ドイツ@Sars-CoV-2 コロナウィルスアップデート(112)  2022/3/15(和訳)

フランクフルト大学病院 ウィルス学教授、サンドラ・チーゼック
聞き手 ベーケ・シュールマン

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ウクライナ情勢により、コロナウィルスがニュースの一面に出て来なくなっても、パンデミックが終わったわけではありません。悪いニュースが続く中、また地域によっては感染者数が増えてきています。数日間続けて下降傾向にあったのにもかかわらず、です。25000人の新規感染者、発生指数もまた記録を更新しました。ロベルト・コッホ研究所の発表によると、 現在1585です。私たちはいつのまにか、このような高い数値に慣れてきてしまっているような気がしてなりません。危機感も薄れて、感染防止対策の緩和ばかりに目がいっているのではないでしょうか。発生指数が最高新記録に達しているタイミングでの緩和、ということはあり得るのか。落ち着いた夏は望めるのか。オミクロンの亜種、BA2の影響はどうなのか。それらについて、フランクフルト大学病院、医療ウィルス学教授、サンドラ・チーゼック先生にお伺いします。

発生指数は数日間下がってはいましたが、感染の波が破られたわけではありませんでした。それにも関わらず緩和がされています。新規感染者数は増加し、7日間の平均発生指数は最高値に達していますが、その理由などについてみていきたく思います。この新規感染にはどのような背景があるのでしょうか? 例えば、ノルトライン=ウェストファレン州やラインラント=ファルツ州などでは、カーニバルのお祭りが原因の一つですが、それだけではないと思いますし、他のほとんどカーニバルを祝わない州でも数は増加しています。

そうですね。ここまで感染者が増えたことはいままでありませんでした。誰もがどんどん迫ってくる危機を感じていると思います。少し大袈裟かもしれませんが、「自分の周りで陽性になったことがない人はいない」という人も多くいます。興味深いところは、私の研究所では少し状況が違う、ということです。所内での感染ケースは大変稀です。多分、日々ウィルスと接している職業柄、より一層注意深く行動しているからではないか、と思うのですが、現状の原因は3つある、と私は考えます。まず一つ目は、 BA.2の割合が高くなってきている、ということ。つまり、この変異株が多くなってきています。より優勢となってきて、こちらのほうがBA.1よりも感染力が高い、ということはわかっていることです。BA.1と同じように、予防接種をしていても、ブースター接種をしていても感染しますので、まずはこれが高い感染者数の原因として挙げられます。2つ目には、行動様式です。先ほど出たように、お祭りやパーティの機会が増えています。1週間、2週間前に遡ると、カーニバルでした。私の知人や同僚のなかには直接カーニバルに参加したひとはいなかったものの、それでも、私の友人から聞いた話によると、彼女は偶然カーニバルの時期にケルン市内で誕生会に呼ばれていたそうで、レストランや居酒屋はものすごく混んで密だった、と。もちろん、パンデミック渦でそのようなシチュエーションになることは危険です。感染が起こらないはずがありません。3つ目の理由は、パンデミックの恐怖感が、別の事、、例えば、別の世界情勢、戦争であったり、、そのようなことで薄れている、ということが挙げられると思います。別の危機が現れることによってそこまで危機感を感じなくなる。そこまで深刻に考えなくなるのだと思います。

これまでにも、人々が危機感を感じ「これは大変だ」と認識した際の効果、というものはありました。先ほども仰っていたように、私の知人友人の間でも感染者が増えていますが、以前は「感染防止対策を守る、というよりも、自分たちを感染から守る為に自主的に接触を減らそう」という意思を持つ人が多かったと思うのですが、最近は少ないあまりいないと思うのです。つまり、体感としての危機感が極端に少なくなった、もしくはなくなってしまった、という感じです。

そうですね。貸方のほうをみてみると、重症化を防ぐワクチンがあり、効果がある抗ウィルス剤があります。パクスロビドが使えるようになりましたし、このようなことが恐怖を削減したことは確かでしょう。とはいっても、全くリスクがなくなったわけではありません。特に高齢者や免疫に問題がある人たち、そして基礎疾患を抱える人たちにおいてはこれだけでは十分ではありませんから、引き続き注意が必要なのです。全体的にみると、パンデミックの流れがどれだけ激しいものなのか、ということが明らかだと思います。ウィルスは変化し続け、ラボでの変異株の調査と分析もなかなか追いつかないくらいです。ラボで作業をしていると、まるで変異株をあとから追いかけるだけにこの12ヶ月の時間を費やしてきたようにも思えます。ここ数ヶ月間、感染が落ち着いたことはありません。感染者数は高く、オミクロンでパンデミックが終わる、と思っている人もいるかと思いますが、そんなことはないことは、毎日の死者数をみれば明らかです。私が受ける印象は、もうただ受け入れるしかない、と思っている人が多いのだろう、ということです。しかし、良い面をみれば、治療薬もあり、ワクチンもあり、このウィルスと闘う術を私たちはもっています。これをもってパンデミックの勢いを抑えることは可能です。

デンマークの状況から少し希望が持てるかもしれません。デンマークでは現在、ほとんどBA.2による感染ですが、この亜種から新しい感染の爆発は起こっていません。感染は削減傾向にあり、感染防止対策が解除されたのにも関わらず、です。これは希望である、とみてよいのでしょうか?

