【Rules vol.1】Column「MBV散歩 vol.1」(おすしたべいこ)
僕はMy Bloody Valentineの「Loveless」を、CDとレコードを含めて全部で12枚所有しています。いやいや持ちすぎでしょ!-そうツッコむのは至極真っ当です。真っ当なのですが。
初めて手にした「Loveless」は、確か中古で買った輸入盤のCDだった気がします。もちろん、当初は何枚も買おうという気持ちは微塵もなかったのですが、リマスター盤や、他のMBVのアルバムも買いそろえていくうちに、僕は「シューゲイザー」の沼にずぶずぶと浸かっていきました。しまいには「Loveless」至上主義を掲げるようになり、持ち前のコレクター気質も相まって、国内盤や輸入盤など、規格番号の違うものを買い揃えるに至ったのです。
ただ、もちろん同じアルバムだけで十何種類も存在するわけではなく、実は全く同じ企画番号のものを何枚も持っていたりします。例えば、ブックオフにCDを見に行ったとして、自分が愛してやまないアルバムが安値で叩き売られているのを見つけてしまったら、あなたはどう思いますか?という話なんです。僕は少なくとも悲しい気持ちになります。そして「かわいそうだ」と勝手に慈悲の念を向けます。
だから、それが持っているCDだとしても、買うのです。
僕はこの行為を「救済」と名付けました。もっと言えば、一度人の手に渡り開封された中古品は、それぞれの状態における個体差があり、決して同じものは存在しません。すべて一点ものなのです。正当性のある行為なのです。
ちなみに。僕は以前、所有するMBVのCDとレコードを床に並べた写真をTwitterに投稿したところ(1,000いいねを超えるリアクションがあり驚きました)、その引用リツイートで「 #何で同じレコードを何枚も買うの 」というハッシュタグが存在することを知りました。そこには文字通り、僕とは比にならないほど何枚も同じレコードやCDを並べた衝撃的な写真の数々が…。上には上がいた。
writer:おすしたべいこ