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ディスカードD

デッキ認識

手札を捨てる効果(ディスカード効果)を基盤とした中低速のデッキタイプ。
プレシオのリーダー付与効果から生まれる継続ダメージとテンポ獲得によってライフを詰め、疾走札によって削りきる勝利プランが基本となる。
各種カードやデッキ構成がプレシオの付与効果を前提としたデザインとなっており、内在打点やリソースの観点から早期のプレシオ起動が試合における絶対的な条件となっている。
よって、プレシオへのアクセスと同時にPPブーストの価値が重要となり、構築・マリガン・プレイの全ての要素で寄せるアプローチが必要となる。

ディスカード効果について

ディスカードのギミックに関する効果は主に3つに分類される。

手札を捨てるカード
効果の使用時に手札を捨てる必要がある。
これらのカード群は単体性能が乏しく、常にリソースの消費を要求される。
プレシオのリーダー付与効果や後述の捨てられるカードとセットで使用されるものとして考える。

手札から捨てられるカード
手札から捨てられた際に効果が起動する。
これらの利点は上記の「手札を捨てるカード」の効果をコストの消費無しに使えることにある。
該当するカードで確実に機能するものが2種(3種)しか存在しないため、役割価値が非常に高い。

シナジー性を持つカード
上記のどちらにも当てはまらないが、カードを捨てる行為に関連する効果を持つ。
条件下でなければ標準スタッツフォロワーである。

つまり、ディスカードは兼ね合い要素を持つコンボ色の強いギミックといえ、手札事故の確率が他のデッキタイプより高いことを意味する。

これらの内容を踏まえ、以下説明を進めていく。

構築

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構築を練るうえで2つの要点を意識して採用調整を行っている。

リソースの継続
盤面処理能力に加え、回復、守護の設置と試合を長引かせる要素が備わっている。
これらが途切れる場面は主に手札の枯渇によるものが多い。
要所に効率の良い処理手段を用いることでのリソース温存、余剰PPをリソース回復手段に充てるように立ち回る。

デッキの循環
リソースを継続させる中で、自然とドロー回数は多くなる。そのため、構築的な面では上記と同様のアプローチとなっている。
利点は、デッキ内の疾走打点が集まりやすくなること、処理手段の選択肢が広がり、より効率性を高められること、が挙げられる。

各種カード

手札を捨てるカード群

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蛇竜の契り
1PP-2点
覚醒時であれば、捨てるカード問わず手札枚数を維持しつつ交換ができる。
基本的には高バリューで使用したいため、使用のタイミングを後ろに伸ばせるかを検討する。
キーカードを探すため、序盤に打つことも度々発生する。
使用PPに対する除去効率が非常に高い。
唯一、1PPの埋め合わせができるという点も使用するかを選ぶ判断材料の一つとなる。

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岩石のアンキロサウルス
2PP-1点+2点
2/2/2の1ドロー持ち。自然カード。
奇数体力に対して1枚分処理要求を減らすことができる。
カードを引けるため、キーカードへのアクセス率を上げる。
なおかつ序盤のテンポ形成に一役買ってくれるため、キープ対象となる場面いくつか存在する。

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水呼びの竜使い
2PP-4点+2点
2/2/2で除去に寄ったカード。
コスト消費に対する処理能力が高く、テンポの獲得に貢献する。
エンハンスに関しては良し悪し両方の側面を持ち、利点は手札のバリュー向上、欠点は使用が後回しとなりランダム要素が発生することが挙げられる。
同ターン内の複数回使用は動きの柔軟性が損なわれるため、嵩張っている場合は使用優先度を上げる。
リソースカードを打つ余裕を生み出しやすいカードでもある。

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聡明のドラゴニュートスカラー
3PP-2点、進化権使用3PP-2点+2点+4点
アンタッチャブル性能により、盤面からの打点として換算しやすい。Rなどの横展開に対して面ロック択の検討ができる。
前述のように、ドロー効果の評価は高い。
しかし除去としては少々PP効率が悪い。
性能を上げるためには進化権を切らなくてはいけないが、プレシオ分の1つを除くとこのカードへ回せるかは疑問視せざるを得なく、中盤以降のパキケファロやプレシオ進化、顔進化による打点換算といった兼ね合いも考慮すると一定の評価となる。

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大逆のドラゴサモナー
3PP-2点
3/2/3守護であり、ライフカットに貢献する。
碧竜の回収により、手札の直接打点を増やすことができる。2t先に碧竜のコストが下がり打点へ換算できるようにイメージを持つと良い。
ライフカットや守護として活用する中で碧竜が自然と加わる場合も多く、詰めだけでなく盤面形成の役割も担う。
除去としての性能はスカラーと同じく他より劣る。

