合成音声でゲーム実況を作る、とは
概要
おはようございます
ようやく初の対話形式ゲーム実況シリーズを作り終えたので、そこまでに至った軌跡といいますか、工夫点でも書き綴っておこうかなと思います
「合成音声でゲーム実況がしてみたいな」という未来ある初学者の方や、「あれってどうやって作ってるんだろう」ってちょっとでも思っちゃう好奇心強めの方には刺さる内容かなと
是非ご一読あれ
どんなゲーム実況を作ったの?
そのゲームを知らない方でも楽しめるような、
万人に受ける実況
を意識して作りました
せっかくの対話形式なので、漫才のような掛け合いメインで
かつ人が爆発したり吹っ飛ばされたり、わかりやすい物を多めに盛り込んでいます
方向性はテレビのバラエティ番組なんかが想像しやすいのかな
そして一番大事なのが
手間をかけないこと
適度に手を抜いて投稿ペースを維持することも強く意識しました
実は上の画像でも相当気合入れて編集してる方です
「できるけどしない」
このメンタルがないと動画編集なんてやってらんないからね
どうやってゲーム実況を作ったの?
撮影
まずはOBSという無料のオープンソースソフトウェアを使ってゲーム画面を撮影します
PCゲームなら特に難しい操作は要りませんが、コンシューマーゲーム(SwitchやPS5等)を撮影する場合は別途キャプチャーデバイスが必要になる点に注意
編集
次はYMM4Liteという音声合成ライブラリで撮影した動画を編集します
有志の方によるアップデートも活発で、UIや操作感も明瞭
初心者の方でも扱いやすいんじゃないかなと思います
そんな動画編集なのですが、多くの方が動画投稿を挫折する理由の99%がこのフェーズに詰まってます
・・・まぁ挫折といいますか、ここは完全に向き不向きの世界です
かなりチマチマした作業なので
合成音声
「実況」なんですから誰かしらに喋ってもらう必要がありますよね
ということでVOICEVOXという音声合成ソフトウェアで演者の声を作ってもらいます
初めての方は編集の際、VOICEVOXで音声を作ってそのmp3データを編集ソフトに入れて、、
という鬼のような作業を想像すると思いますがそんな手間はかけてません
YMM4LiteをVOICEVOXと連携させると編集ソフト側から直接合成音声を作成できます
これがめちゃくちゃ大助かり
ってかマストです
「自分もやってみたい!」という方は、絶対にここの連携が取れるソフトの組み合わせであることを確認してからインストールしましょう
ちなみにですが、今挙げたソフト達は全て無料で使えます
とても良い時代になりましたね
ただ商用利用のうんたらかんたらで、無料じゃなくなる可能性が微粒子レベルで存在しています
もし使うとなった場合、一応確認だけお願いします
なにか問題が起きた時に「あいつが無料っていったから!(怒)」は勘弁な
どんな工夫をしたの?
ということでここからは動画作成の上での工夫点を挙げていきます
筆者の軌跡を辿りながらになる都合上、マインド面と技術面がごっちゃになってますがご容赦ください
まず完成させる
なにをするにも、やりたいことが面倒そうだったり、すぐできなさそうだったら諦めてしまうものです
そんな気持ちを無視してまずは1本完成させてみましょう
誰だって最初から満点なんて取れないんだから割り切っていくのが大事
言い方は悪いですが自分の中で「捨て」とまで思ってます
そこから見直してよりよい物を作り上げていきましょうと
今見返してみるとかなり粗が目立ちますが、一応見れないわけでもない
というのも編集技術で他のプロ達に勝てるわけがないのは明白
そこで戦場のベクトルを変えて「面白い」に焦点を合わせて作ってます
お笑いのセンスは一朝一夕で身に付くものではないので、そこで対抗できればと思った次第
フレーム単位でおもしろい間を調整して、語彙や適切なツッコミも考えて・・・
ただ自分もお笑いのプロでは無いし、なんならこんなこと初めてなので、とにかく必死だったのを覚えてます
見やすいテロップって?
字幕が見にくい切り抜き動画って見たことありませんか?
