演技の受け取り方

わたし、演技の良し悪しがあまりわからないのです。もちろん、好きだと感じる演技、表現の仕方はあります。

でも、演技の上手下手というのがあんまりわからないのです。

その理由は、おそらく、わたしは、演技を与えられたそのまま受け取るからです。

例を挙げると、この間、あるアイドルグループのMVを視聴した時のことです。

そのMVで、「僕は嫌だ」というセリフがあるのですが、このセリフを言う子で声が可愛い子がいるのです。

わたしは、その台詞を聞いて、「嫌がっている」んだなという受けとり方をしました。

一方で、コメント欄を見ると、「全然嫌がってる雰囲気がない」とか「寧ろ喜んでるように聴こえる」とかいうような内容のコメントがあって。

この受けとり方の差って、おそらく、制作者目線が入ってないか、入っているかの違いだと思います。

まず、「嫌がってない」ように聞こえた人は、自分の中に、嫌がるという表現をするなら、これだという、嫌がるという表現の理想の型みたいなものがあるんだと思います。そして、表現者には、自分の理想をバッチリ実現し昇華することを求めるんだろうなと。他者に表現を任せているように見えて、表現が自分の理想通りであることを願っているんだと思います。

一方、わたしは、文脈を考慮しつつ、表現者がそう言うならそうなんだろうとそのまま受け取ります。とても受動的です。嫌がり方、表現の仕方って人それぞれだよねと。これは、おそらく、わたし自身が、「~であってほしい」「~であるべきだ」という考え方をしないからだと思います。

わたしは、何に対しても、後者のスタンスなので、もう少し前者の考え方ができるようになりたいなぁと思います。自分の理想の型を知りたい。自分が理想と思う表現ってなんだろう?

映画や舞台を観る機会が増えたので、他人の表現を通して自分を見つめ直していきたいななんて今は思っています。

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