期限切れフィルム
これまでフィルムでの撮影は、ほぼポジで行ってきたが、ここ数年はモノクロフィルムを使うようになっていた。今年は期限切れフィルムに少し縁があるようで、3月に後輩Afクンから、期限切れモノクロフィルムを2本頂いた。
共に1994年に期限が切れているもので、Plus-Xはまだ冷蔵庫に入っているが、ILFORD PANFの方は緊急事態宣言下、散歩しながら使用してみた。
いろいろ調べてみると10年経過で+1EVという条件で撮ればよいのではということになり、26年経過しているので+3EV、ISO50のフィルムなのでISO6くらいの設定で撮ってみることにした。これが思いのほか、よく写ったので大変驚いた。
↑ Leica M3, Carl Zeiss Jena Sonnar 1:1,5 f=5cm T, ILFORD PAN F(1994年6月期限切れのフィルムを+3EVで撮影)
緊急事態宣言も解除となり6月中旬から通常勤務に戻ると、今度は会社の同僚Kさんから、期限切れフィルムがあるのでいりますか?という話を頂き、4本頂くことになった。
期限が切れたのは、フジクローム100が2本とも1983年8月、コニカカラーGX100が1990年4月と7月…。1983年と言えば自分は高校1年生、1990年は社会人1年目、遥か昔だ…。
まず、コニカカラーGX100を使用してみることにした。7月に鉄塔武蔵野線を撮影しに行った時、ライカM6にフィルムを装填してISO6相当として撮影してみた。
ところが現像してみると、あがってきたネガには何にも写っておらず、一面黒橙色のネガが返ってきただけであった。モノクロがうまくいったのでカラーはどうかなと思っていたが、カラーバランスはおかしくても何か写っているのではないかと思っていたので、ガッカリであった。
サマーバカンス中の8/11、両親が市内にある近藤勇の墓所を見たいというので、墓所のある龍源寺とこれも行ったことがないという八王子市の武蔵陵墓地に車で行くことになった。この時にライカM6にフジクロームを装填して持参した。
ポジの期限切れフィルムには思い出があって、当時天体写真を撮影していた自分はフジクローム400をよく使用していた。一度期限を切らしてしまったフジクローム400を使用したことがあるのだが、現像してみると青色が緑になっていて、撮影した夕焼けはオレンジ色からグリーンに変化するグラデーションで写っていた。この時は期限が切れてせいぜい1年程度だったと思うのだが、今度は37年前に期限の切れたポジフィルムなので、前回のネガフィルムでの経験を考えると何かが写るとも思えなかったが、頂いた以上は撮影をしなければならない。
撮影はLeica M6, Voigtländer NOKTON classic 35mm F1.4 SC, +4EVで行った。
今週、現像があがってきた。
写ってはいた。でもこれって…。ものすごいかぶったフィルムにうっすら像が残っている感じ…、見ようによっては相当昔に撮影された写真のようにも見える。
焦点距離は異なるが、2枚目、3枚目、4枚目の写真の場所をデジカメ(Canon Powershot G5X)で撮影したものがこれ↓
もう1本フィルムは残っているけど、この写りになることがわかってしまうと、ちょっと使えないかなぁ…。
さすがに期限が切れて37年経過したフィルムを使う人は世の中にはあまりいないだろう。これは写っただけでも奇跡的なのかもしれない。
次はPlus-Xを使ってみよう。こちらは写りが期待できそうだ…。
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