西洋式と日本式
あまりに大雑把な捉へ方ですが、自分の頭の程度に合はせると、かうなります。
①西洋は、相手を叩いて服従させて搾取する
②日本は、お互ひに依存する
これは、つまり、生き方から来る。
③西洋では、自立して個として生きる
④日本では、自分を抑へて「みんな」で生きる
例としてドイツの話をします。
近代になってから、ヨーロッパの民族で一番油断ならないのはドイツ人です。
ほっといたら、ヨーロッパ全体がドイツ帝国になってしまふ。
それで、ヨーロッパの各国は、ドイツを叩いて従属させるといふ利害で一致。
以来、ドイツを生かさず殺さず、経済的に繁栄させるとしても、ヨーロッパ各国がそこから利益を得たり、ドイツの開発する技術を取り入れたりできる範囲に限るやうに、各国で監視してきました。
百姓は、生かさず殺さず
といふ言葉がありますが、これは
百姓は、天下の根本なり
といふ言葉も残してゐる三田村さんのものなのださうです。
ドイツは、近現代ヨーロッパ繁栄の根本なり、ってところ。
ヨーロッパ近現代史の動向は、
a. ドイツを潰してしまはない
b. ドイツからいかに主体性を取り除き、ヨーロッパ各国に隷従する立場に置き、そこからいかに搾取するか
といふことが原動力の一つになってゐます。
ヒトラー総統のポカで、ドイツは、「ユダヤ人虐殺」とか「優生思想」とか、とにかくナチがやったことを出せば恐縮して、こちらの思ひどほりになる国家民族となりました。
でも、これは、総統の失策といふより、ヨーロッパの作戦勝ちだと思ひます。
だって、例へば、イギリス、そして、フランスなんて、どんな歴史ですか?
スペインは、だいぶ前になりましたが、南米の民族文化を抹殺してしまった。「千年許さない」と恨むはずの、その民族を根切りにしたから恨まれないだけ。
イギリスとかフランスとかは、やることがえげつないけど、ほんたうに上手。
今でも、東洋人やアフリカ人は、自分が英語やフランス語がペラペラ話せると偉くなったやうな気がする。
ひどい目に遭ったけど、それより、西洋化できた自分たちを喜んでゐる。
その典型的な民族が日本人ですね。
やっと個人になれた。自由の意味が分かった。民主主義を教へてもらへた。それなのに、まだ、同調圧力のままに自分を持たずマスクしてるバカが多くて。松本道弘ぢゃないけど、やっぱり英語を話せない人はロジカルシンキングができないから駄目ね。国際社会ではやってけないよ。
・・・って思ふ人も増えて来てますね。
だから、小学校から英語を教へるといふ亡国の教育に誰も反対しないんだ。
ヨーロッパの各国は、それぞれお互ひにスパイを送り込んで、内部から揺すぶりをかける。さういふ謀略戦争、情報戦争は、武器を持って殺し合ひをしてゐないときこそ、熾烈になってゐます。
なんか陰謀論めいてきましたか?
アメリカやヨーロッパにとって、日本も、ドイツと同じです。
ほっといたら、大東亜共栄圏になってしまふ。
ちょっと経済的に力をつけすぎて、大きな顔をしそうになると、日本の内部から揺すぶりをかける。
めちゃくちゃ働いて安い製品を海外に輸出した。
このままだと日本は、また、自分の文化や伝統について振り返って、妙な気を起こすかもしれない。
その時には、働き中毒とか、ブラック企業とかを日本人から言はせる。
もちろん、なんにでもワルイところはあります。でも、ものごとはみんな表裏一体。
それを考慮せず、みんなで「これまでのもの、旧いもの」をとにかく非難して、改革だーっとなる。
日本人は元々自虐的。「私の悪いところを教へてください。改善します」といふ姿勢は誰にでもある。
俺が私がといふ・「我の強い」とされる人は嫌はれる。
静かに相手の批判に耳を傾けて、相手が望む自分に自分を変へる。
この姿勢だと人とぶつからない。相互依存社会では必要な性質です。
アメリカやヨーロッパの情報局は、そんな日本人の性質を使って謀略を練ります。
「日本よ、あんまりいい気になるなよ」と欧米が思ふやうな日本になってくると、
やっぱり日本はダメだ
まだまだ日本はダメだ
と日本人たちがみんなで合唱するやうな出来事を起こす。
日本はどうしたって欧米に比べると劣等民族、遅れた文化であることを思ひ出させる。
もちろん、日本を殺さない。
なんだか自殺しそうなくらゐ元気が無くなったら、親日家などを送り込んで、また、ちょっと褒めてやる。
さうすると、急に元気になって働きだすから、それを搾取する。
これが西洋式。