判断が難しいところですね。私は、ドイツではまた数は増えてくる、と思っていて、それは、デンマークがパンデミック的に数歩先を行っているからです。勿論、多数大勢の人が感染すれば、ある時点でまた感染者数が下がってくるのは当然です。季節的なものもありますしから、私は春がはやくやってきてウィルスの増殖が抑えられるといいな、と思っています。

ドイツでは、まだハイリスクの層が危険に晒されています。例えば、ここ数週間では60歳以上の感染が増えました。これから60代以上の感染が増えるとともに集中治療への負担も増す、と思われますか?

そうならないことを祈ります。予防接種をしている率も高いですし、この年齢層でも感染回復者も多い上に、武器となるものもありますから、、例えば、モノクロナール抗体であったり、パクスロビドなどで重症化を阻止することが可能です。さら季節的な影響で感染者数が減ってくれることを願っています。ここ2年間では、春に気温が上がるにつれて感染のリスクも下がりました。屋外に出る機会が増えるからです。しかし、だからといって状況が完全に落ち着くか、というとそうではありません。地域によっては医療の逼迫が起こるところも出てくるでしょう。例えば、どこかの年齢層でスーパースプレッダーイベントなどが起こった場合。感染防止対策を解除した後には、マスクの着用義務もなくなり、高齢者での大きな集会も可能になりますから、特にウィルスの循環が激しい場合には高齢者の層を守ることを考えていかなければいけません。そして、この年齢層の免疫の穴を埋めていく必要があります。病院にそこまで負担がかかっていない、とはいっても、まだ毎日200人が死亡しているわけです。毎日、200人、というのは個人的には単純に多すぎますし、これを「軽い」「問題ない」とすることはできません。

先ほど、免疫の穴を埋める、とおっしゃいましたが、大きな期待がワクチン、ノババックスに寄せられていました。2月末からドイツでも接種可能になり、政治的にもワクチン未接種者への接種手段として、接種率が大きく上がるだろうと期待されていたところです。「ゲームチェンジャー」とも呼ばれたのは、いままでワクチンを打つことを拒否していた人たちは、基本的にはmRNAワクチンを打ちたくない、ということでしたので、このノババックスのようなタンパク質ベースのワクチンでは接種をするのではないか、と。ワクチン未接種者で行ったアンケートでも、タンパク質ベースのワクチンであれば接種する、と回答した人も多かったのです。しかし、この希望も砕け散りました。ほとんど、このワクチンを希望する人はいません。ラウタバッハ保健相も、ノババックスワクチンは成功とは言えない、としています。先生は、ここまで希望者が少ない、と想定されていましたか?それとも、驚きの結果でしたか?

驚きはしませんでした。相談を受けたり、話をしたりした場合に、2つのおおまかなグループに分けることができると思ったのですが、1つには、かなり前からノババックスを待っていた人たち。mRNAワクチンに批判的だった人たちです。この人たちのなかには、感染拡大は激しかった時、デルタでの感染流行が酷かった際に、ワクチンを打つ、という選択をした人も多かったのです。mRNAワクチンか、ジョンソン&ジョンソンで、です。これ以上待てない、というところからの選択です。何億、という人たちが予防接種をしているのをみて、やはり自分たちも接種しよう、と決断したわけです。このグループの規模がどのくらいなのか、ということはわかりません。しかし、存在することは確かです。そして、勿論もう一つのグループ、こちらは根本的にワクチンへの論拠が通じない人たちです。つまり、根本的に反ワクチン、ということです。この人たちにはワクチンを打つかどうか、という選択肢は存在しません。基本的に打ちたくないのですから。この場合には、ワクチンの種類などは関係なく、自主的にワクチンを打つ方向には向けることができないのです。まとめると、、ノババックスがもう少しはやく使えるようになっていれば、もう少し多くの人がノババックスを選んだであろう、と思われます。タイミング的に単純に遅すぎました。ノババックスを待っていた人たちはすでにワクチンを打ってしまっていたからです。

全体的にはワクチンの接種を希望する人の割合は減ってきています。これは、多くの人が感染した、感染しているから、ということにも関係があるのでしょうか?というのも、感染の直後にはワクチンを打つことはできませんので。

そのような理由もあることにはあるでしょう。しかし、主な理由としては、ワクチンを打つ決断をした人たちはもうとっくに打っている、ということです。ですから、今の時点はほとんどもういない。これから特定の領域でのワクチン義務が導入されますが、例えば、医学生などでは私も個人的にみていることは、ほとんどの学生がワクチン接種済みか感染回復者です。ワクチンを打つ機会がなかった、という人はほとんどいない、というのが現状です。

良いニュースがあるならば、、ノババックスは冷蔵庫で9ヶ月保存できる、ということです。今すぐに使われなくても破棄しなくても良い、ということです。 今、感染防止対策の解除が検討されています。3月19日に解除、という予定でしたが、感染者数が高いために、行動制限は引き続きされることになりそうですが、どのような範囲でのものになるのか、というところはまだ議論が続いているところです。どのような順序での緩和、解除しても良い、と思われる対策は何でしょうか?

