ボードゲームと賞金の関係性について
こんにちは、ボードゲーム好きVtuberのテトランパトルです。
最近、ちょっと腑に落ちないことがあったのですが、前例的な観点から物を見すぎていた結果かな?と思ったため、状況を整理するためにこの記事を書き始めました。
内容はタイトル通り、「ボードゲームと賞金の関係性について」です。
何が腑に落ちなかったのか(問題整理)
かいつまんでいうと、「ゲームの優勝者が最終的に保持していたゲーム中のリソース(今回は資金)と、同額のリアルマネー(もしくは電子貨幣など)を賞金として用意することが、ゲームバランス上前提となっているボードゲーム」(以後、該当ゲームと呼称)というのがTwitter上で公表され、それについて腑に落ちないなあ…という気持ちを持つに至ったという感じです。
より明確化すれば、「賞金をボードゲームの一部としてシステムに加えることに対して違和感を持った」となるでしょうか。
なので、既存のボードゲームと賞金の関係性。つまり、「ボードゲームの勝敗の結果として賞金が得られる大会が存在する」ことと、該当ゲームにおけるボードゲームと賞金の関係性について比較することで、その差異を見ていこうかと思います。
(該当ゲームの運用における、賭博罪に該当するかどうかといった道義上の問題についてはこの記事では触れません。素人がちょっと調べた程度だと、「おそらく問題にはならない」という結論になりましたが、所詮は素人の調べた結果なのでアテにはしないでください。)
賞金が出るボードゲームの大会は存在する。
「えっ、ボードゲームにも賞金が出る大会が存在するの?」とお思いのみなさん。案外色々あります。
有名どころではポーカー、バックギャモン、モノポリーといった、いわゆる伝統的なボードゲームが目立っています。その一方で、ドミニオンのような比較的新しいボードゲームでも、賞金の出る大会が行われているようです。
おおむね、世界大会といった形になるようですが……
こうしたボードゲームと、それぞれの大会での賞金との関係性は「ゲームに勝ち続ければ賞金が得られる」という点に集約します。
賞金を得るため、というモチベーションが加わるため、通常のゲームプレイと比べて勝利に向けての真剣さが増す傾向はあると思われますが、しかしそれはゲームそのものには大きな影響を与えません。
平たく言ってしまえば、賞金があろうとなかろうと、ゲームバランスそのものが変化するワケではありません。なぜなら賞金は外部要素であって、これらのボードゲームの中にもともと存在する要因ではないからです。
賞金を「コンポーネント化」することの尖鋭性。
前述の「賞金が出る大会が存在するボードゲーム」群に対し、該当ゲームにおける賞金との関係性は、「ゲーム内のシステムに組み込まれ、ゲームバランスの一要因となっている」というものです。
(製作者さんとの対話の中で、賞金と連動するリソースがゲームの要になっている点・そこを踏まえたプレイヤーの心理状況をゲームバランスに用いている点は確認できています。)
つまり、該当ゲームにおいて「賞金」とは、製作者さんの想定する万全なゲームバランスでゲームを遊ぶ上で必要不可欠な要素であると言えるのではないでしょうか。
それがないと(本来のゲームバランスで)遊ぶことができないもの。存在することが当然のもの。それすなわち、ボードゲームにおける内容物と同義でしょう。言い換えれば該当ゲームにおいて、「賞金」とはまぎれもなく「コンポーネント」(製品としてのボードゲームにおける内容物)なのです。
買い切りのボードゲームにしても、いわゆるレガシーシステム(一度遊ぶと二度と遊べなくなるもの)が出てきたとき、僕は結構な衝撃を受けたものですが、今回もそのときの驚きに似た何かを感じたのだと思います。
いや、おそらくその時以上の衝撃でしょう。なにしろレガシーシステムは購入すれば一度しか遊べないとはいえ、全ての内容物があらかじめ用意されています。それに対して該当ゲームは肝心要の有価資産を自前で用意する必要があり、なおかつそれが毎回消費(分配?)される訳ですから。
いちボードゲーマーとして腑に落ちなかったのは、該当ゲームにおけるこの「ゲーム内での役割を果たすべきコンポーネントを、ゲーム外から持ってくる必要がある点」。つまり、「一個のボードゲームとしてそれだけで完結していない点」なのかなあと思っています。
しかし、改めて考えてみると、なんとも先鋭的な試みではないでしょうか。
既存のボードゲームとは別の視点からアプローチをかける大胆な手法で、結果的にどのような評価をされるにしても、こういう試みがなされたという点において価値はあるのかもしれないと感じますね。
終わりに。
前例がないからよくないものだ、みたいな考えに陥りたくないなーと思いながら、自分なりにもう一度該当ゲームのことをどう思うのかまとめてみたのですが。
「賞金」ありきのゲームバランスを取っている点・ゲームマスターが恣意的にプレイヤーに対してリソースの出費傾向を操作できる点などから、ボードゲームというよりはゲーム系エンタメ番組で使われるタイプのショー・ゲーム(造語。意味はお察し)ではないだろうかと結論に行き着きました。
これを読まれている方は、ボードゲームが好きだったり興味がお有りな方が多いと思うのですが、みなさんはどう思われるでしょうか?
ご意見・ご感想など頂ければ嬉しい限りです。
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それでは~