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のっぱらへでかけよう!vol.8

てるさんの野遊び子育ち日記
「northern style スロウ」vol.68 Summer 2021 掲載


 「オレ、カエル苦手…」そう言って私が捕まえたカエルに触れられずにいた6才の男の子。でも興味はあるらしく、他の子と一緒に網を持って池の周りでカエル探しをしていました。しばらくすると、彼の網に大きなカエルが入りました。どうするのかと見ていると、少しためらいながらも手で掴んでバケツに入れたのでした。そして満面の笑み。その後も他の子が別の遊びに移ってもずっと池に張り付き、何匹も捕まえて「オレ、やっぱりカエル好きだな〜」なんて言っていました。別な時には、物置の屋根からマットに飛び
降りる遊びをしていた時、屋根まで登ってはみたものの飛び降りることができずに「怖い」と言っていた7才の女の子。仲間がどんどん飛び降りていく横でしばらくマットを見下ろしていましたが、覚悟を決めたのか突然立ち上がり少しためらいつつ飛び降りました。着地後は涙目でしたが、「楽しい!」と言いながらその後は笑顔で何度も飛び降りていました。どちらも
困難な場面を「意欲」や「主体性」で乗り越えて楽しみに変えられた場面です。自分の力でできたからこそ、自分で決めてやってみたからこそそれが自信になり、その自信が次の体験へつながっていったのでした。
 一方でこんなこともありました。自然学校にあるボルダリングボードに興味を持ち「登りたーい!」と壁に挑んだ5才の男の子。初めは一人で「怖〜い」と言いながらも少し登っては降りたりを繰り返していました。途中からお母さんが加わり「右手は青を掴んで」「左足は黄色に掛けて」なんて熱心なアドバイスが始まりました。そのアドバイスで登り切ることはできましたが、急に気持ちが萎えてしまってその後は登るのを止めてしまいました。別な時には、川で魚捕りをしていた6才の男の子。しばらく頑張ってしましたが魚を捕れずにいました。すると側で見ていたお父さんが「ちょっと網を貸して!」と言って川に入り直ぐに魚を捕まえていまいました。その後は「お父さん、また捕って!」と言って彼は自分で捕ることはせず、ずっとお父さんに頼りっぱなし。結局お父さんが疲れて魚捕りを止めたら彼もそのまま止めてしまいました。どちらも親が手や口を出し過ぎてしまってこどもの意欲が萎えてしまったり、自分でやろうとする気持ちがなくなってしまったのでした。大人は、「うまくできた」「早くできた」などつい結果(成功)を求めがちで良かれと思ってこどもの体験に手や口を出してしまうのですが、私はこどもの体験はその結果はあまり重要ではないと考えています。成功しても失敗しても、自分でやろうと決めたことを時間がかかってもうまくいかなくても最後まで自力でやり切ったことの方が大事だからです。側にいる大人はこどものその時の気持ちに寄り添うことが大切で、それがあるとこどもは勇気づけられてまた挑戦を続けることができるのです。
 北海道は短い夏を迎えて、野遊びが楽しめる季節。この時期にぜひ親子で自然の中に出かけてみてください。自然の中はこども達の好奇心をかきたてる不思議で、面白そうで、常に新鮮な刺激でいっぱいなので直ぐに遊びだすはずです。そして、こどものやることにあれこれ口や手を出さずに、一緒に楽しんでみるのはいかがでしょう。きっとお子さんの新たな一面を発見できると思いますよ!


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