22年目のライカM3
もともとライカというカメラをよく知らなかったし、興味もなかった。しかし1997年にサンフランシスコに旅行した時に、機内で読もうと思って買った田中長徳さんの「くさっても、ライカ」という本からすべてが始まった。
高校時代の後輩Afがすでにライカをはじめとしたクラシックカメラの世界に入っており、銀座や新宿の中古カメラ市を見に付き合ってもらった。いろいろ教えてもらったが、当時はクラカメブームでライカは非常に高価であり、子供が生まれたばかりの自分に買えるようなものではなかった。
↑ 2002/4 ライカM3, Elmar 50mm F2.8, Tri-X 三鷹市
ところが臨時収入があった。上場されたNTTドコモの株を買ったら、1日で100万円くらい儲かった(すぐに売らなければもっと儲かったのだが…)。そこで思い切ってM3ボディとElmar 50mm F2.8を銀座のスキヤカメラで購入した。1998年11月であった。
↑ 2006/7 ライカM3, Thambar 90mm F2.2, fortia 銀座
1955年製なので購入した時点で43歳であったが、今年で65歳になる。しかし見た目は65歳には見えないし、ファインダーもクリアで眼もやられていない。むしろ自分の眼の方が老眼でツラくなってきている。大きな故障もなく快調に稼働しているところがスゴイと思う。
↑ 2018/4 ライカM3, Summaron 35mm F2.8, Acros 清澄庭園
↑ 2019/8 ライカM3, Perar 17mm F4.5, Acros 新宿
2008年にM6を購入して以降、一時的にM3の出番が減ってしまった。やはりメーターが入っていると便利なのだ。でも年を取るに従い、またM3を引っ張り出してくるようになった。いろんな人が言っていることだが、特に50mmで撮る時はこれに勝るものはなく、クリアなファインダーで気持ちよく撮っている。
↑ 2020/5 ライカM3, Carl Zeiss Jena Sonnar 1:1,5 f=5cm T, ILFORD PAN F(1994年6月期限切れ +3EVで撮影), Acros 三鷹市
↑ 2020/5 ライカM3, Carl Zeiss Jena Sonnar 1:1,5 f=5cm T, ILFORD PAN F(1994年6月期限切れ +3EVで撮影), Acros 府中市
このカメラはおそらく自分より長生きするのだろう。自分の前に何人のユーザーがいたのか、そして自分の後に使ってくれる人がいるのだろうか。そういうことを考えることができるのもライカだからなのだが、家族は誰も理解してくれないようだ…。
謝辞:いつもいろいろなレンズを貸し出してくれる後輩のAfクンに感謝いたします。