どんな景色よりも癒し効果がある、君の寝顔。

君と付き合い始めた時から、夜はシングルベッドに二人で寝るのがお決まりだった。
ドキドキするとか、いびきがうるさいとか、最初はなかなか深く眠れなかったけど、今では、一人で寝そべるシングルベッドは広すぎて落ち着かない体になってしまった。

「昨日の夜、俺の顔で遊んでたでしょ」と君がプリプリしながら文句を言ってきたことがあった。
え、むしろ今まで気づかなかったの？？君がスースー（たまにグースカ）寝息を立て始めたら、鼻先をちょんちょんと触って、唇をギュッとたらこにして、ほっぺを両手で包んで、チューをする。私の入眠の儀式、今まで気づいてなかったの？？？

うっすらとした外の灯りで浮かび上がる、ピョンと跳ねた前髪のシルエットが好きだし、目尻の方だけくるんと上を向いたまつ毛はもっと好き。うっすら開いた唇の間に見える前歯はちょっとアホっぽくて可愛い。
こんな贅沢な景色を毎晩いちばん近くで見られる私の地位が、誇らしい。

君の寝顔は、どんなに美しい大自然よりも心を解いてくれるんだよ。
だから、ちょっとくらいイタズラさせてよ。