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病後3年・残り3年

2024年8月、脳梗塞になって退院してから3年が経過した。
2021年8月23日が退院日だったのだが、何の意識もなく8月23日は過ぎてしまった。そのくらい、生活が元に戻っているということなのだろう。

自分の場合、梗塞部位が延髄であったため、思考や会話、動作に後遺症がなく、脳梗塞になったという話をしても、まず驚かれるのが常だ。

何度も書いているが、外見上はわからなくても、嚥下力の低下、右半身の温痛覚麻痺は残っているし、痛みもあり服薬もしている状態である。

つい先日、家人から、病後3年が経過していてほぼ元気なのに、意識が下向きであるとの指摘を受けた。まさにその通りで、無意識のうちにあまり無理しない、とか弱気になっているというような状態になっていて、それが「下向き」に見えるということになっているのだろう。

だが、もう3年も経つのだ。そろそろ「上向き」になってもいいのではないか、という指摘である。

入院中、リハビリ以外の時間がヒマだったので、入院日記を熱心に書いていた。入院中は時間があるので、普段あまり考えないことまで考えていたのだが、たまたま脳梗塞を発症した時期に仕事が多忙であったことと、モノが食べられなくなるという結構ヘビーな状況になってしまったことから、仕事なんかどうでもいいや、今後はとにかく健康に過ごしていこう、と強く心に誓ったのであった。

さらに自分としてはあまり興味のない仕事を担当していることもあって、管理職から降ろしてもらって、少しゆっくりと過ごしていきたいと思っていた。

しかし、3年後の今はどうであろう? 役職定年を延長されてまでして、相変わらずあまり興味のない仕事をしている。

そんな中、出向元の会社が実施しているセミナーに参加した。60歳の定年まで残り3年となった社員が対象であり、今後のキャリアプランについて考えるセミナーである。

病後アッという間に3年経過して、定年退職まで残り3年になっていたのであった。

そして残りの3年など、あっという間に経過してしまうであろう。やはりそろそろ「上向き」の姿勢になって、今後のキャリアプランを(ある程度真面目に)考えなければならないという気になってきた(この意識状態が継続するかどうかはわからないのが問題ではあるのだが…)。

幸い二人の子供の教育費も今年からかからなくなったし、そういう意味でもある程度自由度は増しているはずである。ただ、世間様が50代後半の資格もない人間の受け入れるという期待は持てない。

でも今の仕事の状態を継続していくのは、心に引っかかりもある。

セミナーで「キャリアの偶然性」ということを言っていた。なかなかいいところを突いている。でもキャリアの偶然性を引き寄せるためには、やはり最初の一歩を踏み出さなければならないだろう。

最近、SNSの友人が、早期退職をして新しいチャレンジを始めたという投稿を二つほど見たのだが、その時は「能力のある人はいいなぁ」、などと呑気に考えていた。

でもそういうことを言っている場合ではないのかも知れない、と思わされた病後3年・残り3年である。

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