#81 非認知能力を高める
最近、非認知能力の育成が叫ばれるようになった。
非認知能力とは、テストの点数で測られるような学力、つまり認知能力には当てはまらない能力を言う。
例えば、コミュニケーション能力や問題解決能力、メタ認知能力、意欲などもこれに含まれる。
なぜこのような能力を高めなければならないのか。
これからの時代はAIがますます台頭し、知識などを必要とする職業は全てAIに奪われることになっていく。
AIは計算や単純作業、検索が得意なので、それらを使うような仕事に向いている。
しかしコミュニケーションをとったり、協働したり、粘り強く考え新しいものを創造したりすることはできない。
つまりこれらを効率よく行うことができる「非認知能力」が必要になってくるのだ。
この非認知能力を学校教育で子どもに身につけさせなければならない。
まず非認知能力を高める前の土台が必要であると言われている。
それは「自己肯定感」である。
「自己肯定感」というしっかりした土台があってこそ、他者と協働したり、自分を見つめ直したり、新しい目標に向けて粘り強く突き進むことができるのである。
その大切な土台である自己肯定感は幼少期に育むことが大切だ。
つまり義務教育前の家庭教育の段階で育まれるべきである。
親からの愛着(アタッチメント)を十分に与え、存在価値を認めてあげることで、子どもの自己肯定感を高めることができる。
この部分はしっかりと親にお願いしたい。
その土台が固まったら、義務教育段階で非認知能力を育てていく。
他者と協働する体験、問題を解決する体験をたくさん味わわせる。
しかし、ただ体験をさせても非認知能力を育てることができない。
体験をさせたあとに内省、つまり振り返りをさせるのである。
この内省を経ることで、「学び」に変わる。
この「学び」を積み重ねることで、非認知能力が形成されていく。
キーは「振り返り」なのである。
そしてこの非認知能力を土台に、さらに認知能力や思考力を高めていく。
非認知能力が認知能力や思考力によい影響を及ぼすことが分かっている。
非認知能力が高い人ほど、テストの点数が高く、思考力も高いのである。
この認知能力や思考力は大人になっていく段階で徐々に高めていくことができる。
だから学力が高まらなくても焦る必要はない。
まずは何よりも「非認知能力」を高めることが先である。
これを義務教育段階でしっかりと形成していくことが、我々教師には求められる。
もちろん自己肯定感の土台があるという前提の話である。
自分も親なので、意識していきたい。では。
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