BGAアグリコラ4人戦雑感④ 得点行動あれこれ
前回の記事に引き続き、BGAアグリコラ4人戦の雑感を記載していきます。
今回は得点行動についてのメモ書きみたいな感じ。
① 総手数と得点の大雑把な関係性
アグリコラでは始めから家族2人を使うことができます。仮に、家族2人のまま14Rまでゲームを行った場合、総手数は28アクションになります。
また、アグリコラの初期盤面は-14点から始まります。50点を勝負できる点数と考えると、合わせて64点分の勝利点を獲得する必要があります。
単純計算すると、1アクションの価値が2.3点ほどあればこの条件を達成できます。(小数点第2位四捨五入)
実際には他プレイヤーとの衝突だったり、食料供給行動が必要になったりとすべてのアクションを得点行動に回すことは難しいですが、それでもこの1アクションの価値に対する感覚を深めることは、行動指針を決める際などに役立ちます。
② 得点行動の効率
畑・柵はその後の小麦・野菜、家畜3種の得点の受け皿になっているため、厳密な効率まで求めると異なる部分も出ると思います。という前置き。
○畑
1手1点、2手3点、3~5手2点、6手以降1点。
実質、2手~5手までは1手2点行動として扱える。
○柵
3木→3木→3木→3木→3木→柵の6手15木柵で11~12点。
柵は置き方次第でいろいろ変わってくる。畑や家を諦める分広く取ることもできるし、逆に狭く取って残りの空きスペースを別で埋めることもできる。
柵を2回に分けて置くと、1手ごとの得点が0.3点ぐらい落ちる。家畜の繁殖と天秤にかけて判断したい。
○小麦・野菜
小麦は1手2点、2手0点、3手0点。
野菜は1手2点、2手1点。
種をまくことで、以下のように増える。ただし、植える分の畑が必要。
小麦1→3(+0点)、2→6(+2点)、3→9(+3点)
野菜1→2(+1点)、2→4(+2点)
収穫のタイミングで畑から植えた小麦・野菜が1つずつ戻ってくるため、それを植えると小麦・野菜といった2回目以降の得点効率が著しく減衰するアクションに行かなくて済む。
※最終畑5枚想定
小麦→野菜→種まき(小麦1・野菜1をまいて小麦1→3、野菜1→2)→(2回の収穫後)→種まき(小麦2・野菜2をまいて小麦3→7、野菜2→4)
これで4手9点となり1手あたり2.3点程度の効率となる。
○家畜
どの家畜も1匹なら1手2点。
つがいで取れる場合、残りの繁殖回数と柵の置き方で1手の得点効率が変わる。今回は繁殖回数だけを勘案する。
羊:残り繁殖回数が2回/4回/6回で、1手3/4/5点。
猪:残り繁殖回数が1回/3回/5回で、1手3/4/5点。
牛:残り繁殖回数が2回/(4回)で、1手4点/(5点)。
つまり、羊・牛は5st中に、猪は6st中につがいが取れれば、繁殖で+1点が自動でついてくる。
1匹ずつ取ったとして3手6点、すべてつがいで取れたとして3手10点。1手あたり2点~3.3点になる。
○増築
増築材の入手にかかる手数+増築の手数が、増築する家の資材状況によるがだいたい5~6アクション。
木の家は1軒建てるごとに1点(空きスペースが減る分のみ)、レンガの家は2点(空きスペース+1点)、石の家は3点(空きスペース+2点)。
5手1~3点、1手0.2~0.6点。あまりにもむごい点数効率である。
○増員
1手3点。更に総手数が(14-現在のラウンド数)分増える。必要食料も(残りの収穫回数✕2)分増える。
増えた手数で、増築にかかった手数を相殺できることが多い(どころか、少し余ることも多い)ため、早期の増築・増員は強力。
前回の記事にも記述したが、仮に木の家1軒増築し5Rに増員を行った場合、14Rまでに増える手数は9アクション。増築増員にかけた6アクション分を打ち消すと、差し引きが「+3アクション、必要食料+10、4点」。食料を賄うために増えたアクションを全て使ったとしても、アクションを消費せずに4点得たという計算になる。
○改築
家3~5軒、必要な資材を集めるのに2~3手かかるとして、+改築アクションで3~4手につき3~5点。1手0.8~1.7点程度の効率となり、実際のところ、そこまで効率のよい得点行動とは言えない。
しかし、「改築その後大/少進歩」や「改築その後柵」など、改築を実行できるアクションスペースはプラスで行えるアクションが用意されているため、そこを上手に使うことで手効率を上げることができる。
○大進歩
基本的には得点行動ではなく食料行動のために取得することになる。盤面以外から点数を取って上限点を伸ばすためにも必要。
井戸(3手4点+5飯)が最高効率。5飯を1手と考えると、1手2点レベルの効率に迫る。
石窯(3手3点+パン焼きアクション)やレンガ窯(3手2点+パン焼きアクション)もパン焼きによって食料行動にかかる手数を圧縮できるのが+評価となる。
3種工業はいずれも3手2点だが、対応する資材の獲得で5手5点ぐらいまで伸ばせる可能性がある。少ないながら食料行動の補助にもなるところが+評価。
どの大進歩も「改築その後大/小進歩」で取得できれば、1手分浮くため手効率がよくなる。この1手分が馬鹿にならないので気をつけたい。
(例えば、井戸を改築のついでに出せれば2手4点+5飯となり、実質1手2.5点となる。)
○5st以降に出てくるアクション
”急いで子供が欲しい” → 1手3点+0~2アクション-1~4食料
”畑+種まき” → (種を集めるのにかかった手数)+1手1~2点+0~5点
”改築その後柵” → (改築材を集めるのにかかった手数+柵材を集めるのにかかった手数)+1手で……結構な点数が稼げる。(家5軒、柵13本と仮定すると5+10で15点ぐらい?)
いずれのアクションもかなり効率が良く、強力。ただし、すでに盤面を整えきっている場合、効果が減衰するものも多い。
以上のような感じだとして、1アクションで2.3点を上回るアクションをまとめてみます。
・5st以降に開放されるアクション(場合によりけり)
・繁殖前提の家畜のつがい(1手3~4点)
・小麦→野菜→種まき→(2回の収穫後)→種まき(4手9点)
・増員(1手3点+Xアクション-Y食料)
→ 増員に必要な増築アクションと合わせて換算しても、早期なら
1手3点を余裕で上回る(手数が増えた分と相殺されるため)
ちなみに1アクション2点までボーダーを下げると
・畑(おおむね1手2点、ただし5枚まで)
・5手15本柵(1手2.2点程度。惜しかった。)
→6手15本柵は、1手1.8~2点。こちらも許容範囲か。
・小麦、野菜、各種家畜の1つ目(1手2点)
こんな感じになります。
色々とシミュレートしてみるとやっぱりというかなんというか、アクションボードに用意されているものだけで50点に到達するのは結構な厳しさがあるようです。
③ まとめ
効率の良い得点行動を取れていたとしても、50点に到達するのは難しいなら、一体どうすればよいのでしょうか。その答えは、配られたカードにあるのかもしれません。
そう、職業カードと小進歩カードです。いかにしてこれらのカードを使いこなすのか。アクションの選択だけでなく、カードプレイの選択もまた、実力を試される要素と言えるでしょう。
さて、いつもの宣伝のコーナーです。
ボードゲーム好きVtuberとして活動しています。取り扱っているのは主にデジタル環境で遊べるボードゲームです。
アグリコラが好きで、BGA(ボードゲームアリーナ)のアグリコラではELOレート500に到達してエキスパートの称号を獲得しました!
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