#1696 学級開きのポイントまとめ
今年度は、4月1日が月曜日で、始業式が4月8日の月曜日となっている。
そのため、5日間を使って、ゆっくり準備をすることができた。
以下では、毎年の学級開きで使えるよう、意識すべきポイントをまとめていく。
1 子どもと出会い、教室に戻ってからのシナリオ構想
何と言っても、学級開きではここが一番重要となる。
体育館で始業式が行われ、担任発表がある。
新しい子どもたちの先頭に笑顔で立ち、共に教室に向かっていく。
子どもたちはソワソワしているだろう。
教師もドキドキだ。
そして、みんなで教室に戻ってからが「学級開き本番」である。
ここで「何を語るか」が重要となる。
私の構想は以下の通りだ。
➀自己紹介
②「学校に何のために通うのか?」スライドでの語り
③「先生が叱るとき」スライドでの語り
④「心のコップを上向きにすること」スライドでの語り
⑤ミニホワイトボードで先生クイズ
※時間が余れば、ミニホワイトボードで意見表明
⑥春休みの課題の回収
⑦配付物や教科書を渡す
⑧入学式の心構えの指導
⑨明日以降の連絡
※必要があれば、連絡帳を書く
⑩「よろしくお願いします」のあいさつ
途中で入学式を挟むので、実質2時間分の学級活動をすることになる。
この2時間で上記のような10個の活動を行うことになる。
重要なところは「心のコップ」の語りである。
子どもたちは、否が応でも担任と1年間付き合うことになる。
教師も子どもたちに1年間、価値を伝え続けることになる。
その土台として、
「心のコップを上向きにすること」
「上向きにすればたくさんの価値を溜めていくことができること」
を分かりやすく伝える。
この土台が整うことで、教師の語りが子どもたちに入っていくようになる。
なので、初日にこの語りをすることが重要となる。
2 配付物を一人一人の分まとめておく
登校初日はとにかく配付物が多い。
20枚近くある場合もある。
この配付物を教師が先頭の子どもに渡し、後ろに回すことはしない。
理由は2点。
まずは、配付物を「確実に」「全員に」配付するためである。
なので、一枚一枚をたらい回しのように配るのではなく、一人一人に確実に「まとめて」手渡すようにする。
子どもたちは自分が持ち帰るべき配付物を「まとめて」渡されるので、それをそのままランドセルに入れればよい。
これは時短にもあるのだ。
そして、前の子どもが後ろの子どもに配付物を渡す際に、子どもの不適切な行動を避けるためでもある。
学級の中には、後ろに渡すときに、相手の顔も見ずに渡したり、投げたりするような子どももいる。
そのような行動を予防するためにも、教師が一人一人に「まとめて」手渡すようにする。
そのため、初日までに全ての配付物を一人一人の分まとめておく。
手間はかかるが、後で楽することができるのだ。
3 教室を美しく、シンプルに
登校初日までに教室をある程度きれいにしておく。
余計なものを置かないようにする。
特にロッカーの上には、「前の学年から持ち上げた荷物」を置かない。
黒板のメッセージや飾りもシンプルにしておく。
とにかく「美しく」「シンプルに」する。
子どもたちが初日から騒然としないように配慮する。
4 掲示物するものとしないものを分ける
準備期間が長いと、掲示物をどんどん作成してしまう。
学期が始まってからは、なかなか時間がとれないからだ。
しかし、作った掲示物を意気揚々と教室に掲示してはいけない。
教師の方で「給食当番のシステム」や学級会における「計画委員会のシステム」などを、事前に構想しておくのはよい。
しかし、その掲示物を子どもたちが来る前から掲示してはいけない。
そのような学級経営に関する掲示物があったら、新しい担任が発表される前に、子どもたちは目にしてしまうのだ。
すると、
「こんな感じで進んでいくんだ」
「メンバーは勝手に決まってるんだ」
「先生が何でもやってくれるんだ」
と誤学習してしまう。
子どもたちの主体性の芽を摘んでしまうのである。
なので、学級経営などのシステムに関する掲示物は、事前に掲示しないようにする。
子どもたちと話し合って、合意形成を図ってから掲示していくようにする。
「何事も早ければよい」なんてことはないのだ。
5 給食のシステム構想
これは上記で述べたことと関連している。
低学年であれば、給食のシステムについて教師がわかりやすく説明する。
中学年以上であれば、子どもたちと話し合い、合意形成を図りながら決定していく。
当番の仕事分担と内容、
当番の分担の変更手順、
「おかわり」や「減らし」のルール、
後片付けや掃除の方法など。
これらを教師の方である程度、構想しておくようにする。
6 朝の会、帰りの会は項目立てだけ
朝の会、帰りの会は日直が進める。
その際、セリフが全て書かれた台本を用意してしまうと、子どもはそれを読み上げるだけになってしまう。
そこに成長の芽は生まれない。
そこで、項目立てだけした「メニュー表」のようなものだけを用意する。
あとは、日直の子どもがそれをもとにセリフを考えればよいのである。
7 宿題の進め方、システム構想
宿題をどのように進めていくのか、システムをどうするのかを事前に構想する。
そして、子どもたちに「家庭学習の必要性・意義」を語る。
子どもたちにそれを伝えたら、家庭学習の一環として宿題を出していくことを全体で合意形成する。
「押し付け」をするのではなく、ここでも「合意形成」を図ることが重要だ。
さらに、年度はじめは一気に宿題を出さない。
宿題の内容は徐々に増やしていくようにする。
いきなりトップギアに入れると、子どもたちがガス欠を起こしてしまう。
軌道に乗るまでは、ゆっくり発進するのである。
以上が、学級開きとその準備に意識すべきことである。
これからの学級開きにおいても生かしていきたい。
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