対策、というものは常に、現状、循環するウィルスをみながら検討され調整されていくべきものだと思いますし、私は、全ての対策を解除する、ということは間違っている、と考えます。現状をみても、感染者、そして死亡者の数、増加速度をみても賢い選択だとは言い難いです。単純に安定していない状況だ、ということなのです。何月何日、という日にちを決めたりするなど、そんなことはウィルスにとってはどうでも良い話です。これは最近読んだのですが「私たちがウィルスとは終わった、と思っていたとしても、ウィルスはまだ私たちとは終わっていない」と。ちょっと、乱暴な言い方かもしれませんが、その通りだと思います。 例えば、マスクをとってもそうです。マスクというものほど取り扱いやすく、誰もが持っているものはありません。今、BA.2という新しい変異株によって感染が増えてきているなか、それを手放す理由はないのです。私は、感染予防はマスクによって行うことができ、重症化はワクチンによって阻止することができる、と考えます。確かに、ワクチンは誰もが打てるように体制が整っています。しかし、室内でのマスクの着用を、この感染が激しく起こっているシチュエーションでなくする、ということは、ハイリスクの人たちの行動範囲は著しく制約するものである、ということ。そうなれば、このようなハイリスクの人たちは、安心して日常を過ごすことができなくなります。というのも、お互いがマスクをしているほうが勿論好ましいからです。このような人たちが犠牲者、となるのです。抗がん治療中であるとか、薬を服用中であるとか、例えばリウマチ患者など、その数は決して少なくありません。そのような人たちは隔離されて暮らしているわけではなくて、私たちと一緒に生活しています。もう何度もその話はしてきましたが、もし、一人でも多くの命を守ることができるのであれば、、勿論、少し大げさな言い方かもしれませんが、、誰かが重症になるのを阻止することができるのであれば、、私は今後も進んでマスクをスーパーのなかでもつけ続けます。単純に、(それをやめる、ということは)意味がないことなのです。外来診療の際のマスクの義務も解除される、と聞きました。これも今のシチュエーション的には良い案とは言えません。吟味していくべきところは、今の感染状況はどうなのか。増加速度はどうか。死亡者数はどうなのか、という点であって、全てを解除する、というのは間違いです。もし、本当に全て解除されることになっても、ハイリスクの人たちへの配慮として引き続き対策をとる人が多いことも願います。

それと同時に大きな討論となっていることは、この緩和と解除、所謂、イギリスで行われたような対策の全面解除を意味する「フリーダムデー」を求める声も強まっていて、例外的な展開になるだろう、と憶測している人も多いです。先ほどもおっしゃっていたような、夏になると収まるだろう、という期待、です。 様々な専門家の見解を読んだのですが、今、大きな緩和をして感染防止対策をしなくなったとしたら、季節的な効果は起こらない、と。そして、夏に感染流行が起こる、ということですが、先生はどうお考えでしょうか?夏に感染者が減らずに落ち着かない状態が続く、という可能性はどのくらいありますか?

政治家、という対策の責任者がその点の忠告をしている、というところ自体が変な話だ、と感じます。夏の感染の波を警告すると同時にマスクの着用の解除というような夏の感染を促すことをする、ということはありえません。ここが私が感じる矛盾点であって、責任者のポジションにある人たちが分裂しているように感じる点です。政治家としてこのようなリスクを認識したならば行動に移すべきです。新しい感染防止条例にしても、各州に決定権を委ねることが果たして良いのかどうか。それが良い影響を与えない、ということは今までのパンデミック渦でもわかったことだと思います。州境をまたげば別の規定、という状況は国民の混乱を招くだけです。大変難しいと思います。先ほどの質問に戻りますが、まずは、夏の感染の波、というものが何を意味するのか。定義からはっきりさせる必要があります。これから数週間、BA.2の増加と共に感染者数は増えていくと思われますが、全体の逼迫には繋がらないでしょう。夏に感染の波が来るかどうか、というのは、これはBA.2とは関係なく、また新たな懸念される変異株VOCが出てくるかどうか、というところできまるでしょう。そうなるかどうか、私にはわかりませんし、誰にもわからないことです。わからないことなのですが、季節的な効果があることと、人々が注意深く行動してくれること、屋外に滞在してくれることを願います。去年の夏との違いは単純に、今、より感染力が増したウィルスが循環している、ということ。それまでの変異株に対してワクチンの効果が低い、という点です。それによって、暖かい季節になっても感染者数は高く持続することが予測されます。どのくらいか、ということはその時にならないとわかりませんが。緩和に対する期待は、勿論心理的にも当然な欲求だと思います。しかし、感染者が多くなると共に発生するリスク、というものも当然あります。どこまでが妥協点なのか。それは政治が決めていくことです。リスクが高くなればその都度対処していかなければいけません。

これから何をやめていくのか、というところばかりに焦点があてられていますが、パンデミックに対してこれから何をしていけばよいのでしょうか?何かできることはありますか?

