開業前篇 (4) 物件決定
シリーズ第四弾。開業前篇完結。第三弾はこちら。最初から読みたいという方は第一弾からどうぞ。
そして待ちに待った(といっても1週間だけど)内見の日。写真はその内見での写真。
少し早く着きすぎたので、周辺地域をウロウロしてみた。物件は江ノ電の路面区間の江ノ島駅に向かうカーブの出入り口にあり、絶好のシャッタースポットらしく、多くの撮り鉄の方々が居る。周辺は印象としては少し寂れた商店街。住宅と小さな商店が混在している。後で知ったのだが、この区間は江ノ電唯一の路面区間らしく、歩行者と自転車、そして車の間を江ノ電が縫うように走る姿は鉄道に大して興味がない私でも「おぉ、近いな!」という感じ。見てみたら分かるよ。その近さ。でもって毎日よく事故が起きないなぁ、と思う。
閑話休題。
物件の中を外から見てみると、一番気になっていた天井の高さは十分にあるようだ。テンションが上がる。これは大丈夫だ。そして覗いている時に不動産屋さんが来て、解錠。促されて入ってみると大きな柱が気になりはするが、ジム&ゴルフスペースを作ることは可能なようだ。
これはイケる。ここだ。ってかここしかない。
前の記事にある通り、当時の自身の状況は他の物件と比較して、、、なんて余裕は全くなかった。
その場で借りるための申し込みを行うが、当然申し込んだからすぐに借りられる、という訳ではない。審査がある。そりゃそうだ。決して安くはない家賃の物件、大家さんとしてはもちろんちゃんとした人、言うなれば家賃をきちんと払える人に貸したいだろう。
そこで一つ問題があった。
私はその前13年間、アメリカで生活をしていた。アメリカでは税金だってちゃんと収めて働いていたけれど、当時全くといって無かったものが、日本での信用度。
帰国後はクレジットカードですら学生が作るようなものしか作れなかった。
その状況なので、断られるかも知れない。これで借りられなかったら、とりあえずどこでも良いから鎌倉のどこかにアパートを探して、そこを拠点にして物件探しをしよう。実際に内見に行ったその日、別の不動産屋さんに行って、そっちは内見もせずに、その物件から徒歩圏内にあるというだけでアパートの契約を申し込んだ。こっちは無事に数日後に借りられることがわかった。とりあえず良かった。HOMELESSは免れた。(ちなみにアパートの内見は、申し込み前に行うことを強くお勧めします。普通当然やる当たり前のことだけど…。この物件、事前に見てたらおそらく借りなかった。苦笑)
その審査を待つ間、やはりなんとなく根拠のない自信があった。なんとなく借りられるような気がする。
そして無事、借りられた。審査が通ったのは3月28日。JOBLESSまで3日しかないギリギリだった。
考えてみるとこんな何の信用もなかった私が借りられたのは、その物件が建ったのは2015年の秋。私が物件を見に行った時点で半年もの間空き物件だったのだ。言い方悪く言うと誰でも良いから借りたい人に貸してあげたい状況だったんだと思う。
何はともあれ、無事に借りられた。
そして3日後の2016年3月31日。帰国後1年ほど住んだ神戸を離れ、いざ鎌倉へ。
振り返ってみたシリーズ、開業前篇終了。
次回より開業準備篇がスタートします。