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波濤のプレシオサウルス
デッキ認識の項で挙げたが、このカードにアクセスできているかが試合の勝敗に直結する。
除去札として使用する感覚はほぼないためPP対効果は省くが、縦の面に対してはプレシオを使うことで得をする場合は多い。(リソースの消費量や手札循環、回復といった要素)
このカードの場合のみ手札の自然カードが回復ソースへ変換されるため、意識して検討をする。特にプレシオの3枚目は出す場面はほぼ存在しないため、切る優先度が非常に高い。
出す際のテンポロスは次t以降で回収するため、早期の着地を優先事項として試合を進行させる。
リソースの観点からこのカードに進化を切るのが望ましい。先行で2回PPブーストし先4で置く行為は、進化が切れず手札が極端に少ない状態で試合が進むことは考慮しなければいけない。(ブースト札を2枚使うことも含め)

手札から捨てられるカード群

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大逆のドラゴサモナー
捨てる対象の筆頭であり、デッキの循環を担う赤竜を準備する。
赤竜は2ドローによってキーカードへのアクセス率を上げるとともに、4/4守護としてライフカットにも大きく貢献する。
5cのため比較的PPが下がりやすく、除去の範囲を広げながら、自分の盤面形成を行える。碧竜からの疾走による直接打点以上に、盤面からの打点が伸びることも少なくない。

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竜人の吐息
サモナーの次点で手札から捨てるカード。
手札を捨てるカード群を手札枚数を維持しながら運用できる。
何度も話に出ているが、ドローを進める行為は価値が高い。

ディスカードシナジーを持つカード群

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金剛のパキケファロサウルス
2PP-2点+4点
2c進化フォロワーとして性能が非常に高い。
シナジーとしては手札を捨たターンに進化権を獲得するもので、カードバリューと合わせてデッキの継戦能力を上げている一枚。
このカードやプレシオが無料進化を可能とするため、毎ターン進化権を有効に使えるよう除去ソースの管理を行う必要がある。
点数の振り分けを指定して行うため、効率の良い処理の実現にも貢献する。

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オーシャンアングラー
2/2/2スタッツを持つリソース供給札。
プレイ順によって特定のカードを使い回すことができる。特にドラゴサモナーの複数回使用はこのカードでしか果たせないため高く評価している。
赤竜についてはドラゴサモナーの項で説明したとおりだが、連鎖させることで盤面の強度と構築速度が更に増加する。
吐息や治癒の代用としても機能するため、デッキスロットを埋めない点も利点の一つである。

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治癒のドラグーン
2つの回復効果を持ち、このデッキの継戦能力を支えている一枚。
序盤のテンポロスを回復によって取り返す役割がある。
捨てられた際に起動する効果を持つが、デッキの循環(手札維持)に貢献しないため、あくまでシナジーを持つカードとの位置づけをしている。
盤面処理によるライフカットを構築段階から意識しているため、採用枚数を落としている。メインギミックをより重視したと言い換えても良い。
枚数を落としたことで終盤のコールのバリューを上げることにも繋がる。理由は後述とする。

その他

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竜の託宣
PPブーストの中で最も効率の良いカード。
打つ際のテンポロスは上昇したPPによって回収ができるため、多くの場面はこのカードの使用を優先することとなる。
懸念点としてPPブースト札はリソースの消耗が激しいことが挙げられる。
目安は進化ターンにプレシオに進化が可能となる6PPとすれば良いため、必要以上にテンポ・リソースを失う動きは避けるべきと考えている。
覚醒時にキャントリップとしての性質を追加するため、後回しとする一つの理由付けとなる。

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ドラゴニックコール
2PP分のテンポと引き換えに特定の札を探す働きを持つ。
構築・採用枚数によってサーチ先を確定することを可能とする。
今回の構築においては3つの役割を持つカードとして採用を行った。
・プレシオの増量
デッキの核であるプレシオを確定で加える構成としている。
当然ではあるが、枚数を増やす分だけプレシオを引かない試合を少なくすることができる。最大枚数の採用とした理由の一つである。
ただし、被りによる手札の圧迫のリスクが存在し、安直に枚数を増やしたり、マリガンでキープ対象とすることは、別の負け筋を生み出すことに繋がると留意する必要がある。
・リソース増強
覚醒時に単純に手札枚数を増やすことができるカードとしての働きである。
ディスカードの性質上、手札を消費し続けることとなるため、役割の薄いカード(プレシオの2枚目以降など)であっても、手札を増やすことそのものは大きなメリットといえる。
・場面ごとの役割カードの回収
プレシオへのアクセスと似た内容ではあるが、この項としての本質は別物である。
デッキの循環が十分でない中盤では、試合を長引かせるための回復手段を集めることができる。(自然カードとしてのプレシオと治癒)
終盤のリーサルを狙う場面では、疾走札であるダークジェイルの引き込み率が高いドローソースとして機能する。
治癒の枚数を減らした理由に、アクセス(サーチ)が可能であることと、回収するカードの役割を早めに変化させたいといった意図がある。

