LADY FLASH最新作『どこにもいけないドア』リリース記念インタビュー
関西インディー最重要バンドであるLADY FLASHがTESTCARD RECORDSよりニューアルバムをリリース！nicoさんを中心に作品について質問に答えて頂きました！ Interviewed：ヒヌマナオヤ(TESTCARD RECORDS)
■今作はアルバムとして、『恋するビルマーレイ』から約7年ぶりとなりましたが、完成した心境はいかがですか？
nico
「途中にEP「デジタルな神様」やカセットシングル「ハートにティーン/daydream α-nation」を挟んでいるのですがそれでも7年は長いですね。コロナ禍にアルバムの制作を開始したのですが、それに伴ったトラブル等もありかなり時間がかかったのでようやくという気持ちです。
その分、その期間にそれぞれが聞いていた音楽の要素が詰まっていて改めて聞くととても面白いです」
■自分が好きなレディフラらしさが詰まったアルバムになった事にリリースする立場としても嬉しくて、何かテーマやコンセプトがあればお聞きしたいです！
nico
「いつもこれといったテーマやコンセプトはないのですが…あえていうなら似た曲は作らないという点でしょうか。
今回は自分たちにしては少しシリアスな雰囲気で、一曲目からほぼインストなので前作に比べ少し玄人向けな印象です。ですが不思議とまとまりがあるんですよね。似たテイストの曲がないので飽きずに全編通して聞いてもらえるはずです。」
■レディフラは歌詞やタイトルの言葉選びが独特で聞きたい事が沢山あります。全部は聞けないのですが、アルバムタイトルに込められた意味は？
nico「メンバーや友人と話してる時に面白い単語や心にひっかかる言葉は歌詞に使えないかなといつもメモしてるんですが「どこにもいけないドア」もその中の一つでした。
それで作りかけの曲のタイトルにしたのですが、強烈で一見ふざけてるけど何故か考えさせられるようなものだったので気に入り、そのままアルバムタイトルにしました。」
■M1「daydream α-nation」だったり、なんとな〜く楽曲の元ネタが分かったりしますが、全楽曲それぞれありますか
nico
「各曲あります！daydream α-nationなんてタイトルからしてモロですしね。全楽曲の元ネタやインスピレーション元を簡単に羅列してレビューしました。
1.daydream α-nation
DIIVとSonic Youthとエイベックスに影響を受けた曲です。歌詞は英詞ですが一番ふざけてる。
2.ハートにティーン
Girls At Our Best!とらんま1/2に影響を受けた疾走感のあるポップな曲で、ライブで一番盛り上がります。
3.原住民
「Black Sea」までのXTCの良いとこどりのパンクな曲です。イントロのコーラスはGang of Fourでギターソロ前の叫んでるとこはWireのオマージュです。
4.アストロちっく・アラスカ
ナンバーガールにbeach fossilsの要素を足してSFチックな歌詞をのせた曲です。
5.winter song(summer version)
アニマル・コレクティヴがコクトー・ツインズをカバーしたような曲。 一番古い。
6.どこにもいけないドア
キュアーとThe Drumsに影響を受けた曲。独特の日本語が面白いと思う。
7.ソフトインワン
女性ボーカルが可愛らしい曲。メインのリフは集団行動、ギターソロはプライマルスクリームのソニックシスターラブに 影響を受けました。
8.Vampire Dog
アリエル・ピンクに影響を受けたミドルナンバー。間奏はシンディローパーとステレオラブのオマージュ。
9.Darkweb
The Radio dept.みたいな雰囲気を出しつつもギターソロはDinosaur jr.。 90年代のダイエーの駐車場で流れていたようなシンセサイザーの音色が聞き所。」
■レディフラは主にnicoさん主導で曲作りしているイメージでしたが、今作はM7「ソフトインワン」をはじめ、はなみさんが作詞や作曲に参加しています。これは今作からの試みですか？
はなみ
「歌詞に関しては、試みとして狙ったのではなく、流れでそうなりました。
