【取締役×デザイナー対談】テラドローン、リブランディングのプロセス公開!グローバルコミュニケーションを意識したデザインの誕生に密着
みなさんこんにちは、テラドローン広報チームです。
テラドローンは、2023年3月7日、コーポレートロゴを含むコーポレートデザインの刷新を行いました。
なぜ今このタイミングでコーポレートデザインの刷新に踏み切ったのか、実際にどのようにして刷新プロジェクトを進めていったのか、そして完成したデザインのこだわりとは。
取締役の関とデザイナーを務めたYUTOさんに、そのプロセスの全容をお聞きしました。どうぞ最後までお付き合いください。
グローバル展開においてブランディングは欠かせない
ーーまずは、コーポレートデザインのリブランディングを考えた背景を教えてください。
関:前々からコーポレートデザインを刷新したいと考えていました。というのも、これまでM&Aでグローバルに規模を広げてきましたが、グループとしての統一感はあまり表現できておりません。今後、グローバルに事業を展開したり、IPOを見据えたりするうえで、コーポレートデザインの基礎をつくることは不可欠になると考えました。
ーーやはりグローバル展開において、デザインは重要なのでしょうか?
関:日本企業、とくにメーカーは「機能」を売りがちです。たとえば車メーカーだと、燃費の良さやスペックなどですね。一方で海外では、ライフスタイルを売る手法が根付いています。マーケティングやブランディングに力を入れていかなければ、グローバルでの成功はないと考えています。
ーー以前から必要性を認識していたのですね。では、なぜこのタイミングでコーポレートデザイン刷新に踏み切ったのでしょうか。
会社としても必要性を認識しており、早く変えたいという意見は多くありました。ただ、なかなか時間やリソースが確保できないし、一緒に共創できるようなデザイナーさんも見つけられなくて先延ばしになっていました。そんなときに出会ったのが、YUTOさんだったんです。
YUTO:私は高校卒業後に渡米して、デザインを学んだ後は、アニメーションスタジオでアートディレクターを勤めました。その後もフリーランスとして、さまざまな企業のブランド戦略に携わりました。そのうち、日本企業がブランディングで苦戦していることに課題感を抱き始め、2018年に帰国後は、ブランドマネジャーとしてデザイン戦略を広く手がけています。
関:コーポレートデザインの刷新において、英語の単語のニュアンスも含めて、グローバルコンテクストを理解できる人材を求めていました。YUTOさんのバックグラウンドは、テラドローンにとってぴったりでしたね。アラムコ(Wa'ed)の資金調達を終えてリソースが整ってきたタイミングで、同じ課題意識を持ち、センスの合うデザイナーと出会えたことで、リブランディングプロジェクトを開始することにしたのです。
新しいテラドローンのコーポレートデザイン、紹介します
ーーでは、実際に刷新したコーポレートデザインについて教えてください。
関:ロゴはこのように変更しました。
テラドローンは、テラモーターズという電動の二輪三輪の会社から始まっており、そこで生まれたロゴを使っていました。どことなく、車メーカーぽさを感じるかもしれません。
まるごとロゴを変えたり、テラドローンという会社名を入れたりする案もありましたが、私自身「ソニー」をブランドとして尊敬しているのもあって、この「テラ」というブランド自体を残していきたいという考えでまとまりました。
ただ、変えるべきところは変えなければいけません。もともと車メーカーとして作ったロゴだったため、当初は店舗を建てたときや車に飾る際の外観を意識して色合いを決めました。しかしテラドローンの場合、ロゴが目に入るのはWEBが中心です。よりビビッドなカラーの方が親しみやすいと考え、色合いを調整しました。
そのほか、推奨カラーやフォントなどのブランドガイドラインを設けました。
ーーこだわったポイントを教えてください。
関:リッチなデザインにしたことです。テラドローンのお客様は大手インフラ企業や政府関連が多く、色使いが派手でライトな感じがでると、ブランドとしての信頼感が薄れる可能性があります。そこで重厚感のあるデザインを意識しました。
逆にいえば、ブランドを確立するために、意図的に親しみやすさを消した形です。
ーーグローバル展開を重視しているとのことで、お客様先の国の特性なども考えたのでしょうか?
