【本の紹介】ダイアローグ(熊平美香著)
今回は私が読んだ本「ダイアローグ」を紹介します。
Kindle Unlimitedを購読されている方は、無料で読めますよ。
どんな本?
著者の熊平美香さんは、マクドナルドで人材開発に関わり、その後、ピーターセンゲの「学習する組織論」に基づくリーダーシップ、チームビルディング、組織開発を軸にコンサルティング活動をされています。
さらに、さまざまな大学や財団、公的委員会で精力的に活動されています。
私が彼女の存在を知ったのは、ベストセラーになった「リフレクション」という書籍でした。
私の所属する読書クラブで開催していた「年間アワード」に投稿させていただいた記事がありますので、良かったら覗いてみてくださいね。
今回の「ダイアローグ」は、上記の「リフレクション」の内容をふんだんに活用し、新たな価値や解決策などを生み出す「創造活動」の手段としての対話の実践方法を紹介されています。
対話の重要性について、納得感のある説明から入り、
第1章では、「対話の基礎力」をテーマとして、そもそも「対話とは?」ということと、「対話に参加するための基礎力」を分かりやすく指南してくれています。
第1章でのお話(対話のための基礎力)土台として、
第2章では「チームにおける対話」、
第3章では「多様性の中での対話」、
第4章では「創造性を高める対話」、
第5章では「厄介な問題解決のための対話」
と、誰もが直面するであろうと考えられる切り口で「リフレクション」を活用した「対話」の方法が書かれています。
思えば、私たちは「対話の方法」を子供のころから学ぶ機会は
ほとんどなかったな、と思います。
(大学で限られた学部で存在する感じですよね)
こうした書籍を通じて、誰もが対話の方法を学ぶことで、
よりよいコミュニケーションが築けるのではないか?と思いました。
私の気づき
「ダイアローグ」を日本語で訳すと、「対話」。
でも、それはただの「会話」とはちょっと違う。
「対話」には目的があるけれど、
「会話」には、目的がなくてもいい、そんなイメージでしょうか。
目的のある「対話」をするには、
自分の意見や主張を持ちながらも、まずは「相手の意見を聞く」ことが大事。
これは多くの人が理解していると思います。
でも、そこで「評価判断を保留する」ってことに意識が向くかどうか?
これがポイントだなと思いました。
評価判断を保留しないと、自分の枠の中に閉じこもってしまって、
発想も広がらないんだな、という気づきがありました。
そう思うと、この「評価判断の保留」がいかに大事か、もっと深く知りたくなって読み進めました。
ここでふと思ったのは、私が若いころに経験した「正解のある」時代と、
今の「想像力が求められる」時代の違い。
この違いが、今、対話が求められるようになった理由の一つなんだな、
と改めて感じました。
引用の中で、5つの手法が紹介されていますが、その中の一つに
「他者が捉えた事実に意識を向ける」というものがあります。
そこで書かれている
「自分が見ている問題は全体の一部に過ぎない」
という言葉に、なるほど、そこか!と感じました。
「正解のある時代」を経験してきた私は、その中で
「私が正しい、あなたが間違っている」=I'm OK, You're NG.
と
「私が間違っている、あなたが正しい」=I'm NG, You're OK.
もしくは、私の考えは「引っ込める」といった、
極端な二元論で考えがちでした。
でも、実際に目的のある対話するというシチュエーションでは、
「自分も一部正しいし、相手も一部正しい」という視点で、
柔軟に物事を見つつ、「全体を見よう」という意識で対話を
進めることが大事なんだなと気づかされました。
相手が「これが正しい」と言っても、自分の主張も、
結局は一部分に過ぎない。
「全体はどうなんだろうか?」という前提で対話することで、
評価判断もうまく保留できそうだなと思いました。
おすすめポイント
この本は、特に組織のリーダーや意思決定権を持っている方に
おすすめです。
「傾聴はできてもその先に進めない」という
悩みを持っている方にとっては、
「なるほど、こうやって話を聞いて対話を進めていくんだ!」という
新たな気づきがうまれると思います。
また、自分の意見をうまく伝えることができない
(理由は人それぞれだと思いますが)という方にも、
ぜひ読んでいただきたいなと思います。
自分の意見をうまく伝えるために、相手の意見をしっかり聞く。
そんな対話の手引きとして、この本は非常に役立つと思います。
「対話をすることで前に進みたいけれど難しそう」と思われた方、
「どうしても評価判断の保留が難しい」と思われた方、
対話に向けた行動を実現できるよう伴走させていただきます。
以下のURLにてご相談依頼してくださいね。
インテグリティ合同会社お問い合わせページ
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