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#ふるさと納税を考えよう

とてもご無沙汰しております、本保です。

年末にやり残しがないようにするのが、そう「ふるさと納税」ですね。

本日、前職でもあるふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」が「ふるさと納税を考えよう」という広告を出しました。

広告では競合他社がやらないような強烈なメッセージを掲げていて、改めてこの制度について考えさせられますね。

ふるさと納税をやめよう。
なんて言いたくないから、ふるさとチョイスは改めて、
ふるさとを応援する意義を伝えたい。
ふるさと納税を考えよう。

僕は、2017年にチョイスに入社してから約7年ふるさと納税に関わってますので、ふるさと納税に対していろいな想いがあります。

今回はこの「ふるさと納税を考えよう」広告から、自分なりのふるさと納税の想いや意見を綴りたいと思います。

ふるさと納税を考えることは、日本の未来を考えること

ズバリ、僕の中でふるさと納税を考えることはこの国の未来を考えることだと思います。

ふるさと納税の制度の理念の一つにこんなのがあります。

第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。
それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。

総務省『ふるさと納税理念』

思えば僕らは消費税や住民税とか所得税とか色んな税金を払ってると思うんですけど、そもそもその税金がなぜなんなのために払ってるのかって考えたことありますか?説明できますか?

僕はふるさと納税と関わるまで、そんなこと考えたこともなかったというか意識が低かったというか、関わりようがない「自分ごとにならないもの」という感覚でした。

でもふるさと納税と関わるようになり、多くの地域に行かせていただき、ふるさと納税の先で恩恵を受けている地域の人たちにも出会い、また「税金」に対してどんどん自分ごとになっていって、地域の地域財政を調べたり、税金の成り立ちや地方行政・国政の政治にも関心を持つようになりました。

ふるさと納税って、自分が住んでいる地域じゃないところに寄付(納税)することで、自分が支払う税金の一部をほかの地域で「こんな事業に充ててください」っていう、自分の税金に意思をもたせることができる制度なんですよ。ふるさと納税は選挙以外に民意を政策に反映できる仕組み、とも言えるんじゃないかなと思います。

だからふるさとチョイスは当時から、「あなたの意思をふるさとに」っていうキャッチコピーを使ってました。

自分のふるさと・粟島も過去2回、災害支援とGCFのふるさと納税で多大なる寄付をいただき地域としても全国の方々に多大なご支援をいただいたこともあります。

こういうのって、国から緊急支援で助成してもらったり、災害支援もらうっていうのと、「お金がもってる意味合い」が違うんですよね。

同じ100万円でも1人からもらう100万円と、100人から1万円ずつもらう100万円では意味が変わってくるように、ふるさと納税も同じだと思うんです。
こうやって、自分の税金の一部をゆかりのある地域の力に役立てる仕組みが本来のふるさと納税のあるべき姿だと思います。

そして、最終的にふるさと納税をすることによって、自分たちが支払っている税金がどこからどこにどのように流れていって、何に使われているのかを考えること、それ自体がこの国のことを考えることになることだと思います。ふるさと納税がそのきっかけになるべきだとも思ってます。

正解がないからこそ、問い続ける

しかし、今のふるさと納税の市場はどうでしょうか。ふるさとチョイスが今回の広告を出すにあたって、川村社長も制度の問題点をあげてます。

個人的に今のふるさと納税は、「税金が自由主義経済化して、寄付集めのための終わらないラットレースに乗っかってる」ような感じになっていないかなと危機感を持っています。
本来、税金は国民から集めて広く国民のために事業投資や福祉などにあてて分配されていくものでしたが、ふるさと納税は過度な返礼品競争や、それをこぞってステークホルダーが煽るため、本来の趣旨そのものが危ぶまれていると感じます。

この点の課題感についてはふるさと納税に仕事として関わる人はみんな一定の共通の課題認識があるのではないかと思うので割愛しますが、やはり制度について議論をすることは非常に重要なことだと思います。

日本の未来をつくることがふるさと納税でありたい

終わりになりましたが、僕はこの制度は課題があるとわかりつつも、良い制度だと思っているし、そういう制度でありたいと思っています。
もちろん、賛否両論が出てくるのは当たり前だし、賛否両論が出ること自体が問題ではないと思っています。

正しい部分もあれば、間違っている部分もある。
光があれば、闇がある。
全てを白か黒で色分けできるとは思えない。だって社会がそういうもんだから。

だからこそ我々国民が自問自答し続けることが大事なのではないかと思います。大切なのは、問いをたてて「自分なりに回答をだす」ということだと思います。批判ばかりではなく、自分で解を見出していくことが、今の日本人に必要なことではないかと思います。

ふるさと納税に関係のない人なんて誰一人いません。だってふるさと納税は税金で、税金は国民のためにあるのですから。

そして、誰かのふるさと納税が日本の未来をつくるための制度であってほしいという想いで、関係者として活動していきたいと思います。


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