青とオレンジ
夜明け前、日が昇る前。
夕暮れ時、日が落ちる前。
少しだけ太陽が覗いている空を見ると、なぜか心がざわつく。
青とオレンジが共存する空を、どちらかがなくなるその時まで、ずっと見つめていたい。
太陽が照らす水色の空よりも、
点々と星が浮かぶ群青の空よりも、
昼間のキラキラとした太陽が
起きてくる時、疲れて寝てしまう時の、
まるで太陽が微睡みのなかにいるかのような、そんな空が神秘的で好きだ。
きっと、
青とオレンジが共存している空は、
太陽の1日の生活を表しているのだろう。
夜明け前、暗いけど、明るくなりつつある。
夕暮れ時、明るくはないけど、まだ暗くない。
明暗がはっきりしていないからこそ、
補色関係にある青とオレンジのコントラストが美しいのだろうか。
そのコントラストがなくなると、
一気に明暗がはっきりしてしまうのが悲しくて、いつも写真に収めてしまう。
空みたく、人生を捉えたいと思った。
将来に漠然とした不安を抱く時、先が暗いと思うかもしれない。
でもそれは逆に、明るくなりつつあることの暗示だと。
うまくいかなくなった時、明るくはない道を歩いているかもしれない。
でもそれは完全に真っ暗になったわけではない。
明暗をはっきりさせずに、
コントラストがある人生の方が豊かなのではないか。
今、人生の全てを決めるべきではない。
気が済むまで、微睡みの中に居たい。
青とオレンジの共存による神秘的なコントラストを私自身の中からも生み出してみたい。
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