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【世界一周2カ国目】唐揚げ弁当2800円の街メルボルン

アラフォー夫婦の世界一周2カ国目はオーストラリア。渡航先はメルボルンというシドニーから南に飛行機で1時間半ほど下った都市。

バックパック旅で本来ならスキップすべき国だが、一つの目的を叶えるためだけに、この街にやってきた。

旦那Hiroの20年来の夢…

「オーストラリアオープンを会場で観戦すること」

旦那が作ったビジョンボードにも、テニスコートの写真が貼られていた。これは叶えてあげないといかん!

そんなわけで安くはないメルボルン行きのチケットを購入した。(台湾→メルボルン)

メルボルン空港に到着後すぐ市内へ移動するためのバスに乗る。このバスが30分くらいの移動だというのに1人24ドル(約2300円)。日本だったら羽田から新宿で1300円なので、やはりお高め。

メルボルンのダウンタウンに着いたらまずは、本日から2日間泊まる宿にチェックイン。

駅の目の前という最高の立地ではあるが、宿の前はホームレスの定位置になっていた
人が映らない写真を撮るのは一苦労だった。とにかく賑わうホステル

なかなか治安の悪そうな場所に位置したホステル「flinders backpackers」。ビルの中は一見良さげな宿だが、実際の宿泊体験はひどいものだった。

今までいろんなホステルに泊まっているが、こんなに宿泊者の多い宿は見たことがないという旦那氏。それだけ人がいて、11階まであるというのに2台あるエレベーターのひとつがずっと壊れていて、残された1台はフル回転。待てども待てども一生こないエレベーター。

まあ海外ではこんなことも日常茶飯事さ!と自分を納得させる。

今度はチェックインで問題発生。
できるだけ節約旅をするため、2泊のうち1泊はルームメイトがいる共有部屋を予約していた私たち。両腕Tatooだらけの姉ちゃんがチェックイン画面を見ながら「あれ?」という顔をしている。

数分後言われたのが、

「1泊目のプライベート部屋はいいけど、2泊目の共有部屋には泊まれへんよ。ここのホステルのポリシーで35歳以下は共有部屋使えないから!あんたらOldだからしゃーないな。ほんで当日キャンセルになるから返金もできまへん。」

とのこと。

ええーーーーー!!!!

予約確定のメールも届いてるのに。
「そんなルール設けてるホステル聞いたことねーよ!」と普段は仏の旦那もイライラ。
よく見ると予約画面に小さく「18歳〜35歳まで」と書かれており、それに気づけなかったと、さらに旦那氏はショックそう。

そこから次の日の宿をまた探し直す気力もなく、満足度ゼロのホステルのプライベート部屋をもう1泊延長することに。

部屋に入ると鉄パイプの二段ベッドが1台あるのみ。30度超えが当たり前のオーストラリアだが、エアコンは無し。この上級刑務所のようなホステルで1泊159ドル(約15000円)するので恐ろしい国だ。

気を取り直して、街散策に出てみた。1キロ歩いても、2キロ歩いても感じることはひとつ。

バンクーバーにそっくり!


バンクーバー出身の旦那と、そこで出会った私は、いちいち口ずさんでしまう。

「あ、ここはバンクーバーのグランビルストリートだね!」

「うわー、ここなんて49thアヴェニューの辺りそっくりじゃん!」

「こういう感じの人たちいたよねー」


まるでバンクーバーに戻ったかのよう。でも地図を見なくては目的地に辿り着けず、聞き慣れない英語のアクセント。よく知っていそうで、まったく知らない街に不思議な感覚を覚えた。

今回オーストラリアオープンのチケットを手配してくれた旦那氏の友人は、小学校の同級生とのことで、ともにバンクーバー出身。

25年ぶりに突然連絡して再会することになったらしい。こんなにも長い時をあけてもまだ旧友に会うことを可能にしてくれたSNSはすごい!

25年分の近況をアップデートしあい、話はテニスの話題に。

テニスのことは詳しくない私だが、それでもノバク・ジョコビッチくらいは知っている。過去10年ほどを最前線でリードしてきたトッププレイヤーなので。イケメンだし。

「そんなレジェンドの試合が観れたら幸せだな」とボヤいていた旦那氏だが、なんとまさに我らが勝っていた準々決勝のチケットでジョコビッチを観れることになった。しかも相手は世界ランク2位で、今乗りに乗っているカルロス・アルカラズ!

