バスにも乗れなかった話
小学校生活最後の運動会を終えて、修学旅行の時期になった。
もちろん、自然学校動揺ママの同伴がないと参加は認められないというわけで。
行先は広島
広島まではバスで向かうことになっていた。
しかし、バスで向かうと高速道路を使うためにもしも何かあった時途中で降りられないこと、緊急時の対応に適していないことを理由にバスに乗っての参加もNGになった。
ショックはショックだった。
でももうこんなことくらいで落ち込む時期は過ぎ去っていた。
ママと私は2人で往復自費を出して新幹線で向かった。
往復の交通手段以外はみんなと同じだった。
修学旅行は自然学校とは違い1泊2日で終わる。
野外の活動もさほどない。
全行程に参加して、小学校生活の宿泊学習を終えた。
修学旅行を終えると季節はもう冬だった。
大半の児童が通う公立中学の説明会があった。
何も思わず参加したのは私だけだった。
この頃、パパやママは公立中学への進学準備を小学校の校長と共に進めていた。
教育委員会や中学に足繁く通い説明や意見交換を行った。
どういう経緯かは定かではないけど、中学校の教頭が私の小学校へやってきた。
私の学校生活を観察しに来たのだ。
どこまでどんな風に学校生活を送っているのか。
どこからどこまで自分でできて、どんな所で手助けが必要なのか。
半日ほど中学校の教頭や教育委員会の人が私の後ろをついてまわった。すごくやりにくかった。
私はこの時感じていた。
ここでちゃんと1人で学校生活が送れることを見せつけておかないとみんなと同じ学校に通えなくなるかもしれないと。
そして、パパとママは小学校・中学校・教育委員会の勧めで特別支援学校中学部に見学へ行った。
特別支援学校のことも知っておくのは損ではないと言われたらしい。
そこも見学した上でどちらに進学するか検討するのも良いと。
パパもママも言われた通り見学へ行ったが、私にあるのは身体内部の障がい。
近所の特別支援学校は知的障がいに重きを置いている場所だったそうだ。
この先、私は高校大学へ進学することを考えると公立中学が妥当だと判断しその旨を伝えた。
やっと入学が決まった。
この時既に、冬休みだったかと思う。