できることはたくさんあると思いますが、もう何も聞きたくない、という人が多いところに憤りを感じているところです。私には、もう誰もパンデミックのことは考えたくない、というようにもみえます。検査があって、AHALルールがあって、ワクチンがあって、いくつか治療薬があって、、しかし、まだまだ術はありますし、まだまだ改善していくべきところはあるのです。基本的に何をするべきなのか。パンデミックになって3年目です。そのなかで2つのファクターが特に危機に晒されていると感じます。まずは、人々のパンデミック疲れ、が挙げられるでしょう。制約のなかで過ごしたり、防止対策をするのが嫌になってしまっているわけです。それと同時に、変化し続けるウィルスが出るたびにウィルス学的にもその都度適応していく必要があります。これから出てくる変異株がどのようなものなのか。変異株というのは、一番新しい変異株が変化していく、つまり順序よく変わっていくわけではなくて、常に原型のウィルスから発生するものだからです。ですから、新しい変異株の脅威はありますし、免疫の削減も問題です。つまり、大多数が予防接種をし免疫を獲得していますが、これが安定して持続しない、ということ。どんどん少なくなっていきますが、まだ十分な経験値がここにはありません。勿論、研究していかなければいけないところです。予防接種や感染によって全体の免疫が上がることは、死者数が減り、重症患者が減るチャンスです。ここで何をすることができるのか。私的には大変多くのことができる、と考えます。アメリカの研究者もこの点の考察をしていますが、例えば、明確な目標、つまり、死亡者数であったり、許容範囲内の致死率の設定すること。激しいインフルエンザの流行では許容範囲内の死亡者数は100万人あたりで0,5人です。ドイツにおきかえると、1日で40人、という計算になりますが、このアメリカの数値で考えるとこの数が通常の状態、ということになります。現時点ではそこからは程遠い状態です。酷いインフルエンザ流行時とくらべると、どちらかといえば1日で60人、70人くらいでしょうか。このようにまずは定義を決める、というのもあながち間違ってはいない、と思います。勿論、社会合意的に、何が許容範囲なのか、ということもあるでしょう。そして、明確な推奨、このような対策が必要な理由を明らかにし、それを一律にする必要がありますし、治療方法の推奨もここに含まれます。この点においては、医療においてもしばしば困難な状況になることもみてきていますから、例えば、患者にはパクスロビドを使うのか、モノクロナール抗体なのか。この辺りも改善の余地はありますし、患者も自らアクティブになり広範囲にわたって使えるようになるべきです。そのためには、もっとより良いサーベイランスと感染の監視が必要です。つまり、イギリスで行われているような感染調査ですが、まだその体制も整っている、とは言えないのです。さらに、収入に関係なく、今後も検査が提供されていくべきです。お金がないから、といって、検査できない、というようなことはあってはなりません。室内の空気洗浄システムももっと良くなるべきですし、試みている場所はいくかありますが、これもきちんと組織的にされなければいけません。学校の空調システムもまだまだだ、と感じます。

いまだに整っていませんよね。

そうです。そして、新しい治療薬の開発も重要です。今の時点でいくつかあるものの、まだまだ完璧なものとは程遠いです。学校の成績で言うと、、そうですね、5段階で3とか2とか、、どちらかといえば2に近いでしょうか。そして、このような治療薬を使うこと自体が難しくあってはなりません。ワクチンの開発もそうです。コロナウィルスに広範囲に効く粘膜の保護効果があるものが必要ですし、世界規模でもっと平等にワクチンが行き渡る必要もあります。いまだにアフリカにはそのような穴があります。このパンデミックでさらに広がった社会的な不平等もなくしていかなければいけません。例えば、検査や治療薬においても、です。もっともっときちんと説明が行き届かなければいけません。これは保険医療として重要なことだと思うのですが、正直なところ、十分に行われているようには私は思えません。今後も Covidは私たちの生活の一部になっていく、ということ、そして感染流行が定期的に起こる、ということを自覚するべきです。保健医療の改善、病院でももっとたくさんの介護スタッフが必要です。月給を上げるにはどうするべきなのか、保険料金、大学の補助金、労働環境の改善。そして、デジタル化も忘れてはいけません。それによって作業過程を簡易化したり、少ない人数で効率よく作業ができるようになるかもしれません。緊急事態には柔軟性のある介護スタッフの要員が必要になるでしょう。どこか逼迫した分野に動員できるように、です。さらに、全体的な情報提供の改善と、煽るような噂やフェイクニュースの取り締まりを厳しくすること。最後にまた学校を出しますが、学校ももっともっと改善されいかなければいけません。空調のほかにも出来ることはあって、ヘッセン州では例えば、コロナとは関係なく、スクールナース、つまり、学校看護師、という制度があります。私は全ての学校につくるべきだと思っていて、相談窓口、として保健衛生の講義を受け持つ役割もします。子供を持つ母親として、理解ができないことは、これはコロナだから、というわけではなく、基本的にどうして病欠の子供が自宅からオンライン授業を受けることができないのか、ということです。足を骨折して3週間、4週間自宅療養になる子供だっているでしょうから、そのような場合にどの学年でもオンラインで授業に参加することができるようにならないのはどうしてでしょうか?これは地方の市レベルや州レベルで決められていくべきことではなくて、国がするべきことだと思っています。残念ながら、目新しいテーマ以外は忘れ去られてしまうか、無視される傾向にあると思うのです。しかし、やらなければいけないことはたくさんあります。今あげたのはそのなかのほんの一部分です。