レコーディング直前までニコくんは歌詞を固めないことが多いので、実は仮歌でやっていることも多いです。
『ハートにティーン』はスタジオで曲を作っているときに、わたしがふと思いついたサビの歌詞をメロディにのせたらメンバーが面白がってくれて、そこからなんとなく中国語で歌ったら合いそうだなと思い、帰ってから残りの部分をgoogle翻訳を駆使して書いた感じです。Aメロの歌詞は『らんま1/2』に『シャンプー猫飯店』というとても可愛らしい中国語の歌があって、そこから歌詞を引用しています。Bメロは有名なバンドの歌詞をそのまま中国語で羅列しただけの、ちょっとふざけた内容です。
『アストロ〜』はもともとさなえちゃんが歌っていて、仮歌も英語だったと思います。これもたまたま夜寝る前に歌詞が浮かんだので、書いていって見せたら採用されて、歌詞を書いたわたしが歌うことになりました。
『winter song』はバンドの中でも古い曲で、歌詞がないままライブでもたまにやってたのですが、レコーディング直前まで歌詞が固まらなくて、あやふやな部分の英語をわたしが補完した感じです。
『ソフトインワン』は、お風呂でメロディーと歌詞が思いついて、メンバーに聞いてもらったら気に入ってくれて、バンドでやることになりました。ニコくんの弾いているギターソロが気に入っています。」
■2021年にはカセットシングル『ハートにティーン/daydream α-nation』をリリースしましたが、アルバム制作としてはいつから始まりどのように進行したのでしょうか？
さなえ
「カセット制作の時点でアルバムのリリースがすでに決まっていたので、プリプロは同時進行で行っていました。
レコーディングが始まったのは2021年5月からでしたが、コロナ渦ということもあり何度かキャンセルになってしまって・・・結局、全て録り終えたのは9月です。
そこから、私たちとエンジニアの荻野さんでwebミーティング等を重ねミックスをしていきました。
ミックスに関しては、にこくんの中で各曲ごとにイメージがはっきりとあり、共有できていたので割とスムーズに進んだと思います。
マスタリングは今年の3月、荻野さんの提案でアナログ機材を通して行いました。立ち会ったときに聞き比べさせていただきましたが、こう、奥域がブワーっとバーンみたいな。平面が立体になった感じです。キラキラーっとそんでもってビシビシでバリバリな感じですかね。」
■さなえさんとハッピーさんのアルバムで好きな曲やオススメを教えてください！
さなえ
「一番聞いてほしいというかおもしろいなと思うのは「原住民」です！
セッションから生まれた曲なんですが、どこを切り取ってもおもしろいんですよね。
自分もみんなも、スタジオで突発的にフレーズやアイデアが出てきて作っていて楽しかったです。
それであんな曲になるのがめっちゃLADYFLASHやなあ～と。
にこくん渾身の「あー－ああああー」も気に入っています。最初はもっと優しい感じだったんですけど、
みんなで「もっとほしいなー！」と言って、何度かテイクを重ねてあのようになりました。こだわりの「あー」です。」
ハッピー
「アルバムの収録曲、どれも気に入っているのですが1曲選ぶとしたらwinter songです。
この曲はかなり昔からあるのですが、今のメンバーで演奏するとこうなるんだって驚きがあって個人的にとても気に入っています。
初めて音源を聴く人には関係ないかもしれないですが、4人のいいところが出ていると思うので楽しんで欲しいです。」
■コロナ禍もありなかなかツアーに回れない時期が続きましたが、リリース後のライブ情報を教えてください！
さなえ
「まず、1月14日にBanana Collectionのリリースツアー東京編に出演します。私たちのレコ発でもあると勝手に思っています笑
久しぶりの面々なのですごく楽しみです。東京もコロナでずっと行けていなかったので、関東圏の皆さんぜひ来てほしいです！
そして1月28日が私たちのレコ発イベントです。詳細はまだ内緒です！
2月12日にＢ玉ゆうすけくん、And Summer Clubすみだくんのイベントジャンボジャンボカーニバル。
会場が大阪十三のキャバレーなんですけど、もう、めっちゃキャバレー。そしてでかい。絶対楽しい。
