目覚めた日本人

多少とも貯金を持ってゐるかどうかで、政治思想は変はってくる。
 
①一定の額の貯金がある人は、この貯金を奪ふやうな政体はごめんである。平等とか福祉とかより関心は貯金を何倍にも増やすことだ。お金があると自分らしく自由に生きられる。病気になっても老後もお金がたくさんあれば心配ない。お金が無いと、自由も無いし自分の生き方もできない。

②貯金の無い人は、不安な気持ちで暮らしてゐる。だから、病気になったらどうする?年をとってきたらどうなる?この不安な気持ちを解消してくれる政体を求める。どんなことになっても、それに応じて生活を保護してくれる社会で暮らしたい。平等といふのは、すくなくとも自分はおざなりにされないといふ意味だ。

 ①の人は、参政党の党員になるかもしれない。
 ②の人は、れいわ新選組に期待するかもしれない。

参政党の事実上の党首・神谷宗幣氏は、欧米に比べて日本人の収入が全然上がってゐないと言ふ。だから、今の日本人は不幸であり、右肩上がりの成長型経済になれば日本人は(1980年代あたりまでの日本人のやうに)毎日を楽しく豊かに暮らせると思ってゐるやうだ。

れいわ新選組の事実上の党首・山本太郎氏は、安倍晋三首相に「収入が上がってないのは先進国の中で日本だけ」と答弁させたのが自慢だ。神谷氏と同じく収入のことを言ふので、参政党員にも人気がある。ただ、山本氏は、誰でも自分を弱者だと思ふ人が残らずその生活が保護される社会を理想としてゐる(だから↓の動画の老人も保護の対象だ)ので、その社会のためには貯金を持ってゐる人の貯金を削ってもいいといふ社会主義的な考へにも行きそうである。その点がひっかかって、小金持ちの参政党の人はれいわ新選組には入らない。
 その他の点、今の自民党政権では自分たちの暮らしはよくならない、お金が増えないといふことでは意見が一致してゐる。

 多少の貯金があってこれを幾何級数的に増やせる社会になってほしいが、同時に、どんなときにも生活の保護が得られる社会でもあってほしいと思ふ人は、ごぼうの党の党首の話に感動するかもしれない。

 自民党政権が続いたのは、とにもかくにも、経済的に豊かな日本にしてきたからだ。
 この日本の経済的繁栄は、アメリカの属国、アメリカの植民地として上手にアメリカの望むとほりに立ち回るといふことで獲得した。
 それが自民党政権の功績だ。
 そして、日本人は自民党政権を選んできた。

 今、右肩上がりの経済成長が消えてしまひ、どこに頼んだら、それを取り戻してくれるのかと悩んでゐる日本人が出て来てゐる。
 もう自民党政権に任せてゐてはだめだと気づいた。

 目覚めた国民たちである。


 この↓映画には、参政党員みたいな人も出て来る。
 イタリアでも日本でも、憂うべきことは同じだ。

 総帥ムッソリーニは「私を好きなればいい」と言ってゐる。
 まったくそのとほり。
 それが政治の実態だ。

 鳩山由紀夫氏は年老ひたし、慎太郎氏は逝ってしまった。
 
 今なら、山本太郎氏か神谷宗幣氏か。
 とにかく「好きになればいい」。
 政治が動き出す。

 政治不信だ、投票なんか行っても無駄と嘆いてゐる・まだ眠ってゐる国民は、好きな政治家がゐないのだ。
 推しを得れば、目覚める。政治に参加する。


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