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我慢しなくて良かったのに

新型コロナウイルス感染症の罹患後に、血管危険因子のない若者にも脳梗塞が起こりえます。その確率はかなり低いもので、早期に発見できれば後遺症もないので怖がる必要はありませんが、いつもは感じたことのない頭痛や、しゃべりにくい、立ち上がれないなど、おかしいなと思ったら、我慢せずにすぐ受診することをお勧めします。

『ぼくの脳梗塞日記』の著者「旅のあしのすけ」さんは1978年生まれの40代の若者です。旅のあしのすけさんが新型コロナ感染症に罹患したかどうかはわかりません。また、脳梗塞を発症する前から睡眠時間が短かったようなので、どのようなリスク因子があったのかは測りかねますが、大事なことは若くても脳梗塞になることがあるということです。旅のあしのすけさんはコラムの中で、発症時の様子について詳細に書かれています。その中で「何か変だ、仕事に行っている場合ではない、ということだけはわかっていた。」と書いています。この時に救急車を呼んでいれば、もしかしたら、後遺症なく経過も良かったのではないかと悔やまれてなりません。

もちろん、そのような私の勝手な思いとは別に、旅のあしのすけさんは、起こってしまったことに対して後悔するのではなく、前向きに自分の状況を受け止めて自分のできることから取り組まれています。できないことにフォーカスするのではなく、できることにフォーカスして取り組んでいる様子が伺えます。その自発的な努力もあり、驚異的な回復力で療法士や友人を驚かせているようです。回復力は人それぞれですが、受け止めることや前向きに取り組むことは大きな差につながることを示していますね。

淡々とつづられている入院生活は、エニアグラムの視点から人物観察していたり、入院中のちょっとした工夫だったり、仕事をしている中での気づきだったり、すごく真面目な一面があったり、思わず引き込まれる内容でした。

『僕の脳梗塞日記』はシリーズで現在3巻まで発売されています。

おかしいと思ったら迷わないこと。我慢しないで欲しい。
そして、物事に前向きに取り組むことで状況は好転するのだということを目の辺りにしました。脳梗塞という貴重な体験を綴ってくださった旅のあしのすけさんに感謝します。

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