パラシトスシンドローム_全身全霊感想

※パラシトスシンドロームのネタバレ全開です。パンフレットと複製台本の内容も含みます。台本に関してはヌビアさんに確認の上、「複製台本p.●●の●行目」と引用しております。

1.初めに

私は恐れ多くもヌビアさんの最古参の一人です。
ヌビアさん関連の作品やイベントにはほぼ行ったり購入したりして、ファンサイトにも支援してます。
そして、今作、パラシトスシンドロームに関しても朗読劇になる以前のVol1のCDから購入して楽しみにしており、今回の朗読劇に関しても、有給を取得し、2日間とも行かせていただきました。
物販も全セットと台本を購入し、
1日目は2Fから全体を俯瞰するように鑑賞し、2日目の午前中にパンフレットと台本を熟読し、2日目は最前列で台本片手に演者の皆様の細かい演技や、演奏陣の音楽をじっくりと堪能いたしました。
して、その上で私はこの作品をこのように評価せざるを得ません…

…ごめんなさい、天道先生、すさのを神、エターナル14歳神、ヨナオさん、レジさん 、女神、比留間さん、石谷さん、野田さん、森田さん、米内さん、榊原さん、史さん、神無さん、蒼喬先生、その他この作品に携わったスタッフの皆様、
そして何より、ヌビアさん…
しかし、こう評価せざるを得ません…
パラシトスシンドロームは、この朗読劇は『駄作』であると…

上記に関してですが、ツイキャスでヌビアさんから真意を聞けましたので、謹んで訂正いたします…
それを踏まえた上で評価するのであれば、まぁ、多少粗はあるけど、厨2作品としては悪くないんじゃないですかね。
60点です。


2.プロローグ~OPの感想

何故そう評価せざるを得ないのかの前に、劇の感想を書いていきます。
先ずは冒頭、語りから始まるのは良かったです。
『星屑の落涙』のシーンでは、聖佳と明止と玲止の青春シーンが微笑ましかったですが、聖佳と男性陣の年齢差考えるとロリコンなんですよね良いんですかねこれ…
※年齢差に関してはキャスト陣は納得していたとのことなので、まぁいいでしょう…
そして、自分が高く評価したいのはこの後のニュースと研究者のシーン。
犬伏役のお二人の防衛相役と森田さんのキャスター役が最高でした。
特に森田さんは台本と比べながらの2日目しか気づきませんでしたが、アドリブ入れたりされてて、お上手でした。

そしてOP『Parasite Load』!!!
もうね、始めて聴いた時から好きでしたが、女神の歌唱はやはり至高である… 
そして、2日目は聴こえたヌビアさんの生演奏は堪りませんでしたねぇ…
加えて、歌の合間に演者の皆様が席移動するんですよ。
この時、皆様が客席に向けてポーズとっててまぁカッコいい。
後、2日目で気付けたんですが、この時、女神が台本を石谷さんに渡してから、歌唱を始めて、終わった後に石谷さんから台本を受け取って席に着くんですよね。もうエモい。

3.1年後~聖佳の死までの感想

因みにここ、「複製台本p.18」に台詞あったんですが、
1日目も2日目も聞こえなかったんで、カットされたんでしょうかね?

そして、病院の効果音があって、明止のモノローグが始まるんですが、
このモノローグの説明も良かったですね。
そしてこの後のシーンなんすけど、「複製台本台本p.22の2行目」ってどういう事なんすかね? 1年前に『星屑の落涙』があってから9ヶ月後に聖佳は意識不明になったんすかね? プロローグの描写的に『星屑の落涙』で聖佳は意識不明になったと思ってましたが、違うんですかね? 尺的に説明出来なっただけなのか、パンフレットにもこの辺書いてないので、分からないですよね。
※ヌビアさん曰く、やはり尺でカットしたらしいです。何があったんでしょうね??
後、明止が去った後、玲止がカーテン開けるシーン。ここの台本見ないとわからなかったっすね。
そして、この後の聖佳のエゴ・ファージのシーン。
…なんで、犬伏さん、本気出して抑えなかったすかね?
全部知った後だと、ここで抑えなかったから聖佳が自死する結果になったんすけど、どうするつもりだったんすかね?
そして、聖佳の自死のシーン。
ここ、聖佳が玲止のナイフで自分の胸を刺しているんすけど、台本読んでなかったらわからなかったっすね。
そして、この後の和歌月と犬伏のやり取りも謎なんすよね…
どうして聖佳の腕置いていったん? 和歌月操ったの誰なん?
犬伏だったら描写おかしくない?
※ヌビアさんに確認したところ、犬伏が聖佳の腕を置いていかせたらしいです。ちょっと犬伏の反応がおかしな気もしますが、まぁいいでしょう…
それで一番の問題シーン。
明止が覚醒するこのシーン。
聖佳の腕、明止が喰らったんですけど、わかりました?
自分は台本とパンフレット読み返すまでわかりませんでした。
1日目はこの聖佳の腕が何かしらのキーアイテムになるのかなぁと思ってたら、この後全く登場しなくて気になったんすよね…
まさか食べられてたとは…

