見出し画像

初任者の先生へ 10のこころえ

 今年度、異動した。研究主任ではなくなり、アウトプットする場がなくなったので、またnoteを始めよう、と思っている。

 異動した先に、初任者の先生も一緒に入ってきた。小規模校で単学級なので、「おせっかいかもしれない」と思いつつ、10のこころえを教えた。
①~⑦は全ての子どもたちに対して。
⑧~⑩は少し手を焼く子どもたちに対して。

①かざらない。

 分からないことは「分からない」でOK。嘘はつかないこと。
→この学校のことなら、子どもたちに「教えて」&「ありがとう」でいい。
 (子どもたちの方が先輩だから。)
→ルールのことなら「どうしてだと思う?」と考えさせてみるのもよい。
→「分からないから、調べてくるね」でもOK。
→軽い内容なら「どうしてだろうね~。分かったら教えてね」でOK。

②ぶれない。

 子どもによって、言うことがブレないように。
→「◎◎してもいいですか?」に対して、ある子には「いい」、
  ある子には「ダメ」とならないように。
  全体に関わるルールについての質問は、個別に言わず、
 「あとでみんなに言うね」としたほうがいい。

③びょうどうに。

 子どもに対して態度を変えないように。ある子は「ちゃん」づけ、ある子は「愛称」にならないように。全員に対して「◎◎さん」が、一番いい。自分も若いころは少し抵抗があったが、当たり前になると気にならない。

④北風よりも太陽で。

「静かにしなさい!」と出来ていない子に注目するのではなく、
「◎◎さんは静かに聞いてるね~」と出来ている子に注目する。
  →しかる言葉でなく、ほめる言葉で、良い行動を広げていく。

⑤ユーメッセージより、アイメッセージで。

 注意するときも「(あなたは)話を聞きなさい!」という、ユーメッセージではなく、「話を聞いてくれないと(先生は)悲しいな」「話をきいてくれると(先生は)うれしいな」という、アイメッセージで(自分を主語にして)伝えると、子どもは行動を変えやすい。

⑥「分かりましたか」より「質問ある?」

 「分かりましたか?」といって、「分かりません」という子はいない。むしろ話し終わった後に、「質問はある?」と聞くと、子どもたちは、分かっていないことを聞きやすい。自分が説明不足だった点を、子どもが教えてくれることも多い。

⑦指示は静かになってから。

 子どもたちに指示を出すとき、ざわついている上から、大声で指示を出さない。声が枯れるうえに、指示は通らない。「静かをつくる」ことが大事。
 →自分が話す合図を決めて、伝えておく。
 (チンベルがなったら、話すから静かにしてね等)
 →囁き戦術(あえて、小さな声で話す。)
 →気をひかせる(先生の指は何本?みんなでリズム拍手)

⑧「できない理由」は自分に求める。

 子どもたちができなかったのなら、それは自分の説明や指導が何か足りなかったということ。「何で(子どもたち)はできないのだ」と考えるより、「(自分が)どう言えばできたか、(自分が)どんな準備や流れで授業をすればよかったか」を考える。
→上手くいかないことがあったら、すぐ相談してください。

⑨「できなくてもOK」「楽しければOK」と考える。

 ⑦に相反するようだが、あまりに先生が「できなければならない」「やらせなければならない」という考えが強いと、先生自身も苦しいし、子どもたち自身も苦しくなる。
 「まあ、宿題をやらなくても生きていけるしな」とか「(ちょっと悪いかもしれないが)困るのはこの子だしな」と考えて「できなくてもOK」、おたがいに「楽しければOK」とした方がいいこともある。

 自分の精神状態に合わせて、活力があるときは⑧の考え方、ちょっと元気のない時は⑨の考え方でいくといい。

⑩ほうっておく勇気。

 特性のある子たちは、頭がカッカしている時には何を話しかけてもダメなことがある。そんなときに「ちゃんとさせよう」とすると、火に油。ふらふらしていても、みんなに迷惑をかけていなければOK。机の下にもぐってしまっても「◎◎さんは、今嫌な気持ちなんだよね」とみんなに伝え、何事もないようにふるまってOK。しばらくして、気持ちがおさまって(クールダウン)してから話すと、意外と指導がすっと入る。

終わりに

初任者の先生に教えようと考えることで、少し自分の考えが整理される。
いい勉強になるなぁと思った。子どもたちが学校に来たら、こんな余裕はなくなってしまうかもしれないが、できる範囲でがんばってみようと思う。

いいなと思ったら応援しよう!