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ダークジェイルドラゴン
デッキにおける詰め手段としてリーサル範囲の引き上げに強く貢献する。3c4点と打点効率がよく、複数枚引き込んでいる場合は一気にライフを削りきることも可能である。
強みの一つとして、スタッツの高さが挙げられる。10PP到達時点ではデメリットが実質的に無くなるため、盤面を作りながらライフを詰める形で相手へ圧力をかけることができる。(リーサルターン前の顔進化も同様の効果が期待できる)
デッキの循環はこのカードを手札に集める手段として有効なため、デッキの方向性ともマッチしている。

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ドラゴニックレイジ
託宣と同様のPPブースト札だが、1PP多く消費する必要がある。
しかし3PPであっても序盤の貢献度としては高く位置しているため、積極的に使用を図っていくことになる。
覚醒時に対象は選べないものの、確定除去としての役割を追加するため、縦に強い盤面を作るデッキタイプに対して価値が上がる。
託宣と比較し、どちらを使用してPPブーストを行うかは対面への大局観や手札内容によって検討を行う。

プレイ方針

序盤(プレシオ起動前)
一度目のPPブーストを最優先に、プレシオの起動を目指す。
早期にアクセスできるよう、ドローによってデッキを循環させる。
遅れた場合であっても試合が続けられるよう、手札リソースを消費しすぎないこと、テンポロス・ライフカットを意識し立ち回る。

中盤(プレシオ起動後)
リソース量とカードバリュー(質・役割)を考え手札を整える。
効率的な除去によってテンポを獲得し、余剰PPによってPPブーストや手札増強を行う。
盤面形成は次ターンの動きを弱める働きがあるが、その場面においては過剰にPPやリソースを吐く場合が多いため、手札を潤沢にし選択肢を広げることを優先する。

終盤
手札が増え、場面ごとに行動を選択できる状況を指す。
疾走札で決められるようリーサルラインまでライフを落とし込む必要があるため、この段階から盤面形成の優先度を上げ、ボードから打点を生み出せるよう継続して横展開を広げる。相手にボード処理と回復を常に要求させ、途切れたタイミングでリーサルをかける流れに持ち込む。
リーサル前に碧竜やダークジェイルの顔進化によって進化権を盤面形成とダメージソースとして同時に変換させるのは有効な消費の仕方といえる。

マリガン

デッキ認識やディスカード効果の性質を念頭に、キープ基準を定めている。

先手後手共通

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優先度大
託宣・サモナー・レイジ・プレシオ

PPブースト
優先度は託宣>レイジで1枚のみキープを行う。
進化ターン(先5)にプレシオに進化を切ることが目的のため、2枚目以降は必要としない。テンポやリソース面での損失が大きいことも要因といえる。

プレシオ
必要性としては前述で何度も説明したため割愛する。
リスクとして、序盤のテンポロスやPPブーストの確率を下げるといった点が挙げられるが、早期のプレシオ(6t)は序盤のテンポロスを巻き返すことができると考えている。
プレシオの着地が確定するためプレイの方針が固められるのも利点の一つ。
加えるのであれば、ライフカットを意識し他のマリガンや、構築段階で2cフォロワーを多めに採用するなどのアプローチによって改善を図りたい。

ドラゴサモナー
ディスカードの性質である兼ね合いの点で受けが広く、手札の平均値が上がり特定のカードを狙ったマリガンのリスクを軽減できる。
また、その他の利点として以下を挙げる。
・キーカードを探せる赤竜を加えられる
・リソース供給が担保される
・3/2/3守護としてライフカットができる

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優先度小
アンキロ・コール・吐息

アンキロ
レイジとのセットキープ対象。
2tでテンポを保証しながらプレシオを探せるためである。
託宣もしくはプレシオがキープでき、「捨てるカード」であるサモナーや吐息も見えている場合に全キープのパターンも存在する。
(優先度大との単純なセットキープも検討して良い)

コール
PPブーストとのセットでのみキープの対象とする。
コールからプレシオを加える行為はテンポロスを前提としており、マリガン時点で目指すべきではないと考えている。
序盤ではPPブーストを優先し、各種ドローによってプレシオもしくはコールを引き込むアプローチとした。プレシオやコールの複数枚引きによる手札の圧迫のようなリスクを軽減させる目的もある。

吐息
アンキロの項で述べたパターンのみキープ対象とする。

後手
基準は先手と同じだが一点のみ異なり、
託宣+PPブースト+プレシオはセットキープを行う。
(託宣+託宣+コールも同様)
後4でプレシオに進化を切ることが確定するパターンのため。

別案

採用意図については省略するが違う視点から組んだ際の構築を参考までに載せておく。

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最後に

今回紹介した内容はあくまで一つの例に過ぎません。
中には違う考えを持っている方も多いでしょう。
こうした考え方もあると、一つの参考程度に見ていただければ構いません。

今回詳しく紹介した内容と別案の構築ですらカード認識が違います。
良かったらどのような認識で採用を決めているのか考えてみてください。

読んでくれた方がより深く考えるためのきっかけとなれば幸いです。


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