「この動画見にくいなぁ・・・」
とちょっとでも感じたのであればその動画はテロップに難がある可能性が高いです
特に初心者の方はやりがち、
僕もやった
これは誰もが通る道です
まぁここでごちゃごちゃ言ってもアレなので引用させてもらいます
【とても参考になった記事】
この記事がめちゃくちゃわかりやすいので興味のある方は是非
それすらも億劫な方は以下だけでも
ゲーム実況のテロップ(字幕)は2重縁取りが安牌
です
僕の場合は、灰色で縁取った後、喋らせてるキャラのテーマカラーで縁取ってます
これで今誰が発言しているのか一目瞭然ですね
そして灰色の部分なんですけど黒でもいいっちゃいいです
しかしよりテロップを馴染ませたかったので、ゲーム内でよく使用されているキーカラーから灰色をスポイトして取ってきています
ちなみに以下の画像は1重縁取りだけのPart1テロップ
一応読めないことはないけど、上の画像のテロップと比べてチラつく印象なのがわかりますでしょうか
トランジションは使い過ぎない
トランジションとは場面と場面の間を切り替える時に使う編集方法のこと
以下動画の開始10秒くらいで入れてる「トゥルルルルン♪」がそれです
一見おしゃれでたくさん使いたくなる気持ちもわかります
しかし入れすぎるとそれはそれで、見てる方はお腹いっぱいになってしまうのです
「くどい!」
ってやつ
程度の話なので具体的なことは言えないのですが、何度も動画の出来上がりを確認して少しでもくどく感じたら抜く感じです
これに限った話ではないのですが、初心者あるあるとして「覚えた技術をすぐ多用しがち」ってのがあります
できることが増えて嬉しいのはわかるのですが、1本の仕上がった動画として俯瞰して見ると邪魔してることの方が多いです
料理だって、塩の味を初めて覚えた人が狂喜乱舞してカレーに大匙100杯くらい入れだしたら
「何してんだてめぇ!!」
ってなりますよね
トランジションに限らず、新しい編集技術を取り入れる際は
・それが動画にマッチしているか
・そもそも使う必要があるのか
をよく考えるようにしています
SEは必要なのか
SEとはサウンドエフェクトの略で効果音のことです
切れのあるツッコミをした時の「ビシッ!」
だれかが爆発した時の「ドカーン!」
かっこよく決まった時の「シャキーン!」
これがSEです
動画に入っていたら面白さが倍増しますし、とりあえず入れるだけでも視聴者を飽きさせない効果が期待できます
以下動画の3分40秒くらいから「スポン!」(個人的にこのSE好き)
ただ僕の動画でSEが挿入されることはかなり稀です
というのも信条の話なのですが、準備の手間と挿入時の動画に対する効果が釣り合ってない気がしていつもオミットしちゃうんですよね
SEに頼らずとも面白いと感じてもらえる動画を作りたいと思いませんか(煽)
ってのは冗談で、実際なんかよくわからないけどいっぱい音が鳴ってる動画の方が、ヒトは興味を持って視聴を継続してくれます
結論、SEは入れられるなら入れた方がいいよ
っていうありきたりな話でした
動画冒頭にパワーを集める
初心者の方が初めて動画を作って、初めて誰かに見てもらう、となった時にその見てもらう人ってのは100%初見なのです
サムネイルを見てもそもそもクリックしてもらえないし、クリックしてもらえても冒頭10秒だけ見てブラウザバックは日常茶飯事
なんなら3秒も見てもらえないことだってよくある話
この死屍累々の状態で、じゃあどこに力を入れて動画を作るかと聞かれたらそりゃ冒頭だよねってことです
開幕5秒、いきなり爆発してみたり上から落ちてきたりでけぇ声出してみたり...
