視覚障害者が使うスクリーンリーダーに配慮した文章の書き方

この記事では、視覚障害者がパソコンやスマホで使う音声読み上げやスクリーンリーダーに配慮したメールや文章の書き方について、僕なりにポイントをまとめてみました。

なお、僕が普段使っている動作環境としては、iPhoneではVoiceOver、パソコンではNVDAというスクリーンリーダーを使っています。

では、早速一つずつ書いていきます。※ポイント8を2024年8月11日に追加しました。

1.
文の最後の句点「。」ごとに改行を入れる

一般に公開される記事などで一文ずつ改行が入るのは良くないので、あくまで視覚障害者向けのメールの場合でイメージしてください。メールで大事なことが書かれている場合に一段落が大きいと、耳と頭が追いつかないことがあります。もし一文ずつ改行が入っていると内容を丁寧に読むことができます。

2.
変なところで改行を入れない

ウェブの記事ではあまりありませんが、メールで文章のレイアウトを無理やり整えようとして、読点でも句点でもないところで改行が入っている文章をときどき芽にします。スクリーンリーダーは改行で読み上げを止めたり間をあけたりするので、変なところで改行が入っていると滅茶苦茶読みにくいです。

3.
文中にカッコ書きによる注釈を差し込まない

文中のカッコ書きによる注釈は、耳だけで読んでいると意識が散ってしまって意味を取りにくいです。耳だけで聞いていると、文章の途中に文章が入ってくるのがとても危機心地が悪いです。もし文章の途中で注釈を入れたくなったら、その一文の書き方を見直して、上手に一文で記述するか、2つの文に分けてください。

4.
読み方が2通りある漢字は使わない

例えば、「行って」は「おこなって」と「いって」の2つの読み方があります。基本的に「いって」と読まれるので、「おこなって」として使いたい場合は漢字を使わずにひらがなで書くか、別の表現を考えましょう。
他の例として、「辛い」は「からい」と「つらい」の2つの読み方があります。これは基本的に「からい」と読まれるので、「つらい」としたい場合はカタカナを使って「ツラい」と書くのが良いと思います。
他には、漢字が意図したように読まれないということが多々あります。例えば、「障害者」を「障がい者」と書くと「さわりがいしゃ」と読まれる場合があります。このあたりは実際にスクリーンリーダーで確認しないと見つけられないと思います。

5.
数字付きの箇条書きには改行を入れる

数字を付けて箇条書きにする場合、文頭の番号に改行を付けたほうが読み上げが区切られてわかりやすくなります。ちょうどこの文章のような感じです。例えばわかりにくい例としては、「2. 3つの注意点」のような文章のとき、数字が続くので少し混乱します。数字が続かなくても、箇条書きとしての数字がただの数なのか内容に含まれる数字7日一瞬戸惑います。

6.
指示語を使うときは気をつける

「こちら」や「それ」などの指示語が意味するところがわかりにくいことがあります。かといって、全く使わないのも不自由です。指示語を使うときは、読み返してみてわかりにくくなっていないか確認しましょう。もしくは、、多少冗長になってもかまわないので指示語を避けて明確に伝えましょう。

7.
単語の間に空白を入れない

例えば、「日程」という単語の間に全角スペースを入れて「日 程」とするのは避けましょう。間に空白が入ることで「ニッテイ」と読み上げられなくなります。もしウェブサイトで単語の間に空白を入れたい場合はCSSで表現しましょう。


8.
記号文字を並べて内容を区切るときは一つの記号で繰り返す

メルマガでは~や■などの記号で内容を区切ることがあります。このとき、次のように□を並べただけの1行は、「10シカク」と読み上げられます。
□□□□□□□□□□
一方で、□と△を交互に並べると、「シカク、サンカク、シカク、サンカク…」と順番に終わるまで読み上げられるので、とても煩わしいです。
□△□△□△□△□△□△
なので、署名欄など記号を並べて内容を区切りたい場合、見た目のデザインにこだわるよりも、シンプルに一つの記号を並べることをおすすめします

以上、8つのポイントについて書いてみました。

他にもコツは色々あると思いますので、あくまで参考としてください。もしここで書いたこと以外にもポイントがあるよという場合にはぜひコメントで教えてください。

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