4.『過たず招かれた災筐』結成~前半終了までの感想

そして、次のシーンですが、ここで評価したいのが、森田さんの教授役。
完全に別人が喋っているような演技で関心いたしました。
で、ここで引っかかったのは2点。
一つ、『過たず招かれた災筐』って結成してからどれくらいたった設定かが具体的には不明。『服わぬ狂星』と明止が呼ばれるくらいには暴れているみたいだけど、年単位なのか、月単位なのかが不明。
そして、二つ目が玲止に「複製台本p.76の1行目」と罵倒しているけど、玲止も明止も銃乱射したりしてたし、エゴ・ファージだったり、邪魔する人間を散々殺しているんじゃないの? なのに、「人殺し」で玲止が動揺するのおかしくない?

5.後編開始~明止奪還までの感想

このシーンで引っかかったのは摩弥のモノローグですわな。
何となく、想像は出来るけど、パンフレットにも記載がない以上摩弥の過去がどうだったのか明確になっていないので、何とも判断できない。それと、処刑時に明止が回想している聖佳のシーン。
「複製台本p.107の1行目」とあるけど、何その設定!? 本編中にもパンフレットにもそんな記載一切ないやんけ!!!
女性陣二人の過去を包み隠す意図は分かりますが、あまりにも情報が足りず、理解することができませんでした。

6.VS和歌月の感想

先ずは和歌月さん、疑ってごめんなさい…
てっきり、ラスボスに操られてる役だと思ってました…
だと思ったら、全てを失った元正義の味方とは…
森田さんの演技も相俟って最高でした。
そして、ここで引っかかった点は、ぶっちゃけ、演者の皆様が上手すぎたのもあるんですが、明止の台詞。
「複製台本p.132の9行目」
加えてパンフレットに記載のある『定益』
和歌月、摩弥、玲止は感情の起伏が小さくなるとあるんですが、すみません…
摩弥は兎も角、和歌月、玲止は滅茶苦茶感情の起伏大きかったんですが…
多分演者の皆様が上手すぎて設定と矛盾したんでしょうね…
後、摩弥が明止の為に命を捧げるシーン。流石に尺が足りないにしてもそれだけの関係ではあったとわかるようにして欲しかったです。パンフレットにも全然記載ないし…

7.VS玲止の感想

このシーンでまず言いたいのは、
「やりやがったな、ヌビア大明神とすさのを神」です。
よりによって女神が演じる役に時計を嫌わせて、「早く時間が過ぎればいい」と言わせるとはね…
※ヌビアさんに確認したところ、ここはヌビアさん発案でした。しかも意図したものではなかったとのこと。偶然って恐ろしいですね…
そして、明止と玲止のバトル。
熱いっすねぇ… これこそ厨2と言わんばかりの詠唱と語りは最高でした。

8.黒幕登場~黒幕説明までの感想

ここはまじで犬伏役のお二人の演技がやばかったです。
特に2日目の榊原さんはアドリブだったり、手の動きだったり、ガチでとんでもなかったです。
後、ここ玲止の心臓を明止が喰らってたんですけど、わかりました??
自分は台本読むまでわかりませんでした…

9.明止回想~決戦までの感想

さて、ここの回想シーン。
ぶっちゃけここも尺足りない故なんでしょうが、明止と聖佳と玲止の関係がやっぱりわからんっすね… 幼少聖佳は幾つで、明止が幾つの時? やっぱりロリコンなん? というか玲止は? 親の汚れ仕事ってなに?ヤの付く自由業?
圧倒的に各キャラの背景説明が足らんっす…
唯一背景説明が足りたのはパンフレットのサイドストーリー込みで和歌月さんだけですよ? 聖佳と玲止に至っては一切説明ないし…
※ヌビアさんに確認しましたが、設定はあるけど尺の都合とのことなので、公開されるのを楽しみに待ちましょう。

10.エピローグの感想或いは…

さて、散々書いてきましたがここまでなら、
まぁ多少粗はあるけど、厨2作品の朗読劇としては悪くはないかな。
という感想だったんです。
では、どうして「駄作」と評価せざるを得ないのか?
理由はたった一つ、ラストの語りです。

「複製台本p.187」(新都滅亡)

はぁ???

