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【本の紹介】自分の時間を取り戻す 時間管理大全(中島美鈴著)

今回は私が読んだ本「自分の時間をとりもどす 時間管理大全」を紹介します。
時間管理のつまづきポイントと解決策を提示してくれる本ですが、江戸時代の日時計を見て、時計のある今の私たちの生活について思うことを書いてみました。
皆さんのお役にたてれば嬉しいです。


どんな本?

この本を知ったきっかけはnoteクリエイターの「こどもと暮らす ゆき」さんの以下の投稿でした。

時間の使い方は、ほとんどの人が「課題」と思っているテーマではないでしょうか?

著者は臨床心理士であり、認知行動療法を専門とし、大人のADHD(注意欠如・多動症)の方々の「なぜか時間に間に合わない」「いつも先延ばしにしちゃう」「気づいたらこんな時間になっていた!」という悩みと向き合っておられるそうです。

ADHDの方々の悩みである時間管理の苦手な傾向は、どんな方でも当てはまるケースがあるとも語り、以下の3つの特徴があると言います。

時間管理が苦手な人の脳の特徴
①抑制制御(がまん)が苦手
②時間感覚が不正確
③報酬遅延勾配が急(ご褒美を待てる時間が短い)

なるほど、と思えるこの三つの特徴を踏まえて、
「スタート」「プラン」「モニタリング」「脱線防止」
の4つの時間管理のつまづきポイントを具体的にマンガで説明されて、その対応策について教えてくれる本です。

そして、対応策については、「あなたにぴったりのしくみ」がある、として、それぞれのつまづきポイントの事例で自分と似ている解決策を「質」ではなく「量」で見つけて、できそうなことを実行しましょう、というものです。

マンガでの説明なので、とても分かりやすく、何より共感しやすいポイントがうまく引き出されています。
その解決策には、自分でできるもの、家族の協力を得るものなど、さすが臨床心理士で認知行動療法に精通されておられるからこその視点だなぁ、と納得しました。

最後には「時間管理つまづきチェックテスト」があります。
ご自身の傾向に合わせた解決策も併せて提示されていますので、とても実用的に使えます。

また、著者自身も「時間管理」には大変苦労されていたという点も大きなポイントです。
スムーズに時間管理のできる人には書けないような視点も多々あります。

時間管理に悩む方は、ぜひ一度手にしていただきたい良書だと思います。

私の気づき

時間管理は永遠のテーマだなぁ、と思いながらこの本を読み終えました。
本を読んでいる途中で、長崎の出島に初めて行ったんです。
その時に見たのが「日時計」。太陽の動きで時間を知るための石で作られたオブジェのようなものでした。

長崎出島にある日時計 © 2020 出島 Dejima(長崎出島公式サイトより)

この日時計は、江戸時代に設置されたとの説明でした。
ということは、この時代の人の生活では、各自が時計を持っていなかった?と推測しました。
さらに、「何時ごろ」というのはわかるけれど、「何時何分」という分単位は意識していなかった?
と推測もできました。

その頃、時間はどんなふうに流れていたんだろうか?
今より、もっとゆっくり流れていたのだろうか?
そんなことを考えました。

今、私たちはスマホやパソコンのデジタル時計で時間を常に確認しています。
タイマー機能もあり、手元で時間が確認できる・計測できる生活を手に入れています。

便利になった反面、「1分が大切」という感覚になってきているような気がします。
江戸時代の人たちは「1分」をカウントすることができないから、他の手段で「●●が●●になったら」といった感覚で生活していたか、
もしくは、「1分」の重要性が必要ないような生活様式だったのかも?と思うと、
今の私たちは、「便利という豊かさ」を得た一方で、「時間感覚の豊かさ」が減少してしまったのかもしれないな、と思います。

とはいえ、江戸時代の人たちも「やること」「やらねばならぬこと」はあったでしょうから、それなりに時間も意識していたはず。(例えば、日が暮れてきたから、この仕事は急いで終わらせよう、とか)

ここから先は、各自の価値観の話になってくるのですが、
「1分」を大切にしなければならないほど、忙しい生活の中で
何が自分にとって大切なのだろうか?

そんなことを思い始めると、時間管理に取り組む意義のようなものが見えるかもしれません。
このような「意義」なら、時間感覚が豊かであったであろう、江戸時代の人々も同じテーマを持っていたように思えます。

著者は、誰しも時間管理における脳の苦手ポイントがある、と言っていました。
そのご自身の苦手ポイントを踏まえつつ、「自分にとって大事な事」を明確にしたうえで「今、すべきことは何だろうか?」という目標を持つと、さらにこの本のテクニックや考え方が活きてくると思います。

会社の仕事で「やらされ感」でやっている仕事があるならば、
「その仕事を自分が行う意義」に思いを寄せてみるのもいいかもしれませんね。

ご自身のターゲットにするポイントを明確にして、
そのうえで、時間管理に本気で取り組むこと、ゆったりした時間を楽しむこと、そんな分類ができるといいですよね。
そうすることで、江戸時代のような時間感覚の豊かさを感じ、個人の幸せにつながり、周りの人へも笑顔を向けることができるようになるんじゃないかなと思いました。

おすすめポイント

ご自身の傾向として以下の3つに心当たりがある方におススメです。
①抑制制御(がまん)が苦手
②時間感覚が不正確
③報酬遅延勾配が急(ご褒美を待てる時間が短い)

また、他者の時間管理が気になる管理職の方々にも、自分とは異なる苦手ポイントの人々の傾向と対策が分かるので、おすすめですよ。

読んでみて、何か一つ、できるところから始めてみてはどうでしょうか?


「時間管理の前に自分の大切なことが知りたい」と思われた方、
「部下の時間管理について悩んでいる」と思われた方、
私でよろしければ、壁打ちのお相手を
させていただきます。
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