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毎日ジェスドロを続けて起こった変化
絵が下手くそ問題
コルクラボマンガ専科を3月に卒業した。
私の中に課題は数あれど…一番デカイ課題ってなんだろうなと思った時「頭の中にある映像を具象化出来る力が全然ねえ!!」っていうことだった。
描きたいものを思い描いたように描けてない。
絵に落とし込んで表現する力がまだまだ弱い。
絵に落とし込めない時点で伝えたいものが伝わらない。
そこでだいぶ勿体ないことをしているように思う。
物語云々より絵のいびつさが目についてしまう。
コルク講義の中で「漢字練習みたいな反復的な絵の練習もしてないくせに絵が上手くなるはずがねぇんだよっ!」ということを言われた回がある。
これはもう、ごもっともというか、確かに!というか。
漢字は、何度も練習したからこそ頭の中に「頭」って字を思い浮かべてその通りに書く事が出来る。
さらにそれを上手に書く為には頭って字を観察して、文字のバランスを知ったり留めハネの特徴を知ったりして書いていく。
で、この「頭に浮かんだ文字を思い浮かべながら字を書く」というのは学んだ文字すべてで練習しなければいけないかと言えばそうではなくて。
ある程度「頭から引っ張り出す力」がつけば、あとは練習していない字でも練習した字と同じように書けるのだという。
なるほど、確かに。
私はすべての漢字を何度も反復練習したわけではない。
でも、幼い頃何度も反復練習した字と、そうでない字とで文字自体のクオリティに差はない。
絵も同じで、映像を頭の中から引っ張り出すためのトレーニングをすることで、動物で練習しようが人間で練習しようが、他の映像も取り出す力がついてくるのだと。
私は小さい頃から絵を描くのが好きで、なんとなしに紙とペンがあればサラサラ描く習慣はなんとなくあった。
ただ、それは本当に漠然と自分が描きたいものを何となく描いているだけなので描きたい部分だけしか描かない。
人で言えば、目を描くのが好きだから目ばっかり描いてるみたいな。
犬は鼻先と口ばっかり描いてるみたいな。
しかも実際の対象物を観察したとか、誰か他の漫画家さんの目を模写したとかですらない。自分が描きたいものをただなんとなく。それだけ。
私は手帳に絵日記をずっとつけていて、かれこれ10年それを続けている。
それだけ「描く」」ことを続けているのに、さほどうまくならない。
これはつまり絵の才能がないんだろうなと諦めていた。
でも絵日記も「描きたいものを描きたいように描くだけ」なのだ。
そんな絵を描きながら「自分は絵を描くのが好きだけど絵を描くのは上手くならんなー」とぼやいていたわけだ。
これは漢字練習で言えば、ニンベンが好きだからニンベンばっかり書いて、「自分はなんでこんなにニンベンを書いてるのに字がうまくならないんだろう」って言ってるのと同じようなもんだ。
ニンベンは文字の一部であって、文字そのものではない。
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線を描く練習をしよう
そんなわけで、画力をもっとつけようと思った。
コルク受講中、画力の拙さを3Dであったり素材で賄おうとしたこともあった。そうすれば画力をつけるために使う時間を別なところに使えるからだ。
でもどうしても、3Dや素材は「作られたもの」にしか見えない。
私にとって自分の頭の中にある世界を描くためには、これではどうしてもダメだ。
漫勉を前に見ていた時、弱虫ペダルの作者渡辺航さんの回で言っていた。
(渡辺先生の描きっぷり見てて気持ちいいのでもう有料だけど一度見て欲しい…)
「構図的に現実にありえるあり得ないじゃない、デッサンの狂いなんてあっていい。僕にとって大事なのは”僕の頭の中にある映像をいかに紙に落とし込めるかだ」
(頭の中にあるセリフを書いているのでニュアンスだけ受け取って下さい)
そうそうそうそう、それ。
3D人形は人体デッサンが狂うことはない。
背景素材は「そうは絶対見えない」形に変形することはない。
だから逆に、私にとってはすごく違和感がある。
私の描きたい世界は私の頭の中にしかない。
もっと頭の中にある映像を引き出せるようになりたい。
そんなわけで始めたのが『ジェスチャードローイング』である。
ジェスチャードローイングとは
ジェスチャー(動き)を捉えて描く絵のこと。
精密さとか、綺麗に描くとかそういうことはどうでも良い。
とにかく「動き」を伝えるために描くための絵。
※ものすごくざっくりした説明です
CSIラインとか細かい専門用語は色々あるけど、とにかく。
下手でもいいから楽しんで続けることを目標に、この練習を選んだ。
このYou Tubeは「1分」「2分」「5分」でポーズをとってくれる。
一回の動画全部描くと約20分程度で10体のポーズが描ける。
これを1000体描くのをまず目標とした。
以降、練習したものを貼っていきます。
まず初回。3月10日開始。
初回はほんとに訳わからずやっている。
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今見るとほんと酷い。
5分なんてもう何なんだ。ただぐしゃぐしゃと線を重ねているだけではないか…。
あまりにどうしていいかわからなかったので、佐藤ふくろうさんのYou Tubeを見る。
これ無料公開していいのかなってぐらいわかりやすかったので興味がある方は是非。
本当は8つ勉の講座を受けようと思っていたのに、なんか色々モタツイていたら申込み終わってたよ。。。悔しい。。。
この動画を見ながら書いたのがこれじゃなかったかな?
