魔じゃなければ」というのは決して悪い言葉じゃないな、と。本作りも結構この精神が大事かな、と思ったりします。どや、買ってくれや!も悪いわけではないけど、お邪魔じゃなければ、どうぞお手元に、というスタンスがきょうび、ちょうどいいかな、と。実際、電子書籍なら邪魔にならないけどフィジカルの本は邪魔になるといえばなるわけで。文字通り「お邪魔じゃなければ」の存在。
で、最後は完全に宣伝の話ですが「W!VOL.35」が1月30日発売になります。余らせない程度にそれでも多めに準備しますんで、お邪魔じゃなければ、ぜひ。
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