見出し画像

【メイレビュー】11/13(Mon)「秋春制は日本サッカーのピラミッドに何をもたらすか?」長岡茂(Espoir Sport代表)〜#ハフコミ 隔週報 vol.65

 みなさん、こんにちは! 毎月ハフコミウェビナーのレビューを担当しているライターの五十嵐メイです。

 今回のウェビナーは11月13日(月)に開催。特別講師には、Espoir Sport代表の長岡茂さんにご登場いただきました! テーマは「秋春制は日本サッカーのピラミッドに何をもたらすか?」という、実にタイムリーな内容です。

 長岡さんは1985年に古河電気工業に入社。古河電工サッカー部の裏方を担当したのち、1991年に株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー入社しました。その後はアルビレックス新潟、湘南ベルマーレ、サガン鳥栖、ギラヴァンツ北九州と5つのJクラブに勤務。2002年のFIFAワールドカップでは、日本組織委員会に出向して茨城会場の運営責任者を務めた方です。

 サッカー界に関わる方、サッカーが好きな方にとっては、秋春制への移行問題は非常に気になる話題ですね。この問題に関して、長年Jリーグに携わってきた長岡さんには、どう映るのでしょうか?
 
 それでは今月のメイレビュー、スタートです。

■秋春制は「自分ごと」として捉える問題


 私は秋春制への移行を「Jリーグだけの問題」として認識していました。けれども今回の長岡さんの話を聞いて、決してそうではないことを認識しました。

 日本のサッカー界の頂点である、Jリーグがシーズン移行をするとなれば、その下に続くカテゴリーに影響が出ることは避けられません。実際に、JFLや高校年代もシーズン移行の可能性があるとのニュースも出ていましたね。
 
 Jリーグが対応できたからといって、すべてのカテゴリーがすぐに対応できる話ではないでしょうし、育成年代にも影響を及ぼす可能性があります。私はクラブ関係者ではありませんが、サポーターも当事者として考えていかなければいけないテーマだなと思いました。
 
 私は青森県で育ったので、大雪の日はスキーウェアを着用し、スノーブーツを履いて登校をした経験があります。雪の降る中、極寒のスタジアムに足を運ぶことがいかに難しいことか。苦労をしてスタジアムにたどり着いたとしても、試合が中止になった場合、二度と足を運んでくれなくなってしまう可能性だってあります。
 
 シーズンを変えることで、得られるメリットがあるからこそ、こうした議論が進んでいるとは思います。それでも「Jリーグがシーズン移行を検討している話」ではなく、サッカーに関わるすべての人たちが自分ごととして捉え、さまざまな角度から議論を重ねて慎重に検討しかないといけない問題だと思いました。

■JSL時代の秋春制を経験した貴重な証言


  JSL(日本サッカーリーグ)時代も経験している長岡さん。「当時(1985年〜92年)は秋春制で雪国のチームはなかったけれど、東京のチームですら2月頃に行われる試合では、雪の予報に震え上がっていた」と語ります。
 
 さらに長岡さんは「(アルビレックス新潟の)中野幸夫社長が反対するのは、新潟で生活した人間として非常によくわかる」と続けました。実際に秋春制の頃に、クラブの裏方として携わってきた長岡さんの話は、雪国での経験談も相まって、非常に現実的で納得感のあるものでした。
 
 恥ずかしながら私は、JSLで秋春制を採用していたことを知りませんでした。時代も環境もまったく違ってはいますが、当時の経験を知った上でシーズン移行について考えることは、サッカー界を盛り上げていくために大切なことだと思います。
 
 複雑な事情が絡み合い、小難しそうに感じてしまっていたため、心のどこかで「自分には直接関係ない」ことだと思い込んでいたことも、視点を変えると自分に直接関係のある問題になっていく。

 今回のウェビナーは「遠いところで議論されている秋春制」が、非常に身近なものになる、非常に良い経験となりました。

■次回の特別講師は「オシムさんの一番弟子」!


 今回の特別講師の長岡さんは、Xで「#サッカー昔話」というハッシュタグを付けて、サッカーに関する過去のエピソードをポストされています。

 当時を知らない私にとって、サッカー界の昔話は非常に興味深く、いつも楽しみにしていました。そんな長岡さんと、直接お話を聞くことができる機会を得られるとは思ってもみませんでした。ハフコミに参加していて、本当によかったです。
 
 今回参加できなかった方は、ぜひアーカイブをご覧くださいね。これまでのウェビナーについては、こちらをご覧ください。

 次回のハフコミウェビナーは12月11日、月曜日です。テーマは、今まさに盛り上がっている地域CLについて。この大会に挑戦した指導者の方に、特別講師をお願いすることになりました。果たして、どなたでしょうか? ヒントは「オシムさんの一番弟子」──。といえば、もうおわかりですよね!

 詳細につきましては、notetwitterで告知させていただきますので、ぜひハフコミのアカウントをフォローしてくださいね。

 それでは来月の「メイレビュー」も、お楽しみに!

<この稿、了>


よろしければ、サポートをよろしくお願いします。いただいたサポートは、今後の取材に活用させていただきます。