とにかくブラウザバックされないよう気を引くことが大事です
僕の場合はおさらいと称して、前回の面白いと感じたシーンをピックアップしていました
より面白さを取るのであれば毎回新ネタを考えるのが吉ですが、それも手間っちゃ手間なのでここは楽さを取っています
ちなみに「前回を視聴してる人は面白くないんじゃないか」という意見もありそうなので弁解しておくと、「初見が面白がってくれさえしたらいいので、それはそれでいい」というのが僕の答えです
そもそも前回を見てくださった方は今回も最後まで見てくれることの方が多いので、そこは作り手と受け手の信頼関係を信じるのみ
既存の人向けにコンテンツを作り続けていたらいつか終焉を迎えます
常に新規を呼び込む意識を持ってコンテンツを作った方が、長期的に見て既存の人の為にもなるのです
だからって既存の人を蔑ろにしていいって話でもないですよ
あくまでそこに優先順位があるだけで、余裕があれば既存の人の為にも動きます
音量調整が最も大事で最も難しい
動画冒頭3秒でブラウザバックされることもある、という話は前項でしましたが、その原因のほとんどがこれです
例を挙げると、ゲーム音がデカすぎる、とか、声が小さすぎる、とか
みなさんも一度は経験があるはず
せっかく作った動画もこんなことで視聴を止められちゃったらたまったもんじゃないので、ここは頑張る必要があります
とはいえ適した調整というのは、本人の耳の良し悪しで難易度が変わるので大変
ちなみに僕の耳は大して良くもないです
いざ自分でアップロードした動画を聴いてみたらクソでか音量で絶句した経験なんて星の数ほどあります
よってお勧めしたいのが編集ソフトの音量バーを目で見て判断する方法
注意したいのが、編集ソフトによってここら辺は変わってくるので各々の環境でいろいろ試す必要があります
少なくともYMM4Liteならこれでいいはず、、、多分
話は変わりますけど、以下動画の1分くらい、ゲーム音が大きすぎたので音量50%カットしてます
ゲーム音を聞きに来てる人ってほぼいないので(このゲームは特に)、下げる時はガッツリ下げで
時々爆音が鳴るので、うるせぇなと感じたら個別に対応してました
自分の武器ってなんだろう
ここまできたら動画としてだいぶ完成されてきています
個人的には70点くらいを出しても良くて、及第点はとっくに超えています
そしてPart数も7を超え、結構長いシリーズになってきました
視聴者の割合も、前回を視聴してくださった既存の人が増えてきてるんじゃないでしょうか(誰が視聴したかを判別する方法はないので感覚値ではありますが)
ということで、ここまではただ万人に受けるおもしろさを追及してきましたが、味変して解説チックなことにも手を出してみました
理由として、継続して見てくださる方って既にこのゲームをプレイ済みであることが多いので、そのマスに対する供給という意味と、それが癖になってるからです
単純に人が爆発した、ふっとんだ、でけぇ声だした、で十分「面白い」んですが、解説を聞いて「なるほど」という趣深い方向での「おもしろさ」もあると思うんですよね
特に僕のプレイした「Satisfactory」というゲームは、そこそこに複雑なゲームなので解説がハマるシーンも多いはず
まぁこんな感じで動画制作にも小慣れてきたと思ったら、気分転換がてら何か一つアクセントを加えて埋もれないようにするってのもいいかもしれません
プロゲーマー並みにプレイが上手、とか特定のジャンルの知識が豊富、とか単純に編集量で面白さをゴリ押しする、とか
そこはアイデア次第だったりします
番外編:音楽を作る
僕の動画で使わせていただいたVOICEVOXのキャラクターは、ずんだもん(声のみ)とNo.7の2人のみです
まず、なぜずんだもんを選んだのかというと「有名なので」
それ一択です
声を聞くだけでそのキャラが畜生であることが容易に伝わり自己紹介の手間が省けます
No.7を選んだ理由は、最もツッコミとして理想的な声だと思ったからです
めちゃくちゃおもしろい下りも滑舌や声質一つでつまんなくなるので、ここは慎重に選びました
そしてこれはその後に発覚したのですが、No.7は歌が上手い、とのこと
なんだかもったいないというか、ここまで使うと愛着も湧いてくるので、せっかくだし最終回で歌わせてみようかなと思いました
ちなみに僕は楽曲製作に関して全くのトーシローです
そんな僕が1週間という〆切り付きの中、こんな感じで作ったよってのを後学の為に残しておこうと思います
15分~
・動画制作よりも詳しくないので本当にさっくりと
・初心者が如何に楽して早く作れるか、の指針として
流れはこんな感じ
楽曲選択
muse scoreで楽譜作成
neutrinoで合成音声出力
waveform13でMIX
1.楽曲選択