1/14(土) Banana Collection "Blue Mind EP"リリースツアー『INDIE ROCK & GUITAR FOREVER TOUR』
＠東京 下北沢LIVE HAUS
w/ sugardrop、エイプリルブルー、Banana Collection
1/28(土) LADYFLASH "どこにもいけないドア”発売記念イベント
『つよくてニューゲーム』
＠大阪 SOCORE FACTORY
w/ てら(band set) 、THE FULL TEENZ(自由型)、BLONDnewHALF、ティッシュティッシュボーイズ
open/start 18:00/18:30 adv 2000 door 2500
2/12(日) 『ジャンボジャンボカーニバル Vol.2』
＠大阪 グランドサロン十三
w/ MOFO、ゆ〜すほすてる、あいどんと肉肉丸丸ズ 、B玉、AIRCRAFT、 HYPER GAL、ネムレス、BLONDnewHALF、LADY FLASH、メシアと人人、 Arcadian Starship、And Summer Club
DJ
nishikawa(NEIGHBORHOOD)
Taochy
open/start 12:00 ticket ¥2,500+drink」
■最後にファンの皆さんに一言！
nico
「これを聞いてぜひライブにも遊びに来てもらえたら嬉しいです！音源をそのまま演奏するバンドではないので新しい発見や、もっと音源も好きになってもらえると思います！」
さなえ
「相変わらず多ジャンルでおもしろいアルバムができました。グランピングとかキャンプとかバーベキューとか、なんかそういう最近できていなかったレジャーシーンで聴いてほしいです！ベランダも良いかもしれません。ドライブもいいなあ。どこでも好きな場所、好きな時間で楽しんでください。」
はなみ「今回のアルバムは、個人的に尊敬している大好きなエンジニアの荻野さんに録音をお願いできて、自分の中に長いことあった念願がやっと叶ったなぁという思いがあります。ライブとはまた違う、音楽の一面を楽しんでもらえたら嬉しいです。」
ハッピー
「自分の生活に大きな変化があり、製作にも積極的に参加できない状態になっていたのですが、それでもメンバーのおかげでいいアルバムが出来てとても嬉しく思っています。
いいアルバムなのでたくさん聴き込んでもらえると嬉しいです！」
▼ Information
LADY FLASH『どこにもいけないドア』
TCRD-029
Release: 2023.1.11
Format: CD / Digital
Label: TESTCARD RECORDS / FRIENDSHIP.
Track List:
1.daydream α-nation
2.ハートにティーン
3.原住民
4.アストロちっく・アラスカ
5.winter song(summer version)
6.どこにもいけないドア
7.ソフトインワン
8.Vampire Dog
9.Darkweb
LADY FLASH
はなみ(Ba,Vo)、nico(Gt,Vo)、さなえ(Gt,Syn,Vo)、ハッピー(drum)
nicoが通っていた大学のバンドコンテストの賞金目当てで結成。準優勝したことで手応えを感じ、大阪でライブ活動を始める。
XTCやINUなどのポストパンク、Pixiesやナンバーガールなどのオルタナティブロック、現行のUS/UKインディ-ロックに影響を受ける。数度のメンバーチェンジを経て現在のメンバーに。
2008年 結成
2012年 EP「young young young」リリース、透明雑誌と台湾でライブを行う。
2013年 EP「つよくてニューゲーム」リリース
2015年 カセットシングル「とらばーゆ」リリース
2016年 1stアルバム「恋するビルマーレイ」リリース、For Tracy Hydeとスプリットツアーを行う。
2017年 ミニアルバム「デジタルな神様」リリース
2021年 カセットシングル「ハートにティーン/dayderam a-nation」リリース
2023年 2ndアルバム「どこにもいけないドア」リリース
LADY FLASH：https://linktr.ee/LADYFLASH