本当にまだまだ出来ることはたくさんあると思います。さらに、今、何千人という人たちがウクライナからドイツに逃げてきています。この人たちは勿論コロナよりももっと別の問題を抱えているでしょうし、そこまで頭がまわらないかもしれません。しかし、そうであっても、ウクライナからの人たちの感染防止、そしてどのように重症化を阻止していくのか、ということは重要な課題です。ウクライナの予防接種率は低い、ということも言っておかなければいけません。2回の接種を終えている人が34%、ブースターにおいてはたったの2%です。2月の段階で、です。ドイツにくる為にバスや列車にぎゅうぎゅうに詰め込まれて何日もかけてきている、という様子をみました。ラウタバッハ保健相も、難民の多くがCovid-19に罹患しているであろう、とみています。その数は恐ろしく多い、と思われますが、トラウマになるような経験をしたり、身体的にも精神的も大きな負担がかかった状態では、感染にもかかりやすい、というようなこともあると思われますか?

ウクライナの接種率が大変低い、ということは事実です。そして、接種されたワクチンはmRNAワクチンではなくて、スプートニクなどのワクチンです。ウクライナで使われているワクチンの効果はあまり高くない、ということはわかっています。

ベクターワクチンですね。

そうです。ほとんどデータが出されていません。難民によって感染状況が大幅に変わるか、というと私はそうではないと思っています。というのも、感染者数がそもそも高いわけですから、難民がくることによって感染状況に大きな影響があるか、というとそうではないと思います。ここのところはしっかりとさせておくべきだと思います。この高い感染者数でそのような指摘はするべきではないでしょう。

そうですよね。計算上、毎日100人感染者が入ってきたとしても、その数は毎日の新規感染者の0,1%よりも少ない、と読みました。

そうですね。その逆です。難民のほうが様々な理由から感染症に罹患するリスクを抱えています。そのなかにCovid-19が含まれるわけですが、医療をきちんと行き渡らせることは必然です。ワクチンの接種を可能にすることも勿論のことです。逃げている間の状況は酷いでしょうから感染のリスクは高いです。さきほど、列車の状況などについても出ていましたが、重要なのは全ての人が医療をうけられるようにすることです。プライベートで難民を受けれた人もいると思います。その場合にも、抗原テストを定期的に、1日目、1週間、2週間することは重要です。そして、マスクを着用すること。感染防止対策に基づいて行動すること、です。私の州に関しては、全員に医療が提供され検査もされています。ワクチンの接種機会も設けられていますし、問題の解決に勤めています。

ワクチンを打つ権利もありますよね。

到着してから速攻で予防接種をする、というStikoの推奨は正しいです。受け入れ先に到着した際、避難所で、です。これは、Covid-19だけではなくて、他の予防接種も含まれます。年齢によって、麻疹、おたふく風邪、風疹、ジフテリー、破傷風、ポリオ、百日咳なども必要です。ウクライナ方面から来たから、ということではなくて、これらは必要な予防接種です。

ウクライナの人たちを重症化から守る為にはどのような対策が考えられますか?

対策としては同じです。違いはありません。一番良いのは、まずは小さな単位、家族ごとで検査をして、感染者をみつけること。マスクをすること、です。そして、ウクライナにはCovid-19以外にも別の疾患が頻繁にあったりもするのです。例えば、結核のケースなども報告がありました。結核菌が感染することを恐れている人は多いと思いますが、伝播するためにはCovid-19よりももっと近距離で長期間の接触がなければいけません。短い接触ではほとんどリスクはありません。とは言っても、勿論、すでに結核に罹患していて避難してくる場合には、迅速な治療が必要になってきます。早い対応が大切です。

今度は別な国に目を向けて、頭のなかで小さな旅行を試みたく思います。行き先は香港です。香港は遥か彼方ですし、条件もドイツとは比較できません。しかし、ここから出てきているデータのいくつかは参考になるのではないか、と思うのです。香港ではコロナはここ数ヶ月ほとんど忘れ去れていたようなのですが、最近、激しいオミクロンの流行が起こっています。感染者数はここ数週間増え続け、740万人の人口のなかで600人以上にも登りました。ゼロCovid戦略は失敗に終わった、ということになりますが、これはどのように説明することができるのでしょうか?

