災害とオリンピック
年明け早々、大きな災害が起きて日本の意識は一斉に北陸地方に向いた。
私は、あえてそんなにその情報を入れていない。
なぜなら見れば見るほど自分が何かしなければいけない気持ちになるからだ。
何かしなければいけない気持ちになることは悪いことではないと思う。
ただ、日本中、世界中、どこかしらに困っている人というのはいるのだ。
災害に見舞われていない地域でも、食べるものがない人はいる。
住むところがなくて凍え死ぬ人はいる。
絶対量だけで言うなら、被災した地域以外でも十分すぎるほど、そういう苦しみを抱えて生きている人がいる。
現実を見れば『自分に出来ることはないのか』と、もどかしく感じるようなことは山ほどある。
わたしたちは、沢山のそれを、ただ、見ていないだけなのだ。
大きな災害は、沢山報道される。
色んな人が情報を発信する。必然的に目にはいる機会が増える。
助けたいと思う人がたくさん現れる。それは良いことだと思う。
でもそうやって、目立った報道をされたときだけ動く人々を見ると私はオリンピックやワールドカップのときみたいだなと思う。
普段さほどその競技を知りもしない、ルールも良く知らないのに、オリンピックでメダルを取れそうとなった途端に俄然応援しだす人々。
そしてオリンピックが終わってしばらくしたら何事もなかったようにその競技に目を向けなくなる人々。
東日本大震災が起こったときに、被災地の人のために!と動いた人で、あの日被災した地域に今もなお目を向け続け支援している人はどれだけいるだろうか。
あれは10年やそこらですべてが復興しきれるような災害ではない。
今、能登に支援物資を個人単位で持ち込む著名人が非難されている。
支援物資を届けるための道が狭い中、少量の物資を運ぶために交通量を増やすことで本当に必要な救命措置や、大量の支援物資を届けるための車が遅れてしまうからとのことだ。
だから石川県は公式に「個人単位での救援物資の持ち込みはやめてくれ」と声明を出している。でも、それを振り切って現地に行った、現地の人は感謝してくれたぞと誇らしげにSNS投稿している人を見かける。
そんなに誰かを助けたいなら、誰かに感謝されたいなら、身近にいる困窮家庭にその物資を配って回っても良いはずだ。
東日本で被害が多かった地域に、今、お金を振り込んでも遅いなんてことはないはずだ。
普段は能登にまるで興味もないのに、被災した途端そちらに足を向ける人々。
被災地並みに生活が困難な人は日本中にいる。
日本の外に目をむければ国単位で大変な思いをしている人もいる。
そんな時あえて「今はまだ来ないで」と言っているところに直接乗り込んでまで助けようとするのは自分の承認欲求と自己満足のためとしか思いようがない。
来てほしいと願っているところは探せばたくさんあるだろうに。
注目が集まっているその時だけ一過的に支援する人は、オリンピックと同じで熱が冷めると何事もなかったように去っていくんだろうと思う。
私はオリンピックだろうがワールドカップだろうが、頑張っている選手にしか興味がない。みんなが盛り上がっているから興味が出るということはない。
だから今は被災地支援にも興味がない。
別に支援する人を批判しているわけではないし、誰かを助けたいという思いは本当に素晴らしいことだと思う。そういう人がたくさんいるから救われるものも沢山あると思う。
ただ、私は、どうしても興味がわかない。
そんなめんどうな人もいるんだよというお話。
寄付サイトも立ち上がっているけれど、現状の寄付金募集はあまりに漠然としていて寄付したい気持ちにならない。
政治家は、良くわからない方向に沢山のお金を使う。
性急に直す必要のある住民の家屋よりも、来るべき次の災害に備える施設の整備に使われる、とかなら別に寄付する意味もないと思っている。
一体何に使われるのかわからない寄付には興味がない。
「10万円ごとにひとつの避難所に温かい具沢山の豚汁が連日配られます」という寄付があったら間違いなく寄付するけど。
それなら災害が起こる度にパンを被災地へ山程運ぶヤマザキのパンを毎日買う方が、色んな意味で回り回って支援になるような気さえしている。
あ。これを書いていて思い出した。
災害救助犬の支援サイトが一回流れてきて気になっていたのだった。
災害救助犬は、瓦礫の下に挟まった人を見つけ出すだけでなく、被災地の避難所でセラピードックとして傷ついた人の心に寄り添うこともお仕事にしている。
これは、そのワンちゃんのご飯や、体調維持、訓練などに使われるという支援である。
命と心、両方に寄り添う災害救助犬の活動支援。
しかも今回の災害だけでなく、今後どんな災害のときにもきっと活かされるであろう。
これぐらい具体的で、確実に誰かを救う活動のための支援なら気持ちも動く。面倒な性格ですね。
12月にグループカウンセリングのマンガをあげたらメンバーシップ沢山入って下さったんだけど、1月以降はもうマンガをほとんど書かないことが見越されるのでメンバーシップ抜けて下さいね、とあんなにお声掛けしたのにメンバーシップ結構残ってくださってるんですよ。
もー、皆さんオッチョコチョイだなぁ!
今月で退会していいですからね。
…ということで、今月のメンバーシップ売上は無かったもんだと思って、そちらを寄付金に回させていただきました。
皆さん、命を救うワンちゃんへの支援ありがとうございます。
サポートいただけたらそれも創作に活かしていきますので、活動の応援としてぽちりとお気軽にサポート頂けたら嬉しいです。