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【短編怖い話】未来の自分

【短編怖い話】未来の自分

最近、仕事のストレスで寝付きが悪くなってた時のことなんだけど。
夜中の2時頃、ふと目が覚めた瞬間、家の固定電話が鳴り出したのよ。
誰からこんな時間に電話がくるんだろうと思いながら受話器を取ると、「君だよ、未来からの君だ」と、まさに自分の声が聞こえた。

驚きと戸惑いで何も言えない俺に、未来の自分は具体的な未来の出来事を告げてきた。
「3日後、赤いシャツを着た男から指輪を受け取るんだ。受け取らないと、君は後悔することになる」と。

信じがたかったが、3日後、出勤途中、確かに赤いシャツを着た男が近づいてきて、指輪を渡そうとした。
だけど、俺は怖くて、未来の出来事を変えることを決意。指輪を断ったんだ。

しかし、それが逆効果で、その日の夜、家に帰ると、部屋の中は荒らされていた。
そして、家にいた恋人が窓から飛び降りてしまったのよ。
何も知らない恋人は、赤いシャツの男から指輪を受け取って、それが原因で何者かに脅迫されていたんだ。

電話の声が警告してくれたこと、未来を変えようとした行動、すべてが繋がり、俺は予言された運命に従うしかなくなってしまったんだ。
最後に、再び夜中の電話が鳴り、受話器を取ると、「言ったろう、後悔するって」と、再び自分の声が響いたのさ。

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