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【先人の理論】欠けてる部分が気になる!ツァイガルニク効果
人は「欠けてる」部分が気になるものです。その心理的な理論「ツァイガルニク効果」について思うことを書いてみました。
みなさんのお役に立てると嬉しいです。
どんな理論?
先日、受講した講義で「人はなぜ欠点(短所)に注目するのか?」というテーマが取り上げられました。
その中で紹介されたのが、ツァイガルニク効果という心理学の概念です。
この理論は本来、未完了のタスクや中断された作業が人の記憶に強く残るという現象を説明するものですが、人間が「自分や他人の欠点」に目を向けやすい理由を考える上でも、十分に同じ感覚で頷けました。
ツァイガルニク効果は心理学者ブルーマ・ツァイガルニクの研究によって確立されました。この理論の本質は、「不完全なものに注意を向けてしまう」というものです。
たとえば、仕事中にやり残したタスクがあると、それが頭から離れず、モヤモヤした状態が続くことがあります。
同じように、人間関係や自己認識においても、「この人のこういうところが気になる」「自分のここがまだダメだ」といった欠点が意識に残りやすいというものです。
仕事や日常でツァイガルニク効果理論をうまく活用するためには、
欠点を単なる「短所」や「弱点」として捉えるのではなく、次のステップへの「可能性」として捉えることが重要です。
例えば、あえて「未完了の状態」を残すことで、次回作業をスムーズに進める仕組みになります。
たとえば、仕事の終わりに次の日の「やり残しリスト」を作ると、翌朝何から始めるべきかが明確にできる、といった仕組みが考えられます。
また、自分の弱点や短所に気づいたとき、それを「直すべき問題」と感じるのではなく、「成長するための課題」と考えると、モチベーションが高まります。
同様に、他者の欠点も「他者への貢献」として前向きに見る視点を持つと、関係性が悪化せず、良好な関係を維持することになります。
組織内なら、チーム内で足りないリソースや改善点を明確にし、それを解決するための具体的なアクションを話し合うことで、組織全体の成長につながります。
ツァイガルニク効果は、一見ネガティブに見える「欠けているもの」に対する関心を、ポジティブに変換するヒントを与えてくれます。
未完了のタスクも、自分や他人の欠点も、それを他責すれば気になるだけですが、自分自身の行動や成長のきっかけと捉えれば、大きな力に変わるのです。
私が思うこと
この理論に触れて、実はかなりホッとしました。
そのホッとした理由は
「欠点が気になるのは私だけではなく、人類みんな、そうなんだ。」
ということでした。
同時に、無理やりポジティブに考えることに常日頃から違和感を持っていた正体も「欠けているのが気になるのは、人間の自然な心理」というこの理論で、自分の中での整理がつきました。
自然な心理ならば、事実レベルでは、天気と同じ話になります。
今日は雨が降っているけれど、自分の力で晴れにすることはできない、そんな「変えることができない事実レベル」です。
となると、受け止め方を変えましょう、という話になります。
今日は雨だけれど、雨だからこそ楽しめることをやろう、そんなイメージですね。
ツァイガルニク効果の「欠点が気になる」では、自分の中で起こっているけれど、その欠点から生み出せるものを考えよう、といった感じです。
ただ、人間関係において、相手の欠点が気になるならば、そこから生み出せるものを考えよう、というのは、心理的にかなり難しいハードルに思えます。
もしかすると、「相手の欠点」と思っていることが、自分にとって「欠点」に見えるだけで、相手にしてみると「欠点」でもなんでもなく、「普通のこと」かもしれません。こういったことが難しいハードルになります。
この難しいハードルを乗り越えるには次のステップが有効になります。
Step1:この理論の「人間の自然な心理」は「自覚・理解しておく」。
Step2:欠けてる部分が気になる事態が現れたときに「これはそもそも欠けていると思っているけれど、本当にそうだろうか?」という疑問を持つ。
Step3:「確かに欠けている」という認識(相手の欠点ならば、相手もそう思っていたとか、もしくは、自分にとってかなり不都合がある)を確認する。
Step4:「その欠点から生み出せるものを考えよう」というステップに踏み出す。
いかがでしょうか?
仕事のタスクも、人間の欠点も上記のステップを経たうえで、ツァイガルニク効果を活用すると、仕事のタスクも整理されますし、人間の欠点も本当に気にするものに整理できるのではないでしょうか?
欠けているものの洪水で溺れないように、自分の本当に大切にしたいものを大事にしていきたいですね。
皆さんへの問いかけ
欠けているもの、途中のタスクなど、気になるものの洪水に遭遇していませんか?
「遭遇してます!溺れそうです」という状態ならば、それは「人間の自然な心理」であるという自覚をするところから始めてみませんか?
「自分の本当に大事にしたいものって何だろう?」と思われた方、
「親しい人の欠点ばかりが気になる」と思われた方、
私でよろしければ、壁打ちのお相手をさせていただきますよ。
以下のURLにて、ご相談を承ります。
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