見出し画像

記録と表現

2024年11月9日(土)、11年前に知り合ったFB友達のNKNさんが写真展に作品を出展しているという情報を得て、半蔵門のギャラリーに行ってきた。
NKNさんとは11年前の会社の新任管理職研修で知り合った。その研修はグループ会社まで含めた新任管理職が集合して1泊2日で実施されたもので、翌日朝に提出を求められる課題を勤務時間外にやらなければならないという結構キツイ研修だったが、それでも夜には「懇親会」と称した軽い飲み会が開催された。
その懇親会での自己紹介で、「東京をモノクロで撮影している」と自分を紹介していた人物がNKNさんである。

NKNさんとはFBで友達になって、お互いの投稿についてコメントのやり取りをしたことはあったものの、研修以来会うことはなかった。
なので、今回は11年ぶりに確実にお会いできるチャンスだと思ったのである。

目的の写真展は、昭和のレンズをテーマにした写真展で、半蔵門にあるカメラ博物館隣のJCⅡクラブ25で開催されている。しかもNKNさんはスペシャルゲストとして迎えられている。

《写真光学研究会写真展》2024/11/6  第4回目の写真光学研究会の写真展が半蔵門のJCIIクラブ25で『昭和のレンズ』をテーマに開始です。ゲストを含めて6人。私も参加ですが、私の使用レンズは、ミノルタ(ソニー)MINOLTA AUTO...

Posted by 市川 泰憲 on Tuesday, November 5, 2024

せっかく出かけるので、半蔵門界隈でプリ活できないかと思い調べたのだがプリンを供するカフェは見つからず、乗り換え駅の九段下でプリ活し、千鳥ヶ淵を写真を撮りながら散歩して、半蔵門に向かうことにした。

千鳥ヶ淵緑道を散歩するのは数年ぶりであった。

九段会館

駐日英国大使館を撮影して、JCⅡクラブ25に向かった。何度か来たことのある建物で、会場は地下であった。

九段会館

会場には数人の来場者がいて、NKNさんは出展者の人と熱心に話をしていたので、挨拶は後にして作品を先に観ることにした。
たまたま最初に観ることになったのがNKNさんの作品であった。
全編モノクロで12点、いずれも丁寧に焼かれた(とこの時は思った)プリントであった。NKNさんの撮影した写真はSNSやブログで拝見してはいたが、やはりプリントされたものを観ると全く違う。非常に美しく存在感がある。やはり写真はプリントで観るべきだなぁと再認識しながら作品群を観て回った。

千鳥ヶ淵

会場内を一巡すると、NKNさんが自分の存在に気づいてくれた。11年ぶり2回目であるが、すぐに認識してくれたようだった。

cafe miel 

FBでお互いの状況というのはある程度把握しているところが会話のスタート地点になるので、11年間直接会っていないというのは、あまり大きな問題にはならない時代になっているのを感じた。

1本だけ紅葉

久しぶりの会話の中では、NKNさんの写真撮影に関する考え方や実践していること、今後の予定などをお聞きすることができた。自分のような適当に写真を撮影している人間にとっては、圧倒的な内容であった。

千鳥ヶ淵

写真を撮影する時の画角や焦点距離に関する話をしたのだが、基本的にはその日に撮影するレンズは1本だけ決めて、作品作りをしていくという。対象がその日に決めたレンズでは難しいと判断された場合は、潔く諦めてコーヒーを飲んで帰るという。
対して、自分はどうであろうか…。1本勝負をするときもあるが、数本レンズを持参して、対象物によってレンズを交換することが多い。潔くないのである。

千鳥ヶ淵

先日の旧根岸競馬場での撮影においても、全体を撮影することが必要と考え、四苦八苦していた。そしてNKNさんから控えめに指摘を受けたのである。
吉田さんが撮影しているのは記録であって表現ではないと…。対してNKNさんがしたいことは表現なのだと…。
自分でも薄々は気付いていたことであるが、あまりにその通りなので、心に刺さった。
もちろん記録を残すことも重要だけど…、というフォローの言葉はあった。

駐日英国大使館

NKNさんの作品の前に場所を変え、会話は続いた。直接全12点の写真について解説してくれたのだ。
12点のうち8点が50mm、4点が28mmで撮影されていた(同じ焦点距離でもメーカーの違うものが混在している)。そして昭和時代のレンズで撮影されているにもかかわらず、驚異的に写りがよいのであった…。
RAW現像の話、プリントの話など、とても書き尽くせないくらいの話をしてくれた。展示されていた作品はクォリティからして印画紙に焼いたものと思っていたのだが、何とプリンタで印刷したものだ聞いて驚愕した。デジタルで撮影したはずなのに…、とは思っていたが、プリンタも進歩しているのだろう。もちろん元データが素晴らしいというのが前提だろうが…。

特に50mmで撮影された作品においては、50mmで撮影したという感じの写真がある一方で、28mmで撮影されたのではないかという広がりのある写真、35mmで撮影したのではないかという感じの写真など、自由自在に使いこなしている感じがした。

この再会は、自分にとってとても刺激的な90分であった。これに影響されて、次からは焦点距離1本勝負で撮影に出かけて、敗退する自分が見えるようであった。

カメラ/レンズ:ライカM11-P /  SUMMICRON-M f2.0/35mm ASPH.

いいなと思ったら応援しよう!