3/11のもの。
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初日と比べればずっとまともになってるのがわかると思う。
まだまだ下手くそだけど動画すごい。
さて引き続き練習を重ねていく。
毎日分貼るのは大変なので、何枚か選びながら貼っていくよ。
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初日の5分と比べれば雲泥の差。
でもまだまだ細かいところを見てしまっている。
ジェスドロは動きを捉えるためのものなので、細かいところは見なくてもいい。いや、見てもいいけどまずは動きを見ろということだ。
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エコのため両面に書いてるんだけど透けてるね…
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一度3色ボールペンで描いていた時期がある。
身体全体の動きを一本の芯で捉えるという「ムービングライン」を意識するのが大事…とのことだったので赤ペンでざっとそれを捉えてから黒で描いて、青で微調整みたいなことをやっていた。
最初はいいなと思っていたのだけど、線の強弱を付けられないから魅力的な線にならない気がしたので多分一週間ぐらいでやめた。
ムービングラインを捉えるのは未だにあまり上手に出来ない。。。
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このあたりで線のタッチが変わっているので多分「リズムとフォース」を読んだ時期。
躍動感ある線が描きたくて、曲線と重心とかをすごく意識するようになった。力の方向性とか。
そして10000時間描けば誰でも絵が上手くなるって書いてたのを読んで卒倒した。今の年齢からじゃ一体一日何時間描けばいいのか。
「なんで上手くならんのかなー」と落書きだけしてほざいていた過去の自分に、1日30分でいいから積み重ねてれば今、もっとうまくなってたのに!」と伝えたい。
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↑自分的に5分の絵ですごく気に入っているのがこれ。
動きだけじゃなく、この背中から何か感情を感じるような気がしている。
何とも言えない寂しさというか、やりきれなさというか。
「顔」が見えない身体の動きだけでそれを伝えられる絵を少しでも描けた。
頭の中にあるこういうキャラを引き出せるようになりたいな。
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ここまでが今日まで描いたところ。
47日で495体。
途中佐藤ふくろうさんの動画で練習したり、コルクの仲間とジェスドロ描く会をやったりしたので日数と描いた人数がちょっとずれています。
まずは目標1000体
大体今が折り返し地点。
序盤から見たらだいぶ絵が変わった。
ただ漠然と描くのではなく、少しずつ気づきがあったら取り入れていくようにしている。
ツイッターで6日目辺りから気づきを一文添えて #アスジェス のタグを付けて毎日投稿している。
後から見返せるように、という意味もあるし、「継続は力なり」であることが見ている人にもわかったらいいなぁという思いもこめて。
42/445#アスジェス
— 水谷アス 漫画を描くASD母 (@mizutanias) April 20, 2022
今日も欠番だったので古いやつ。前に描いたとき(3/19)のと比べてみると、少ない線で表現出来るようになってる気がする。無駄な線を減らしていけたらいいな☺️ pic.twitter.com/F4mPBGn7lz
●●/□□□
●は継続日数、□は描いた人数
毎日描き続けて起こった変化
実際ジェスドロ自体は初日から見て500体近く描いた現状、だいぶ変わってきたと思う。必要な線を選べるようになってきた感がある。
そして、それによって普段描く漫画でも線が前より綺麗に描けるようになってきた(気がする)
そして、頭に思い浮かんでいる絵が前より描けるようになった。
これは本当にそう。
漠然と落書き描くんじゃダメだったんだなぁ~。
ちゃんと練習してることが大事なんだなぁ…
たった47日でこれだけ実感出来ているわけだし、一年ぐらい続ければそれ相応に自分の頭の中を描き出せるようになっているのではないか。
そんなわけで無理のない範囲で続けていくよ。
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