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文庫本の改装『月に吠える』その2

先に書いた<文庫本の改装『月に吠える』その1>につづいて。
『美篶堂とつくるはじめての手製本』に載っている作り方から、ちょこっとデザインを変えたものを、一例として。

文庫本のカバーを、本文扉とするのではなく、カバーを表紙装画として用いるパターンです。カバーを切って表紙に貼り付けます。背表紙も、カバーの背表紙のタイトル部分だけ切って貼ります。
本体のあのベージュ色の表紙は使いません。
カバー裏表紙は、本文の最後に貼って組みたてます。

新しい版の文庫なので、カバーのデザインも昔のとは少し違います。
帯をかけることを想定して、上方に図案がまとめてあります。
切り分け。カバーの絵とタイトルだけ表紙に使うことにして。
表紙絵を貼るところは、凹ませてあります。
この着物の古布は、織り糸の工夫で見る角度によって黒と赤で変化する生地。

仕上がり。同じ布を使った装丁でも、かなり趣が違ってきますね。
見返しは、シンプルにしました。
テクスチャーはありますが、色は黒一色の紙。
カバーの表紙の袖(折り返したところ)には著者紹介と装画の画家名があるので捨てることはせず、見返し遊び側の裏に貼り込み。

見返し遊び側の裏に、カバーの袖を貼り込み。
花ぎれとしおりは、すこしアクセントになるように深緑に。


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