立川 直樹, 森永 博志『「快楽」都市遊泳術―クラブシャングリラの予言 』(講談社プラスアルファ文庫、1998年)を読みました。

音楽、映画、演劇、食など都市文化を知り尽くした2人の放談を収録したもの。ちょうど私の大学生時代のことを語っており、とても懐かしかったです。北野武、ムッシュかまやつ、ユーミンが腹を割って話しているもすごい。こういうのを飲みながら聴けたら最高でしょうね。こういう人は憧れます。人生の楽しみが増える本です。

本書より…

T 雷蔵のような役者は、もう絶対に出てこないっていう話。
m 俺はやっぱり『ある殺し屋』だね、好きなのは。
T うん。
m 『ある殺し屋』って現代劇だけど、あの殺し屋のニヒルさを演じられる人は今いないだろうな。
T いない。
m そのとき雷蔵は何歳?
T 30代ですよ。それでね、時代劇が完璧にできて、しかも主演だったっていう役者は映画史上何人もいない。
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T オーソン・ウェルズの『市民ケーン』。これが凄い!!価値観が変わるぐらいの驚愕ショック。絶対に観たほうがいい。昔観た時に震えても、今だったら5回は震える。あんな映画を27歳で作っちゃたらおかしくなるよ、末路は。
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T 作家なんかもそうだけどさ、たとえば今みんな美化されちゃってるでしょ。前にも話したけど永井荷風なんて大不良じゃない。
M 腕に芸者の刺青いれてね。発禁本の王者だったし。
T それが『濹東綺譚』みたいな映画作っちゃまずいよ。

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