1から作る余裕なんてまず無いので既存の曲を歌わせます
そして処女作ということなので、できるだけ簡単な曲を選びました
というかそもそもneutrinoに早口の学習データが少ないそうで、早めの難しい曲は声が上手く出力されませんでした
2.muse scoreで楽譜作成
neutrinoに読み込ませる歌声の元データを作ります
カラオケ譜面を手に入れられたならあとはコピーするだけでよし
ちなみに耳コピは無理過ぎて無理でした(語彙力)
3.neutrinoで合成音声出力
オンライン版もありますが、昨今はGoogleさんのGPU制限がかなりキツイのでローカル版で
ここは自分のPC環境と要相談
あとはneutrinoのホームページに記載されている指示通りに動かすだけで簡単にボイスデータを得られます
4.waveform13でMIX
普通ならここが初心者にとって鬼門になってくるのですが、調声部分は全部neutrinoが勝手にやってくれてるのでガッツリスキップできます
そのためのneutrino
とはいえやっぱり初心者にはどこから手を出していいのか分からないので、簡単にできてかつ効果覿面のMIXだけ行いました
まずはハモリ、3度下3度上というワードがかなり重要
モノラルからステレオにして音に広がりを持たせるのも、かなり雰囲気が変わってよきかな
次はプレートリバーブ、お風呂で声が反響するアレです
あまり強くかけすぎても違和感が残るのでここは適度に
これでおk
たったこれだけであの感じになりました
そりゃプロと比べられたら鼻で笑われるかもしれませんが、取り急ぎの中であの出来なら十分じゃないかなと思います
歌がメインってわけでもないですからね
【とても参考になった動画】
MVを撮影しながら全部視聴しました
さんきゅー夢追
正直初心者からすると有料級の内容じゃないかな
5年前だからちょっと古いけど
結局何がしたかったの?
自分の面白いがどこまで通用するのか試してみたかった
「面白さ」を武器にしたモノづくりをしたことが無かったので、自分への挑戦的な意味合いがかなり強いです
挑戦といえば、僕は今まで色々な挑戦をしてきました
noteにその戦いの軌跡を残しているので興味のある方はこちらも
自分が本当に動画編集に向いているのか見極めたかった
初めてづくしの挑戦でしたが、全部が全部初めてというわけではなかったです
実は動画編集に関して、僕が学生の頃から触れてきてました
ただ真面目に取り組もうと思ったのが最近というだけで
本稿でも述べましたが、動画編集は本当に大変で人によって向き不向きがあります
自分がこの動画シリーズを通して今後も続けられるかどうかという判断材料にしたいなと思ってました
youtubeは継続が命で短期的なフィードバックが見込めない→ニコニコへ
判断材料にするなら、それなりにフィードバックが得られないと判断のしようがありません
ということで自分は作った動画をyoutubeではなくニコニコに投稿することを選びました
メリットとしては、文字通りコメント機能でフィードバックを得られやすい点と、広告機能で無名でもある程度数字を稼げる点です
数字を稼げたら何がいいかって、調子が悪いとしっかり再生数が減るからです
これ動画を投稿したことがある人なら共感してもらえると思うんですけど、全くの無名時代って、挑戦した結果再生数が減るとかがまず存在しないんですよね
基本何をしても無風(再生0)
youtubeは基本最初これです。金でも積まない限り
ある程度動画を投稿した上で、google君のお眼鏡にかなった動画が急にバズって一夜にして名が売れるみたいな感じ
それでもいいんですけど、さすがに待てない
今はチャレンジの期間なのでフィードバックの遅いyoutubeは却下となりました
最後に
まずここまで読んでくれた根気強い方はありがとうございます
久々に筆を執ったもので、つい長くなってしまいました
動画を覗いてくれた方はさらにありがとうございます
こんな拙い動画でも気になって見てくれる人がいるというだけで嬉しいものです
ただ自分が挑戦したいだけ、という自分勝手な都合で活動しているならなおさら
実は、普段の動画内でお礼を言うことを控えてました
なんならお礼するのを我慢すらしてました
理由は、自分の思う「面白い」から外れる為です
された方は良いかもしれませんが、されてない多数の視聴者は微妙な気持ちになっちゃうし、毎回毎回くどいですからね
でもここならおもしろくなくても許されるので言いたい放題です
これまで言えなかった分を放出する気持ちで
今一度
読了していただきありがとうございました
動画を見てくださった方もありがとうございました
一応動画投稿は続ける予定です
何分飽き性な自分ではありますが、今後も応援していただければこれ幸いです