見出し画像

#4 「標準的対応」の罠

前回取り上げた学校再編の場合であれ、他の地域課題についてであれ、また市町村や教育委員会等の行政組織であれ自治体等の地域団体であれ、日本の社会組織や団体に深く根付いた習わしは、近隣地域でどんなことをしているかを調べてそれに倣って行動することだ。

通常は行政組織に大成功は期待されていないし、この方法が最も非難を浴びる可能性も少ない。

特に行政組織は周辺自治体の動きをいつも気にしながら、運営方針を定めて事業を展開するのが通例だ。確かに社会が登り調子である場合には、この方法は手堅いやり方と言えただろう。多少の差異はあっても、他の地域と同じように繁栄の果実を手にできる。

けれども現在はどうだろう?日本の多くの地域は、衰退を強めている感が否めない。そんな状況の下で標準的対応をするということは、確実に地域は衰退していく轍にはまっていくということだ。

だから本当に地域の繁栄を願うならば、多少唐突であっても、知恵をしぼってアイデアを出し試行錯誤をはじめるべきじゃないだろうか?

ではそのために必要なことは何か?もちろん多少の失敗に寛容になることだ。行政がお上と呼ばれて威張っていたのは昔の話。現在では行政は議会や市民からの突き上げにいつも戦々恐々としながら仕事しているのが実態だ。

場合にもよるが、くだらないことで行政を突き上げるような弱い者いじめをやめたら、きっと役所も今よりは創造的に仕事ができると思うのだが・・・。