つまりですよ、和歌月の最後の大博打も明止の自爆も、全くの無駄死にだと断言しちゃったんですよ?
しかも挙句、鏖殺ということは新都含めて、全てが無に帰したんですよ?
折角色々な設定考えてたであろう第一中央特区「武蔵」も、新都衛星管理保全機構も、新都大衙門も、全部、全部無くなった終わりだって言っているですよ?
つまり、和歌月が本編で語っていた"全霊で繋ぐ、次や、未来"は無くなったんですよ?
エピソードで明止と聖佳が語っていた"希望"って何処に残っているんすか??
…巫山戯るな!!!!
仮にこれが、ノベライズや、ゲームのバッドエンドとかなら、まぁ百歩譲ってありでしょう。
ですが、よりにもよって一期一会の朗読劇ではその終わりは一番やっちゃ駄目でしょ…
勿論、他の方が考察しているように、この後、IFやら続編やらで、何らかの発表があって掌ドリル回転する可能性も零ではありませんが、昨日の終演時点で発表されていない以上、現時点では「駄作」と評価せざるを得ません…
…ヌビアさん自身が散々言ったように、厨2作品は一般的ではないんですよ?
それでも、演者さんのファンだから、地元だから、とわざわざ平日に時間を作って、一期一会の想いで、この作品を見に来た方々が観たラストは、"彼らの死は無駄死にで終わりました。何も残りませんでした"で終わったんですよ??
そういう人達が今後もこのような作品に触れたいと思いますか??
厨2を全力で魅せたい。その気持ちは凄くわかります。ですが、
全ての無に帰す物語で終わらせるつもりなら一期一会の朗読劇で出すべきではなかったんですよ…
無論、自分も主要キャラが死亡する、通称メリバ(メリーバッドエンド)を否定はしません。
ですが、昨今の推しの子然り、進撃の巨人然り、少し古いですが、鉄血のオルフェンズ然り、シン・仮面ライダー然り、
メリバでも、それでも残された、繋がれた希望が、未来がある終わりなんですよ。 
だというのに、今作はラストで語られた結果、残された、繋がれた希望が、未来はない。で終わってしまったんですよ…
これがせめて、この語りがなかったり、犬伏がダメージを負って、僅かでもエゴファージが鎮まり、新都は壊滅しなかったとか、和歌月は生き延びたとか残された、繋がれた希望が、未来はあるとかだったら良かったんですよ。
でも、そんなものはなく、パンフレットにも、本編後に関しては一切記載がない…
…どうしてですか、ヌビアさん、すさのをさん、天道先生…
この語りさえ違えば自分はこの作品を正当に評価出来たというのに…
本当に、本当に残念です…

上記に関しては完全に自分が解釈を間違えておりました…
新都滅亡ではなく、犬伏を目撃した人間だけが鏖殺とのことで、ボロボロですが、新都が滅んだ訳ではなく、新都は続いていくという結末でした。
…まぁ、その上で始めて厨2作品に触れる人に、しかも一期一会の朗読劇で、メリバの結末を見せるのはどうかとは思いますが、そこは自分の個人的な意見ですわね…

11.終わりに

全身全霊で楽しんだこの作品を『駄作』と評価するのは自分としても断腸の念ですが、自分の率直な感想です。
ヌビアさん…
貴方はこの作品は本命である、「天鐘のヒストリア」の踏み台であると仰ってましたね。
…こんな『駄作』を踏み台としてヒストリアを作るつもりですか??
自分は前のヒストーリアから応援している身ですが、流石にそのつもりならちょっと考え直していただきたい…
こんな気持ちで世に出したら、絶対に成功しませんよ…
最古参のファンとしての忠言です…

完全に解釈が違っていたので、改めて評価しますが、
尺や様々な都合とはいえ、説明端折り過ぎ(特に過去)で台本やパンフレットを読み返しても作品の理解が追いつけないので、-10点
一期一会の朗読劇をメリバという結末にしたので、 -25点
諸事情があるにせよ、終演時点で今後の展開に関して一切匂わせがなかったので、-5点
よって、個人的には60点という評価となります。

改めてにはなりますが、
1日目は2Fから全体を俯瞰するように鑑賞し、2日目の午前中にパンフレットと台本を熟読し、2日目は最前列で台本片手に演者の皆様の細かい演技や、演奏陣の音楽をじっくりと堪能させていただき、大変充実した2日間でした。

今後もどうやらパラシトスシンドロームという作品に関しては新展開があるかもしれないとのことなので、楽しみです。

…そして、いずれは本命であるヒストリアを愉しめる刹那を今か今かと待ち続けます。

諦めなければ夢は必ず叶うと信じております。 
Sieg Heil Viktoria!!!


いいなと思ったら応援しよう!