香港の特殊な点では、、感染者の増加、というのは他の国でもオミクロンによって起こっていますし、死者数もそれに伴って上がっています。他の国との比較をするならば説明は簡単です。香港では高齢者の予防接種率が大変低いのです。30%以下です。他の国の高齢者の接種率は明らかに高いですし、ブースター接種をしている人もほとんどいません。接種されたワクチンもシノバックで、これは mRNAワクチンとは違う種類のワクチンですし、効果もそこまでないようです。

少なくとも、新しい変異株にはない、ということですね。

そうですね。ですから、数をみてみると、死亡ケースの89%が70歳以上、高齢者によるものです。大きな集団感染が老人ホームや介護施設で起こったようです。ここからも、高齢者から予防接種を始め、老人ホームや介護が必要な高齢者を優先する、というやり方は正しかった、と言えると思います。というのも、始めは、高齢者ではなくて接触頻度が高い若年層から予防接種をしていく、という方法も検討されていたからです。オミクロンに関しては、ワクチンが重症化を防ぐ、というところでワクチンの穴を埋めていく、ということは大変重要なことです。この香港のデータは警告として受けとめるべきで、60歳以上のまだワクチンを打っていない人にとってはオミクロンは決して軽くなく、鼻風邪のようなものでは決してない、ということなのです。それどころか、基礎免疫がない場合には、特に高齢者にとっては大きなリスクです。この香港の高い死亡者数は何か特別な現象なのではなくて、高齢者の基礎免疫が獲得されていなく、オミクロンのような感染力が強いウィルスによって一気に拡大した、という理解です。

それに加えて香港では、BA.2のスパイクタンパク質での新しい変異がシークエンジングでも検証されています。これに関しては何がわかっているのでしょうか?

調べてみたところ、これはBA.2.2と呼ばれているようです。これは香港だけに存在する変異株ではありませんが、かなり優勢になっています。これは例えばイギリスやシンガポールにも存在します。この変異自体は、抗原性的には、つまりウィルス的にはあまり危機的ではありません。いまのところ、ウィルス的なメリット、つまり、病毒性であったり、感染力の増加はみられません。このようなところから、この現象はファウンダー効果である、という見方が強いです。つまり、いわゆるファウンダー効果ということに関しては何度もここでも説明してきましたが、偶然、老人ホームで集団感染が起こって、この変異を持つウィルスが増えた。それまでは知られていなかった種類が拡がった。変異部分もまだ知られていなかったものだったために、VOCの別の表現型として分類された、ということですが、勿論、引き続き調査と観察は必要ですし、これが香港の大流行の原因であるか、と言う点では私は違うと思います。原因は接種率の低さにあると思われます。

つまり、この変異株が死亡ケースの増加の原因ではない、ということですね。

現時点のデータからみると、そうではないと思います。

これとも関係があるのですが、少しミックスタイプについてお伺いします。先日、サイパンでデルタとオミクロンが混合した変異株がみつかった、とニュースで話題になりました。すぐに「デルタクロン」という名前までつけられましたが、専門家によると、これは人間でみつかったものではなくて、シークエンジング中の汚染が原因だ、ということでした。しかし、今、フランスからデルタとオミクロンのミックスが発見され、ドイツにももう入ってきてる、というデータが出たのですが、やはりラボのミスではなかった、とことなのでしょうか?

その当時はミスだったのだろうと思います。大変説得力のある調査でしたので。しかし、このフランスからのプレプリントでは、7人の若年層、全員40歳以下ですが、そこでデルタとオミクロンのリコンビナントが検証されています。これは、別々に発生したものだ、ということで、つまり、この人たちの間での接触はありません。1つには、デルタの系統、AY4、オミクロンBA.1のミックスです。これはフランスの様々な地方でみつかっていて、2022年の1月から循環しています。似たようなものはデンマークとオランダでもみつかっています。

7名、というのはあまり多くないように思いますが、、このようなものは稀なのでしょうか?それとも、ただ発見されないだけ、ということですか?

