見出し画像

#2 はじまりはインドから

発想の起源をさかのぼると今から25年ほども前のこと。
当時私はしばしばインド南部(アンドラプラデーシュ州)の村の中に住み込んで論文執筆のためのフィールドワークをしていた(ちなみに私の研究者人生はインドの教育研究からはじまった)。

当時のインドの村にはほとんどの家には水道がない。村の中に何カ所か設置されていた掘り抜き井戸から毎朝水を運んでくるのは、大体子ども達の仕事。毎朝の家と井戸の間を何往復かするので結構な労働だ。

写真にあるようにプラスチックのボトルに入れて運ぶのだが、家の中で保管するときにはかぎらない。すべての家ではないが、下の写真のようにの素焼きの壺に入れて保管する家が結構ある。

(ちなみに当時陶器を焼いて売ることができるのはクンマリという特定のカーストのみに許された仕事。他のカーストの人たちは参加することができない)

クンマリの友達一家、今ではfacebook仲間

どうしてわざわざ移し替えるのかと聞くと
「陶器の壺に入れておくと味も冷たさも全然違うんだよ」と教えてくれた。

実際口にしてみると確かにおいしいくて冷たい水になっている(インドの水は鉱物臭がしてあまりおいしくない)。

さて、陶器(素焼き)の壺が同じ水の味や温度を変えるのは、一体なぜだろう・・・?
(次回に続く)