Ⅰ-#9 教育改善につなげるために
改善計画に組み込もう
前回までに説明してきたように、カリキュラム分析シートを活用してみることで、そのカリキュラムの日常あまり意識していない側面がよりはっきりと見えるようになり、また「形骸化」や「なし崩し化」がどの程度進行しているかも分析して、改善案も作成みることができるようになります。
けれども、適切に分析ができて改善案がつくられたからといって、それが実行に移されるとはかぎりません。改善案があったとしても、特に年度替わりのバタバタの中で、結局は前年踏襲のまま続けられていく、ことも筆者の経験では少なくありません。
公立学校のように人の入れ替わりのある組織で、分析を改善に繋げていく一つの鍵は、年度当初からの年次計画の中に見直しの機会をきちんと組み込んでおくことです。
そして改善案をつくったときにはその実行案まで作っておくことがオススメです。
改善プロセス自体を表出化させよう
もう一つのヒントは、そのようにしてカリキュラムを改善していくプロセス自体を表出化していくことで、カリキュラム改善に拍車をかけるという手もあります。
例えば校内研修や地区研究会等の機会、学校の紀要や論文等の場で、このシートを活用した改善プロセス自体を公表していくのです。
学校の研究発表会などに行くと、あるカリキュラムを実施し、「○○をやって効果が上がりました」とか「××という問題点がわかり△△の改良を加えました」といった報告を目にすることが出来ます。もちろんこれも大切なカリキュラム改善のための努力ではあるのですが、このシートを使うことで、活動全体を俯瞰した上でより体系的・計画的に改善を図っていくことができます。
学校は多忙で人は低きに流れるので、そのようにしてある程度枠をつくっていくことで、より日常的にカリキュラムの組織的改善ができるようになればベストです。
このカリキュラム分析シート、
そのうちシートの書式もダウンロードできるようにしますので、是非使ってみてください。