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がんをめぐる冒険

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アラフィフ、独身、職業:記者。 ある日、足の付け根に転移がんが見つかり、卵管がんがみつかる。 その後、2回の手術と1回の抗がん治療を経験。 抗がん治療で髪が一部残った経験から、少…
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2024年4月の記事一覧

がんをめぐる冒険ー1.0

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がんをめぐる冒険(6)ドクター探し

PETで左側の卵管と卵巣が光っているのでがんの可能性が高い。 ところが卵巣が腫れているでもなく、出血するでもない、内診してもわからない。 一般的には、子宮が腫れて下腹部がポッコリしてきたり(中年太りだと思っていたら筋腫やがんだったケース)、不正出血があったりするけれど、それもまた良いとは言えず。子宮は〝もの言わぬ臓器〟なので症状が出た時はかなり病気が進行していることが多いという厄介なところです。 婦人科の先生は 「良かったら大きな病院で診ていただくほうがいいかと思います。ご

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がんをめぐる冒険(5)がんの疑いカミングアウト

生検手術から2週間後、形成外科で言われたのは転移がんの疑い。 「生検の途中経過なので詳細はもう少しかかりますが、検査の方がコロナにかかってちょっと時間を要します」 えーっ! こんなアンチエイジング美容がメインの形成外科で、死に至る病の宣告はあまりにも不釣り合いで、深刻なのかどうなのかもわからないし、受け入れられません。 情報量が多すぎて、ぽかーんとするしかありませんでした。 原発がん(地震で言えば震源地)と転移がんは顔が違うらしく、まずは原発を探す必要があります。 そこでC

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がんをめぐる冒険(4)初めての手術

 手術をすれば医療保険の保険金がおりるので、ちょっとワクワクしながら、朝8時半に形成外科に向かうと、いつもの診察室のとなりの「処置室」。 手術感ゼロ。保健室で手当てしてもらうような感覚でした。 しこりの周辺に麻酔を打ち、メスで切ろうと皮を引っ張られるだけで痛い。「イー!!!」って顔になりながら悶えていたら、看護師さんが 「痛かったら痛いって言っていいんですよ」 と手を差し伸べてくれ、 「痛いっす……」 先生に必死で伝えました。 麻酔注射を足したのですが、しこりでなく、炎症を

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がんをめぐる冒険(3)がんのはじまり

最初に異変が起きたのは足の付け根にしこりができたことでした。 ダンスのストレッチでなんとなく触っていたら、しこりがあることに気づき、病院に行ったのが始まり。大きさは5センチくらい。うずらの卵より大きいけど、卵のSサイズほど大きくはない、といった感じ。外科に行き、レントゲンをとると特に問題なく、一応婦人科も受診させられたけど問題なし。 「でも気になりますよね?」 「はい……」 「とりますか?」 「はい……」  以前精巣がんの方の取材で「ある日気が付いたら睾丸が腫れてニワトリの

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がんをめぐる冒険(2)転移がんの発見

10年前、有名人の大病された体験を聞く連載を4年ほど担当していました。 元外務大臣の与謝野馨先生に取材した時、 数々のがんを経験したがんサバイバーの先生にどう質問しようかと考え 死を覚悟された方につらいことを思い出してもらいたくもないし、 ポジティブなインタビューにしたいと思って 「がんのギフトは何ですか?」 と聞きました。 すると先生は 「時間です」 と答えられました。 突然、脳梗塞や心臓発作で命を失うと、伝えるべきことの準備ができない。ある意味、目途が立つから逆算して準

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