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【マンネリ制作脱出】映像コンテンツを作る"前"に考えておくと良いこと 後編

こんにちは!

前回の記事で映像を作る前に考えるべき3つの要素について書きました。

今回はより詳しく見るために例を記したいと思います。

その前に、この記事で初めましての方も多いと思うので、簡単に自己紹介とこの記事の意図を記しておきます。

その名の通り京都の映像屋です

2018年ごろから本腰を入れて始めた映像制作。京都でほぼ独学ながら今ではBBCやYahoo!やNHKと言った大手メディアの映像コンテンツ制作に携わるようになりました。

普段は自分で企画を書き、ディレクションと撮影と編集全てを一人でやっています。

地方で個人制作にも関わらず、世界中の人に見てもらえるコンテンツ作りにも携われたのは、ずばり「映像企画をちゃんと立てられたから」だと考えています。それは全て映像を作る前にどう視点を持つか、というところにつきると思います。

そこで、前回の記事と合わせ、今回も「映像を作るに考えておいた方が良いこと」を解説したいと思います。

今回は後編です。はじまりはじまり〜。

3つの要素が良い感じに揃っている映像


自分の映像で恐縮ですが、こちらは2021年に僕が作った徳之島コーヒーのmicro docです。3分の短いものなので、まず見てください。(サムネクリックで掲載ページまでいけます)

さて、自分でいうのもなんですが、これは今回書いている3つの要素がある程度高いもので、撮影前の段階では高い確率で良い映像になることは見えていました。

詳しく解説していきます。

ストーリー=徳之島というあまり馴染みのない島で、一人の男性が国産のコーヒー豆を栽培し、島の産業となりつつある(=意外性や驚き)。それは良いことだけでなく、試練の方が多かった(=話に深みが増す)

キャラクター=同コーヒー豆の栽培を40年近く前から始めた第一人者。とってもお茶目なおじいさん。しかしこれまでの道のりは、良いことだけなく悪いことの方が多かった。

ビジュアル=実際のコーヒー豆畑・作業風景・島の美しい自然など説得力のある映像

と、まず強いストーリーがあり、ストーリーに一番思い入れのあるキャラクターがいて、そしてそれらを表す説得力のある*ビジュアルがある。
(*天候や取材対象者の当日の体調などもあって、撮影できなかった部分があり、ビジュアルだけ少し弱いかなというのは認めます。)

それぞれの要素がそもそも強く、コンテンツ内容が薄くない・より魅力的なものになっています。

しつこいですが、このように事前にこの3つの要素がある程度しっかりしていると最終的な映像は良くなると言えます。


しかし、3つが完璧に揃うことは結構難しい…


はい、前置きが長くなりましたが、最初からここまで3つの要素がしっかり揃っているのは結構稀です。経験上、出会える可能性はそこまで高くないです。

ですが、前回のブログにちょっと書いたようにこの3つはお互いに補完しあえる関係で、どれか一つ飛び抜けているものがあれば、他が弱くても良いものになるという性質があります。


活字で書くより例をみてもらった方が分かりやすいので例を示します。

例:

外録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜さん



Peaceful Relaxation 4K さん

それぞれ全く異なる映像コンテンツで、どちらも魅力的な映像だと思います。

それらを解剖すると、

-外録chさん

カメラの画質は綺麗ですが、インタビューのみのものとなっていて、ビジュアル面は少し少ないのかなと感じます。

ただ、出てくるキャラクターとストーリーがどちらも圧倒的に飛び抜けているため、ビジュアル要素は強くなくても、映像コンテンツとしては総合的に良いものになっているのだと思います。

纏めるとキャラクターとストーリーがビジュアルの少なさをカバーできているのではないだろうか、ということです。

今回は外録Chさんを例にあげましたが、インタビューの映像は同じようにビジュアルよりも出てくる人(キャラクター)と何が話されるか(ストーリー/コンテンツ)に重きを置いて構成されていると思います。逆にインタビュー動画はストーリーが無かったりとキャラクターに認知度が無い場合は、総合的に良いものとはなりにくいかもしれません。


-Peaceful Relaxation 4K さん

一方こちらは映像は綺麗で見ていられるもの、はっきりとしたストーリーが無いものかつ、登場人物も出てきません。

ここまで説明すれば想像つくでしょうが、ストーリーやキャラクターが無くてもビジュアルがめっちゃ綺麗なので、映像コンテンツとしては総合的に良いものになっているのだと思います。

(一点声を大にしたいのですが、これはどちらが良い、ということも無く、あくまでも僕の視点での話なので、製作された方は別の考え方をされているかもしれません!)

3つ揃わない場合は 1つ光るものを見つける


あくまでも3つが全て揃っているのが理想ですが、そうでない場合は、3つのバランスを崩し何か光るものを見つけそれを活かせば、総合的に良いものにできると言えます。ここは映像ディレクターの腕の見せ所です。

活かす方法というのは、これはもう演出の話になってくるので、今回は書きません!笑

ビデオグラファー戦国時代。映像作るとなると、映像の綺麗さでゴリ押ししたものやフワッとしてて何が言いたいのか分からないものもよく見かけます。ですが、自分はやっぱり理屈がある程度あった方が、全体的に良いものになるんじゃないかと考えてます。

どういうカッコいい映像を撮れるか/スタイリッシュな編集をいれるか、についつい目が向きがちですが、3つもまず考えてみて欲しいなと思います。

ぜひ綺麗さやカッコ良さだけでない映像作りを目指して欲しいと思います!

もし自分の「表現」や「アートとしての映像」を追求したいのであれば、今回書いたことは当てはまらないかもしれないので、ぜひ自身の作りたいものと照らし合わせて見てみてください!

二回にわたり長文となりましたが、少しでも伝われば幸いです。

補足ですが、3つの要素、特にストーリーについては深掘り出来る内容なので、こちらもまた別で書きたいと考えています。


読んで頂き、ありがとうございました!

分かりやすかった、分かりにくかった、◯◯が知りたい、など感想教えてくださいね〜。

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