古屋誠一写真展「第一章 妻 1978.2-1981.11」
2022年6月11日(土)、写大ギャラリーで始まった古屋誠一さんの写真展を見に行った。
古屋誠一さんは、小林紀晴さんの「メモワール 写真家・古屋誠一との二〇年」を読んで以来、心に引っかかる写真家で、写真集も1冊だが購入した。自殺した妻・クリスティーネの写真には、結構心を揺さぶるものがある。
先般、写大ギャラリーで古屋さんの写真展があるとの案内葉書が届いた。葉書のクリスティーネは、自分の持っている写真集にも掲載されているものだ。
展示されている写真は作家本人が1990年代にプリントしたものとのことで、これは万難を排して見に行かなければならないと思った…。写真集ではなく、プリントそのものを見たいと思っていたのだ…。
カメラをぶら下げて中野坂上から工芸大に向かう。前回来た時の帰り道で通った路地を行く。
到着すると誰もいない雰囲気である。
前回来た時と同様、入り口に女性が座っている。以前は誰もいなかったのだが、何か問題があったのかも知れない…。
客は誰もおらず、貸し切り状態であった。展示されている写真の多くは、写真集で見たものであったが、当然ながら写真集よりもプリントの方が階調は豊かで、クリスティーネとはどんな人であったのかという想像を掻き立てられた。
じっくりと写真を見た後、ギャラリー中央のテーブルで椅子に座り、コロナ対策のための用紙に氏名住所を記載し、ふっと顔を上げると、四方から大勢のクリスティーネが自分を見ていて、不思議な感覚に陥る。8月までやっているので、もう1度くらいは見に来たいと思う。11月には第二章も開催されるというので、非常に楽しみである。
帰りに駅近くのカフェに寄る。
プリンを食べながら、スマホで井の頭にある写真集専門店book obscuraのページをチェックしていると、一度見たいと思っていた田中長徳さんの写真集「ウィーン・ニューヨーク・新潟」が目に入った。先般の田中長徳さんとのお話しでこの写真集の話があったので、たまにチェックをしていたのだが、なかなか見つからなかった。
これは帰りに寄らねばならぬと思い、吉祥寺に向かった。
吉祥寺駅からは井の頭公園を抜けてbook obscuraに向かう。
池の水面は緑の藻のようなもので大変なことになっている。
雨が降りそうな天気のせいか、普通のボートは出しておらず、屋根付きの足漕ぎボートだけが悪天候にも関わらず、結構出ている。
歩いた路地は紫陽花が咲いていて、とても6月っぽくていい雰囲気だ。
写真集は無事に購入できた。状態がいいにもかかわらず、適切な価格で満足!
昨年の今頃は脳梗塞で入院していて絶望していたが、1年後にはなかなか充実した日を送ることができるようになってきた…(休日のみ)。
カメラ:EOS R, レンズ:Voigtländer COLOR-SKOPAR 20mm F3.5 SL II N ASPHERICAL