#1729 学級会にファシリテーション技術を援用する
学級活動(1)における「学級会」の授業では、ファシリテーション技術を援用することができる。
ここで言うファシリテーション技術とは、以下の6つを指す。
①インストラクション:説明
②クエスチョン:質問
③アセスメント:分析・翻訳
④フォーメーション:隊形
⑤グラフィック&ソニフィケーション:可視化・可聴化
⑥プログラムデザイン:設計
以下、それぞれの技術をどう援用していくか、その具体例を示していく。
①インストラクション:説明
・学級会が始まる前に、学級会の意義・大切なポイントをかいつまんで説明する。
・計画委員会の子どもが、議題選定の経緯や提案理由をわかりやすく説明できるように助言する。
・学級会で話し合いが行き詰ったときに、どう進めればよいかを端的に助言する。
②クエスチョン:質問
・学級会で話し合いが停滞したときに、「どうすればいいかな?」と問いかける。
・司会の子どもが、学級全体に話し合いを活性化するような問いかけができるように、事前に指導しておく。
・最後の「先生の話」のときに、「決めたことの実践」や「次回の学級会」に向けて考えてもらいたいことを問いかける。
③アセスメント:分析・翻訳
・あらかじめ子どもたちの意見を集約しておき、どんな意見があるのか、それを誰がもっているのかを把握しておく。
・計画委員会の「司会」に向いている子どもを事前に把握し、助言する。
・学級の実態を把握しておき、プログラムデザイン(⑥)に生かす。
④フォーメーション:隊形
・机の配置を「劇場型」「コの字型」「円形型」のどれにするのかを決める。
・「自由にする」「男女交互にする」「教師が意図的に決める」など、子どもの机の配置を考える。
・教師の立ち位置、座る位置を考える。
⑤グラフィック&ソニフィケーション:可視化・可聴化
・学級会グッズや短冊を黒板に貼ることで、可視化する。
・話し合う時間が終わったときに卓上ベルを鳴らす。
・声の小さな子どもがいたときに、別の子どもにスピーカーの役目を果たしてもらう。
⑥プログラムデザイン:設計
・話し合い項目をどうするか考える。
・話し合いにかける時間を考える。
・アセスメント(③)をもとに、学級会がどのように落ち着きそうか流れを想定しておく。
以上が、学級会にファシリテーション技術を援用する例である。
学級会には「絶対解」が存在しない。
そのため、話し合いの舵とりをする「ファシリテーション」との親和性が非常によいのだ。
ぜひとも、学級会を指導する際には、上記のファシリテーション技術を援用していきたい。