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元日・新国立で最も気の毒だったのは誰か? 【決勝】川崎フロンターレ vs ガンバ大阪

■「元日・新国立」に至るまでのアクシデントの連続

 2021年が明けた。天皇杯JFA第100回全日本サッカー選手権大会(以下、天皇杯)の決勝は、晴天の下、東京・新国立競技場で行われることとなった。ここを訪れるのは、昨年の元日に続いて2度目。昨年は取材申請の競争率が高いと聞いていたので、申請受理のメールを受け取った時の感動は例年以上であったことを思い出す。今年はどうか。JR千駄ヶ谷駅に降り立った時、昨年とは違った緊張感で心拍数が上がっていることに気づく。

 コロナ禍の中で開催された、第100回記念大会。1回戦は当初の5月23日開催から9月16日まで順延され、参加チーム数も88から52まで絞り込まれた。すでにJリーグは再開されていたとはいえ、天皇杯の試合運営は基本的に開催地の都道府県協会マター。特にJクラブがない県協会は、かなりのプレッシャーを抱えながらの試合開催となったはずだ。それでも何とか準決勝までの50試合を大過なく消化。残すはマッチナンバー51のファイナルを残すのみとなった。

 そんな中、決勝開催に暗雲を感じさせる不穏な出来事が、立て続けに起こった。まず、準々決勝が行われた昨年12月23日、感染が再拡大している東京都を対象に、大規模イベントの人数制限の上限を5000人に戻すことを政府が発表。これを受けて翌24日、JFAは天皇杯のチケット販売を取りやめた。準決勝は川崎フロンターレ vs ブラウブリッツ秋田で9772人、ガンバ大阪 vs 徳島ヴォルティスで7055人。そして川崎とG大阪による決勝の入場者数は、1万3318人にとどまることとなった。

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