今、答えをほとんど出しましたね。このようなリコンビナントはどのようにできるのか、ということです。そのためには、細胞が2つの異なるウィルスに感染する必要があります。典型的な例としてはインフルエンザがあげられると思います。そこでは、抗原不連続変異と呼びますが、これはウィルス学専攻の医学生が必ず勉強しなければいけないことです。つまり、2つの異なるウィルスの亜種、もしくはウィルスの種類が遺伝子情報を交換する。そのためには、ゲノムが分割されている必要があります。つまり、部分ごとに細胞内で増殖し、その後で交換が行われて再度構成されるわけです。これを遺伝子再集合と呼びます。インフルエンザではこれはよくあることです。これが、何年かごとにインフルエンザの世界的なパンデミックが起こる理由でもあるのですが、インフルエンザの場合には大体において動物、豚や鳥などで起こるものです。ここで同じ細胞に異なる感染がおき、その際に遺伝子の交換が行われます。とにかく、このような遺伝子再集合が起こる条件としては、遺伝子が分割されていることと、たんぱく質が単独でつくられる必要があります。しかし、SARS-CoV-2ではそのようなことはありません。ウィルスによっては、ゲノムが単独分子、つまりRNA分子だけで構成されているものもあります。分割されていない、ということですが、ここでも機会があればリコンビナントすることがあり、ここから重複感染が起こることがあります。これは核酸チェーンが壊れることによって発生するものです。とはいっても、これが起こるのは大変稀なことであって偶然起きる現象です。偶然の産物なのです。ただ、感染者数が大変多い場合には、異なるウィルスが同時に存在する、という可能性が大変高くなり、そこから何かが起こる可能性、というもの同じく高いです。ですから、循環しているウィルスの量、というものが重要になってきます。しかし、SARS-CoV-2の特徴としては、どちらかと言えば大変稀なことだ、と言えるでしょう。

つまり、同時感染した場合に、必ずしもウィルスが再構成されなければいけない、ということはないということでしょうか?

そうではありません。理論的には核酸の鎖が切れることで可能ではありますが、そこまで頻繁には起こりません。つまり、感染した場合には全ての細胞が感染するわけではないわけで、、もしそうなったらその人は大変重症になってしまうでしょう、、感染した場合には、同時感染だけではなくて、細胞自体が重複感染している必要があります。それに加えて、核酸の鎖の切断が起こる必要がありますから、先ほども言ったようにこれはインフルエンザでは典型的な現象で、インフルエンザの分割されたゲノムによるものですが、SARS-CoV-2の場合にはそれが可能ではあるものの毎日起こるようなことではないのです。

このような重複感染、というものの疾患経過はどのようなものなのでしょうか?

こうだ、ということは言えません。勿論、ウィルス学的な変異株の特徴にもよります。例えば、リコンビナント変異株があるとして、それがスーパースプレッダーイベントで7人以上に感染したとしたら、、大勢に感染にした場合には勿論臨床的な面での疾患経過の比較をすることができると思いますが、そのようなものは今の所ありません。WHOが今、リコンビナント株の重症度と伝播性の試験をしようとしているらしいです。この研究をすることは重要だと思います。対処方法を考える面でも必要なことです。 先ほどの質問ですが、これから監視していく必要性というものがあります。私がとても残念に思うことは、変異PCRの補償が政府によって突然予告なく取り消された、ということです。勿論、そうなると予算がなくなりますから、ラボでもいままでのように頻繁には使われなくなります。ドイツでは感染の5から10%ほどがシークエンジングされます。この程度ではこのような稀なケースを見つけることはできません。変異PCRをすればこのようなケースを発見する機会は増えるのですが、2月中旬から補償が下りなくなってしまったので、使われる頻度が極端に減りました。これも、もうみたくないことにお金を使うことをしない、やめてしまう、という良い例です。勿論、これは危険なことです。改善の余地があるところだと思います

リコンビナント株が他の変異株よりもメリットを持つ、ということは考えらますか?

それはわかりません。このようなことは偶然の現象ですから、鎖のどの部分が切れるのか、ということも予測不可能です。その逆に、デメリットができて複製がうまくいかなくなる可能性もあります。危険性、というのは、ワーストケースの場合には、私たちにとって不利になる特徴が集まってしまう、という点です。同じように、偶然ウィルスにとって不利な特徴が集まる可能性もあります。そうなれば複製することができなくなって、そこで終わる。感染のチェーンは断ち切られます。

最後にお伺いしたいのは、最近、多くの人が不安になったことがって、、ある研究データの解釈についてです。そこでは、SARS-CoV-2に感染したT細胞が免疫システムにダメージを与える、というものです。空気感染するエイズのようなものだ、と。答えに行く前に、この研究がどのようなものなのか、というところからご説明いただきますか?

この論文は読みましたし、ソーシャルメディアでもみました。これもきちんと分析して判断する必要があるケースの良い例だと思います。というのも、これは「ネイチャー論文」だ、と言われていて、「ネイチャー」と聞くと勿論自動的にクオリティと信頼がある、と理解されますね。しかし、これは、ネイチャー誌に掲載されたものではなくて、ネイチャーの別冊である「Signal Transduction and Targeted Therapy」というジャーナルに掲載されたものなのです。こちらはほとんど無名だと思うのですが、きちんとしたジャーナルであることは確かです。そこは間違いないのですが、ここでの査読者、2名だったか3名いたのかわかりませんけれど、、査読した学者が少し杜撰だった、と思われます。このようなクオリティの高いジャーナル誌ではその点はしっかりされなければいけないところだと思いますが、、この研究では、イン・ビトロでSARSウィルスがT細胞に感染し殺すことができるのかどうか、ということをみていて、試験管内、というのがこの実験のベースで実際の人体での話ではありません。別の言葉で言うと、これを1対1で当てはめることはできない、ということです。ここで出された結論も勿論実験上での結果です。