「最強のカードじゃねえか!!」

対戦カードを説明するとテニスに詳しい人、そうでもない人、いろんな人にそう言われた。そんな夢のマッチが偶然にも組まれてしまったため、私たちが160ドルで勝ったチケットは700ドルまで跳ね上がっていたらしい。

もう舞台は完璧に整っていた。
そして迎えた当日。

会場は入り口からすでにお祭りモード。試合を観なくても十分楽しめる。
浮かれモード絶頂の我ら

会場にはウォータースライダーがあったり、卓球やテニス、パドルといった球技を楽しめるスペースもあり、親子で盛り上がっている。

メンズの試合のことで頭がいっぱいになっていたが、当日はウィメンズの試合も観れるらしく、こちらもラッキーなことに世界ランクNo.1のアリーナ・サバレンカのマッチ。熱い!

テレビで見た光景!

サバレンカの圧勝と予想された試合だったが、予想に反してかなり苦戦。今大会初のフルセットまで持ち越し、なんとかサバレンカが勝利をおさめた。

我々のなかでメインゲームではなかったが、やはりライブで観る迫力は別格!

15分程度の休憩を挟んで、あっという間にその時は来た。

選手紹介のアナウンスが流れる。


まずはアルカラズのご登場。


何も知らない私はてっきり全員レジェンド選手のジョコビッチを観に来ていると思っていた。しかし会場の雰囲気から判断すると、半数ほどはアルカラズファンだった。

スペイン人のアルカラズを応援するファンの多くがスペイン人のようで、スペイン語で何かを叫んでいる。

スペイン語がわかる旦那氏になんと言っているのか聞くと、

「殺せー!」

と叫んでいるんだと教えてくれた。
さすがは情熱の国スペイン!応援が熱すぎる。

そしていよいよジョコビッチのお出まし!!
とんでもない戦歴を紹介されて登場する姿に、こんな私でも感動し、興奮した。

ジョコ様ーーーーーーー!!!!

もっとも遠い席だったけどいいんです!生で観れるだけで。
左:ジョコビッチ、右:アルカラズ


試合が始まり、若さ溢れるアルカラズがリードする展開に。見事なドロップショットが決まるごとに雄叫びのような歓声が沸き起こる。

私たちの目の前に座っていた女性は、上着を脱ぎ、長い髪をギュッと団子にまとめる。さらにカバンから出してきたスペイン国旗をまとい、完全戦闘体制。アルカラズのナイスプレーが出ると、「ヴァモース!カロリート!!」とドスをきかせて叫びまくるのだ。


とんでもない音量で、あまりにもなんども叫ぶもんで「ヴァモース、カロリート」だけは完全に覚えてしまった。
カロリートはカルロスの愛称で、「頑張れ!カルロス」という意味らしい。


ジョコビッチの状況は芳しくなく、しまいにはメディカルタイムアウト(医師のチェックみたいな時間)までとることに…。

棄権だけはやめてくれという願いが通じたのか、ジョコビッチがコートに戻ってくる。

ここからの快進撃がすごいのなんのって。

結果は3対1でジョコビッチの勝利!

肉眼で試合の最後まで見届けられたことに感動がおさまらない旦那氏。ゲームは約4時間半かかり、帰路に着く頃には深夜1時を回っていた。

普段ならとっくにベッドに入っている時間だが、この日ばかりは興奮で寝れそうにもなかった。

試合が終わって帰る頃にはこんな時間に!!
散々文句を言ってた宿だけど、会場から歩いて帰れる距離にあることに感謝。


私個人的な感想としては、
こんなテニス童貞の知識ゼロ人間がこんな素晴らしい試合を見てしまって…

ごめんなさい!

あるかないかわからない次回のために、もう少し学んでおきます。


ここまでがメルボルンの前半ストーリー。
現地でたくさんの人に助けてもらったことも書き留めておきたい。それはまた後半で。

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