2023.10.24 土に還る

なぜかここ最近、見知らぬ人の訃報や体調悪化などを耳にすることが多い。
気がつけば死というものに意識が向かっていて、誰かの「死を考えることは生と向き合うこと」という言葉を思い出す。

生きるということは自分勝手なことだと思う。
自らの生命をつなぐために他の生命を殺して食べて出す。出したものがどうなったのかさえ知らない。それだけでも充分身勝手な気がするのに、余分に作って余分に殺して、余ったら捨てる。
農作物だって牛さんや豚さんだって、大きくなるのが待てないから、肥料とかホルモン剤打って大きく(成長を早く)したり、虫がつかないように殺虫剤撒いて、病気しないように抗生物質を打ったりする。抗生物質って病気になったときに打つものよね。

時間の概念はここ100年200年で大きく変わったのだろう。わたしの幼少期の時間の過ぎかたと今は全然違う。スマホができて人は待てなくなってしまった。早いレスポンスが良とされるし、少しの隙間時間にスマホをいじってどうでもいい情報を入手する。
農作物や畜産物は肥料とホルモン剤で時間を早送りして、自分自身にはエイジングケアで時間を先延ばしにする。これを自分勝手と言わずになんというのだろう。人にも植物にも動物にも時間は平等に流れる。そんなに焦って生きなくても大丈夫なのだと思うけど、わたしも隙間時間にスマホを触る。

人は死んだときに、土に還ることでやっと人間以外の生命の役に立つような気がする。今のご時世土葬は出来ないだろうから、火葬は仕方ないとして骨壷入れて墓に入れちゃうとあんなに少ししかない骨すら土に還ることが出来ない。みんなの骨を土に埋めてほしいって話ではないけど(わたしは土に還りたいから埋めてほしい)、生きてるうちに人間でも人間以外の生物でもいいから、誰かのどこかの生命の役に少しでも立てたらいいなと強く思う。

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