つまり、この、SARS-CoV-2がT細胞をHIVのように攻撃する、というのはそこまで説得力がない、と。

そういうことです。もう少し説明すると、、まず、ウィルスがリンパ球に感染する、というのは特別なことではない、ということ。典型的な例としては、麻疹ウィルスやインフルエンザウィルスです。これはパニックになるような特殊な現象ではありません。麻疹ウィルスが典型的ですが、一時的に数週間に渡る免疫不全を引き起こし重感染に繋がることがあるのです。SARSウィルスに関しては、このようなことは臨床的に観察されてはいなくて、重感染や複感染は細菌によって起こります。さらに、SARS-CoV-2はT細胞には感染しない、という真逆の結果を出している論文も多々あります。勿論、別の結果が出ている研究があるからといって、それ以外が全て間違い、ということにはならないのですが、結論を出す前にそれを裏付けする検証を待つ必要があるのです。別の研究チームからの検証などから、です。もう一度この論文に戻りますが、ここでは患者のT細胞と、ラボのT細胞ライン、、これは不死化細胞ですが、そこでのウィルスの複製がみられた、と。しかし、ここでも激しい複製ではありません。別の細胞での典型的な感染時とは比較できないレベルです。方法的にもこの論文には弱点がある、と言えますが、そこまで掘り下げるのは少しやりすぎだと思われるので割愛します。例をあげるとすれば、フローサイトメトリーというものがあるのですが、、リスナーのなかにはラボで働いている人もいるのではないでしょうか、、ここでは、ネガティブコントロールというものが必ず必要になります。この場合は感染していない細胞ですね。ここでの設定を計測前にしないと正確な数値がとれません。つまり、ネガティブコントロールの陰性細胞が陽性細胞だ、ということになると、十分な補正が行われることなく、計測された数値や結果を正しく解釈することは困難になるのです。この点のチェックを査読者はするべきであって指摘しなければいけなかったと思います。明確な像がみられないのであれば、他の数値もどこまで使えるのかどうか、というところを疑ってかかる必要がありますので。ここで、私は、いい加減な実験がされた、などという疑惑をかけるつもりはありません。しかし、問題がなかったか、というとそうとはいえない、と言っておきます。本来であれば、このかたちで発表されるべき内容ではなく、査読者のチェックがその前に入れられるべきであった、と思います。発表されてメディアが「airborne AIDS」だと報道し、HIVとの比較をする。私から言わせてもらうならば、そのようなことではないですし、あり得ないです。 この論文では、ウィルスがACE2以外の受容体を使うことができる可能性を指摘してて、これは興味深いところです。その点については別の研究もありますが、どちらにしてもイン・ビトロでの話です。イン・ビトロでどの程の意味があるのか、ということははっきりしませんし、このようなことは更なる調査と実験をし、別の研究グループが検証しながら研究としての意義を問うものだからです。しかし、臨床的に当てはめることは、このような実験を数回しただけではできないことです。ですから、引き続き、実際にTリンパ球が感染するのかどうか。どの程度の感染が起こるのか、ということを研究する必要があります。しかし、どちらにしても、素人がここから何らかの解釈をして判断する、もしくは恐怖を感じる必要は全くありません。ここが一番重要な点だと思います。

安心しました。ありがとうございます。このようなかたちでは今日が先生との最後のポッドキャストになります。同僚であるヘニッヒさんが2週間前に告知したように、とりあえずポッドキャストは終了します。重要なことは全て話し合われた。これからは政治の課題だ、というのが両先生のご意見でもありますし、科学の側からは可能なことは全て行われた、と。勿論、ポッドキャストが終わっても、パンデミックはまだ終息しません。このウィルスが鼻風邪だ、というわけではないですものね、、

今日の話でも、今の状況がかなり激しいものである、ということは明らかになったと思いますし、私も日々憤りを感じていますが、ウクライナ情勢など他に様々な問題があるなかで、もうほとんど全てを出し尽くしたと思われるウィルスについて、これ以上話しあっていく必要性を感じませんし、画期的な知見、というものも出てきていません。ですから、まずは終わりにするのが賢明だと思うのです。勿論、別のかたちで引き続きやっていきたいとは思っていて、例えば、先ほどの論文などがメディアで出回ってしまうと混乱と不安を煽ることになるわけですから、専門家の分析と解釈は重要だと思うのです。どのようなかたちで、というのはまだわかりませんが、、とにかく、少しさみしく感じることは確かです、、(笑) 私は、別のかたちでみなさんのお役に立ちたく思っていて、一般の人にも理解できるように説明をして誤解を解く作業をしていきたく思っています。

もしかしたら、数週間、数ヶ月後に、画期的な新しい知見がでてくる可能性もありますし、そのような場合にはまたお電話を差し上げても良い、と言う承諾を頂いていますので、、

勿論です。

まずは、次回はドロステン先生との特別回です。またよろしくお願いいたします。




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