関:私たちはグローバル全体への進出を考えているため、ある国に依存するデザインにはしませんでした。むしろ、お客様がどう感じるか、を徹底して考え、そこから逆算して落とし込んだ形ですね。そこでできたのが、リッチで重厚感のある現在のコーポレートデザインです。
コーポレートデザイン刷新プロセス大公開!
ーーでは実際に、このリブランディングのプロジェクトはどのように進行したのでしょうか。
関:実はこのプロジェクトが始動したのは、2022年12月で非常に速いスピードでデザイン刷新に至りましたね。
YUTO:はじめてお会いしたとき、テラドローンの本気度を感じました。どの会社も「ブランディングが大事」と必ずいうんですよ。でも優先度を考えると後回しになるんです。しかしテラドローンは、熱量がすごくて。しかも、本来ならば1年くらいかけてやるレベルのプロジェクトをわずか2か月でやりたいという。本気度が伝わってきましたね。私のこれまでのキャリアでも、かなりアグレッシブな挑戦でしたね。
関:はじめは私の方から、テラの世界観について詳しくお伝えしたり、競合の会社のこと、近いイメージの会社など、すりあわせをすることから始めました。社内のプロジェクトメンバーは、私をはじめ、広報や開発、UIUXに携わるメンバーも参加しました。
YUTO:その後、ブランドガイドラインをつくるための要素、カラーやフォント、イメージ写真などを私から提案して、メンバーで議論しながら進めていきました。デザインというと、テラドローンが目指す方向性において何が良いかを考えていきました。
ーーお二人が一番大変だったポイントを教えてください。
YUTO:一番難しかったのは、キービジュアルです。テラドローンは、さまざまな事業を展開しており、ひとつのビジュアルで落とし込むのはなかなか難しいところがあります。たとえば「空」の絵にしても、「テラドローンはそれだけではないよね」となってしまうのです。ただ逆に抽象度が高くても、納得感がなくなってしまう。このバランスが難しかったですね。
関:それぞれの要素を選んでいくのは難しかったですからね。私たちが心がけていたのは、個人の好き嫌いではなく「テラらしいか」を判断の基準にすること。ロジカルに決めていきました。
驚くべきことに、メンバー間で意見が対立することはほとんどありませんでした。テラドローンではこれまでも世界観浸透を大事にしてきたので、その効果が出ていたのだと思います。
また、YUTOさんが共創メンバーとして、ディスカッションをうまく回しながら、テラを理解した視点で意見をくださったのも助かりましたね。
YUTO:すでにビジョンやミッションの言語化ができている分、議論が建設的に進みました。また、私がこれまであった失敗ケースとして、企業側がデザイナーに丸投げし、共創できなかったことがありました。実は私は大阪に住んでいて、一度顔を合わせただけでそれ以外はオンラインですべて進行しましたが、メンバーの一員として参画できたため、まったく問題ありませんでした。テラドローン側の強い意識があったからこそ、この成果を打ち出せたと思います。
テラドローンはグローバル展開に向けて邁進していきます
ーー最後に今後の展望を教えてください。
関:無事デザイン刷新ができましたが、これは終わりではなくはじまりです。これからは、いかにこのデザインを浸透させていくかが鍵です。グループ会社とも連携しつつ、テラブランドを確立させたいですね。また、このデザインをもとに、Webサイトを刷新する予定です。
YUTO:私自身、これからブランド浸透にも携わっていきます。関さんのおっしゃるとおり、これからが一番大事なフェーズです。テラドローンとしてのブランドが確立して認知されるよう、これからも励んでいきます。
関:昨年までは、守りの姿勢で内部統制を進めてきました。2023年は、グローバルに向けた攻めのアプローチを加速させていきます。グローバル展開において、このデザインがきっと役に立つはずです。大きな武器を手に、「空から、世界を進化させる」ミッションの実現に向けて前進して参ります。
ーー本日はありがとうございました!