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NHKスペシャル 2030 未来への分岐点(2)「飽食の悪夢~水・食料クライシス~」を視聴して「釧路生まれ、釧路育ちのオーガニックビーフ」を通して畜産業界を考えてみる①

 リアルタイムでは見れませんでしたが、どうしても見たくてNHKオンデマンドに登録をし、視聴しました。

番組内で牛肉を1㎏生産するのに穀類が6~20㎏必要と紹介されていました。海外の詳しい内容は分かりませんが、日本での黒毛和種の配合飼料の内訳は穀類(とうもろこしや大麦、小麦、マイロなど)約60%、そうこう類(ふすまやコーングルテンフィード、米ぬかなど)約35%、植物性油かす類(大豆油かすやなたね粕など)約5%、その他として約1%、カルシウムや食塩などです。このような感じが一般的な配合飼料の内容だと思います。

牛肉を1㎏生産するのに約10㎏の配合飼料が必要と言われています。ここでよく穀類が10㎏必要と思っている方がいますが、上記のような構成で配合飼料ができていますので、穀類は約6㎏必要ということになります。その他は基本的に人が利用しない、利用出来ないものを飼料として使っています。

こういうことなので、そんなに穀類使ってないよ!ということでは全くなく、正確な情報を知って欲しいということです。当然穀類をそれなりの量給与していることに違いはありません。

プレゼンテーション1

分かる方がいればご助言頂きたいのですが、家畜を極端に減らした場合、ふすまやコーングルテンフィード、大豆油かす、米ぬかなど人が利用しないものはどのような形で有効利用されるのが望ましいのでしょうか?
これらは人がお米を食べたり、小麦粉やコーンスターチ、大豆油を使用する限り必ず国内で出てしまいます。

これらを肥料にするのであれば、海外は分かりませんが、日本では撒く土地がありません。そうなれば燃やしたり、埋めたりするしかないのかなと思いますが、もっと良い方法があるのでしょうか?
実は他にも多くの食品製造副産物、おからなども家畜が利用しています。昔のようにおからを食べればよいかもしれませんが、大量生産で決して食べれる量ではないです。

このように家畜は循環の中に組み込まれているのも事実です。

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しかし、穀類を給与し牛肉を生産していることも事実です。この話題に対して、正面から受け止めなければいけない社会になってきています。

私の個人的な意見ですが、今すぐ肉を食べる食べないとか、0か100かということではなく、どのように変化していけば今後、社会に必要とされる産業であり、食を生産していける畜産が成り立つのかということだと思います。
今後、穀類を少しでも削減しながら牛肉を生産するということは非常に大事な課題であると思います。人口が爆発的に増加する中で食用の穀物が生産できる土地を使い積極的に飼料穀物を生産することは受け入れられない時代が来るかもしれません。もうすでに来ている可能性もあります。

製造業や建設業なども時代の変化に対応しようといろいろなことにチャレンジしています。もちろん畜産業もチャレンジしていることは事実です。今回NHKスペシャル 2030 未来への分岐点(2)「飽食の悪夢~水・食料クライシス~」で問題提議している穀物や水に関しても今後何らかの手段で取り組んでいくことが必要になるのではないかと思います。

私の手持ちのデータでは、肥育の後期牛が食べる飼料の栄養価は澱粉が40%弱~55%くらいまでの幅があります。
この違いは配合飼料に穀類がどれだけ入っているかにより変わります。これを配合割合から考えると澱粉40%弱区はとうもろこし40%、澱粉55%区は60%ほどになるのではないかと思います。

よって冒頭にあるように牛肉1kg生産するのに穀類が6kg必要でしたが、穀類が4kgでも牛肉を現在効率的に生産している方もいます(じゃあその減らした分の飼料はあるのか?という問題もあるかもしれません)。
実は牛は澱粉を減らしてもエネルギー源として、繊維を消化吸収することで得ることが出来ます。そこが牛が家畜として人と共存共栄してきた所以です。
こういった方向へ行くだけでも穀類を約3割削減できる可能性があります。言うは易く行うは難し。。。

今の牛の優秀な改良をみていると、穀類を減らしていっても今と変わらない成績のでる牛を作ることは可能なのではないかと思ってしまいます。例えば品種や系統によって繊維の消化吸収能力が違うので、消化吸収能力が高いのを選抜してみたり(改良はそんな簡単なことでなはいですが、何かに取り組むことが大切)、飼料からアプローチするのであれば澱粉を減らしペクチンや消化の良い繊維で代替えしていくとか、油脂を上手に使うとか。またまた言うは易く行うは難し。。。ですが、穀類の問題は間違いなく世界では起こっている事なので、何か改善出来ないかとチャレンジしたり検討したりすることは絶対に必要だと思います。

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私は肉が大好きなので、量の問題は別としてずっと肉を食べられる社会であって欲しいと思う。
肉をずっと食べれることに貢献できる仕事ができたら楽しいだろうなぁ!

しかし、深く非常に難しい問題ですね。でも、小さなことでもみんなが取り組めば大きなことになったり。すべて完璧には誰もが出来ないけど、やれることを考えてやろうと思ったり。

もっとぎゅっとまとめて書けるかと思ったけど、穀類の話題までしかいけなかったよ~

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。

残りの水問題のことや「釧路生まれ、釧路育ちのオーガニックビーフ」を通してという内容は、ごめんんさいm(__)m
また次回書きます。

もしよろしければ、次回もまた読んでやって下さい。
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