この世界の月となることを目指してみることにした
この世界には気分が落ち込む理由はたくさん転がっているし、
自分は愛されていないと感じる仕掛けもたくさんあって、
しかもこの世界はそんな仕掛けにたやすく引っ掛かるようにできていたりする。
まるで、水が高いところから低いところに流れるように、
まるで、リンゴが木から落ちるように。
そんな仕掛けに引っ掛かっては這い上がり、
また引っ掛かっては傷を癒やし、
それを繰り返しながらもなんとか生きていく。
むしろ、生きることの本質は、這い上がることにあるのかもしれないと思うことさえある。
下を向くのは簡単なのに、
上を向くのは骨が折れ、
かと言って、下を向いたままでいたいわけではない自分もいるから面倒で、
いっそずっと落ち込んだままでもいいかもしれないと投げやりになることがある割に、
やっぱり這い上がって上を向いて生きたいという気持ちが自分の中に少しでもあることに気付いて、
密かにうれしくなったりする。
この世界にはたくさんの罠が仕掛けられている。
自分を責めてしまう罠。
自分は嫌われていると感じる罠。
自分は劣っていると感じる罠。
渡る世間は罠ばかり。
どれも罠であって現実ではないって、
そんな罠に惑わされるなって、
早く教えてほしかったな。
水が上がっていくには水蒸気になるための熱が必要で、
リンゴを持ち上げるのにも力が必要。
明るく前向きでいるために、
努力、勇気、習慣、心理学、哲学、運動、
そんなにたくさん必要なんて聞いてなかった。
前向きでいるって結構たいへんやん。
ちなみに、僕の口癖は「めんどくさい」だ。
リンゴは木から落ちるのに、
月は地球に落ちてこないって、
なんかずるくない?
なんかかっこよくない?
月が輝いているとき、、
月を見るため人は自然に顔を上げる。
僕は僕なりのやり方で、
この世界の月となることを目指してみることにした。
めんどくさいけど。